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#05 読書録「数値化の鬼」

こんにちは。webディレクターの金子大地です。
今回は識学の代表取締役社長である安藤広大さんが書かれた「数値化の鬼」について。

識学といえば、組織のマネジメントコンサルティングを行っている会社で、設立4年で上場、マネジメント理論は2700社で導入されているというすんごい企業。

そんな会社の社長が言う。

いったん、数字に強くなれ

こ、これは気になる。。。と、ジャケ買い。

元々私自身、ずっと営業畑にいたこともあり、数字に対して敏感な方だとは思う。「数字がすべて」とまでは言わないが、それに近い世界にいたので、営業から離れた今も色々な数字が自然と気になってしまうタチである。なのでこのタイトルには余計に心惹かれた。

「数値化の鬼」、そしてサブタイトルの「「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法」とはいったいどんなものなのか、少しでも参考にしていただければと思う。


売上や利益など数字が関係しないビジネスなんてありません。その達成こそが第一です。社会問題の解決を目指す社会起業でも、利益を生まないと継続はできません。
数字を追いかけ、ふと振り返ったときに初めて「あなたの強みは〇〇ですね」と、自分らしい個性が出るのです。

この文は「はじめに」に書かれている。のっけからド正論で清々しい。笑

この引用文の前の文章にも書いてあるが、数字より前に自分らしさが生まれることはない
アスリートもそう。数字を追い求めて追い求めて、最後に滴った一滴からその人らしいパフォーマンスや特徴が見えてくる。
その順番を間違えてはいけない。

たとえば、目標を立てて英語を勉強するとしましょう。
「1日10単語覚える」という目標を立てて、実行し、1日に8単語しか覚えられなかったとします。
そうであれば、次にどうすれば10単語が覚えられるのか、あるいは、そもそも10単語の目標が高かったのか。それを分析することができます。・・・失敗は数値化して次につなげてこそ、結果を生みます。

目標の数値化、失敗の数値化は非常に大切。

実はこの読書録も目標として数値化している。会社の今期の個人目標の一つとして、20冊の本を読んで、読書録にまとめてnoteで発信するというものを掲げた。その他の目標もすべて定量的に測れるものにした。

そうすることで達成できたのか、できなかったのか、できなかったのなら達成率は何%になるのか、未達の理由は何故なのか、目標設定が誤っていたのか、行動量が足りなかったのか・・・・と正しく振り返ることができる。

結果を産むためにはすべてを数値化する。大事。

識学においては、「P」に時間をかけないことが重要としています。
「PDCA」の「P」は計画ですが、これに時間をかけるのはムダです。
人間は、「計画を立てるとき」がもっともテンションが上がります。
・・・
まだ何も実行していないときは、気持ちだけが上がります。
いわゆる「とらぬタヌキの皮算用」ですが、ここに落とし穴があります。
それは、計画を立てるだけで安心してしまうことです。
・・・
計画を立てただけで満足し、「明日から頑張ろう」と思う人が多すぎます。
計画は、実際に行動が伴って初めて意味を持ちます。

・・・耳が痛い!笑
私も上記のような人間なので、とても気持ちがわかる。計画を立てる時が一番楽しく、計画を立てた後は結局なにもしなかった、といった経験は多々ある。。

この本ではPDCAの「D」、つまり「行動量」に徹底的に重要視している。質より量。
それにはさまざまな理由があるのだが、一つあげるとすると、計画での数字と、実際にやってみた数字を比較して、それを埋めるアクションを起こすことこそに成長があるからだ。

成功率80%の人と、成功率50%の人がいるとします。
どちらのほうがすごいと思いますか?
おそらく、前者のほうを選ぶかもしれません。
しかし、それが誤解の始まりです。

成功率80%の人が、10件中8件の契約を取ってきていたとしましょう。
一方で、成功率50%の人は、50件中25件を取っていたとします。
いかがでしょうか。これでも、前者のほうが優秀だと思うでしょうか。
この場合は、後者のほうが評価されなくてはいけません。
いくらか「確率では勝ってる」と言っても、8件と25件では、その差が3倍です。

行動量が重んじられる理由の一つがこれ。確率というのは厄介で、見方を間違えると大きな誤解を生じさせる。

質を上げる(成功率を上げる)ことは大切。しかし、質を上げることが目的化し、終いには量が下がり、結果的に成果(ここでいう契約数)が下がってはなんの意味もない

そもそも、「%」は悪用されたり、誤解を与えることが多い概念です。
「うちの塾は、合格率90%以上です」
→ただし、1人が複数校に合格しているものもカウントする
「うちの会社は、利益が前年比1000%で成長しています」
→ただし、昨年の利益は1万円だけで、今年も10万円足らず
「私たちの会社は、東大卒が50%です」
→ただし、2人のうち1人だけ

提案書やランディングページでもよく使う「%」。「%」は、良くも悪くも力を持っている。
事実をより魅力的に見せることもできれば、たいしたことでもないのに、モノは言いようで、あたかもすごい話のように表現することもできる。

本にも書かれているが、私たちが身につけるべきは、「この%は何分の何ですか?」を口グセにすることだ。これを聞いて答えられない相手の話には、何らかの隠しておきたい「意図」があると思って間違いない。

多くのビジネスパーソンは、次の2つのパターンで苦しんでいます。
・「変えられないこと」を変えようとする人
・「変えられること」を変えられないと思い込んでいる人
本来なら、「変えられること」を変えようと努力し、「変えられないこと」は早々に見切りをつけることが大事です。

自分も含めて、割と無意識にこのパターンに陥っている人は少なくない気がする。
仕事でもプライベートでも、何かしらの目標を立てるも、なかなか上手くいかない時。そこにはさまざまな理由があるわけだが、大前提としてその理由は「変えられること」なのか「変えられないことなのか」を明確にする必要がある。

自分たちの気持ちや思い込みで変えられないことを変えようとしたり、変えられることなのに無理だと思い込んでしまったり、そういうことを起こさないように私自身気をつけたいと思う。

成果が出ていないプレーヤーやチームがいるとします。
彼らが、うまくいっている他のプレーヤーやチームに「どういうやり方をやっていますか」と聞いた場合、聞かれた側は積極的にオープンにすべきです。
優秀なプレーヤーから学んだり盗みとったりするのも健全な競争では起こることです。
・・・
知識のブラックボックス化を許さないのは、組織で働く上で大事なことです。
自分1人だけがうまくいっても、そこで満足してしまうと、組織全体の成長にはつながりません。
仮説という前提で、知識をシェアするようにしましょう。

これもめちゃくちゃ大事。賞賛に値する行動をしていたり、会社の売上に大きく貢献する成果をあげていたりする人でも、意識的にその知識や経験を共有しようしている人は少ない
別に当人に悪気があるわけではないだろうし、忙しくてできていないということもあると思う。

ただ、組織全体が成長していくためには、そういった知識や知見は共有されるべき。
たとえ聞いた人全員にとって役に立たなくても、あくま「仮説」としてシェアすることで、組織全体の成長を促すことは非常に大事だと思う。我が身を振り返りたい。

ある有名な投資家は、「やりたいこと」をまず10個書くそうです。
そして、10個を書き切ったら、その中で上位の3つを「今すぐやるべきこと」にし、残りの7つを「やらないこと」にします。
・・・
ここで重要なのは、やりたいことの中で「7つを捨てる」ということのほうです。
そうすることによって、最重要事項である上位3つに集中できるからです。

仕事をしていると、あれもやりたい、これもやりたいという状況に陥ることがある。
それ自体は決して悪いことではないと思うが、売上や利益を生み出すためにそれら全てをやろうとすることは必ずしも正しいとは限らない。

私でいうとディレクターという職種上、さまざまなお仕事が発生する。やりたいことでスケジュールが埋まってしまうこともある。
そういう時は「やらないこと」を先に決めてしまう。そうすることで、自分が本当に取り組むべき仕事が見えてくる。

忙しいことやお仕事がたくさん降ってくることに酔いしれないように、本当の意味でやりたいこと・やるべきことを見極められるようになりたい。

まとめ

「数字」を重要視していると、その人があたかも冷たい人間であると思ってしまう人が一定数いる。薄情だ、気持ちも大事だ、みたいな。

勘違いしてはいけないが、そういう人たちは決して冷たい人間というわけではない。組織のため、チームのため、意図的に数字にこだわることはむしろ温かさすらあると思う。

途中にも書いたが、「自分らしさ」みたいなものは、数字や結果が出てきてから生まれるもの。
まずは心を鬼にして、徹底的に数字と向き合う。行動量を担保する。確率の罠に囚われない。やるべきことをきちんと捉える。

私自身、これから数値化を意識して働いていきたいと強く思った1冊だった。


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