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#13 読書録「実践セールス・イネーブルメント」

今回の読書録は「実践セールス・イネーブルメント

購入した理由は、最近ウェブ活用支援に携わる中で営業という仕事をもっと知りたいと思うようになったから。

私自身、今の仕事に就くまでは5年以上営業職だった。今はHubSpotを用いて営業をサポートする側にまわっている。(具体的なお仕事にはまだついていないが)

周りに目を向けると、例えばウェブ上で発生した行動から、見込み度の高い/低いのシグナルをキャッチし、より商談化・受注確率の高そうな人をみつけるといった支援をしている。

一方で、巷ではマーケティング部と営業部は衝突しがちであるということもよく聞く。
営業部からすると「マーケティング部からトスされる顧客の見込み度が低い」であったり、マーケティング部からすると「受注につながらないのは営業の能力が低いからだ」といったすれ違いが起きている。らしい。

私としては営業をやっていた身でもあり、営業のことも解像度高く考えられる上で、ウェブ活用支援を行いたいと勝手ながら思っている。
営業という仕事の解像度を高めるためのインプットとして選んだ本の中の一冊がこれ。

セールス・イネーブルメントとは何か。すべての営業が成果を出すための仕組みとは何か。ウェブで役に立てるところはないか。そんなことを見つけられたらと思って読んでみた。

前置きが長くなってしまったが、端的に紹介していきたいと思う。


セールス・イネーブルメントの目的は営業の成果(端的には売上や利益)です。そのためには、「スキル/知識」の支援と、目的に沿った適切な「行動」を促すための支援が必要になります。

そもそも「セールス・イネーブルメントとは?」という方もいらっしゃると思う。知識と行動の両輪をまわすことが大事。

一般的に、成果・行動管理は主にSFAなどのツールを活用し、営業企画部門が運用しています。一方で、スキル/知識の習得支援はトレーニングやeラーニング施策などを活用し、主に人事部門が提供しています。このようなバラバラな体制では営業現場のニーズに即して統合的に設計・開発・運用しづらいのです。セールス・イネーブルメントはこれらを一気通貫で担います

私たちのお仕事は前半部分の「成果・行動管理」のお手伝いが主である。イネーブルメントチームは、それだけでなくスキルや知識の習得の支援も行う、いわば統合的な施策・支援を行なっているそう。

セールス・イネーブルメントは、「指揮官である営業部門長の考える戦略を立案し、その戦略を実行する営業部門長を補佐する者」という意味で、参謀役に近いといえます。

私たちのweb活用支援は「指揮官である営業部門長の考える戦略を立案すること」であると考えるとわかりやすいかもしれない。

お気づきのように、見積もりを出したからといって顧客の意思決定が進んでいるとは限りません。来年の予算どりのための見積もりかもしれませんし、競合との相見積もり用かもしれません。「自社が管理したい営業活動」をもとに営業活動を定義してしまうと、顧客の意思決定プロセスとズレる可能性が起きます。このズレのインパクトは結構大きく、最終的には皆さんの会社の売上予測に跳ね返ってきます。

この例にもあるように、見積もり依頼があったからといって受注確率が高いとは限らない。にもかかわらず、それだけの理由でそのクライアントに無駄な時間と労力を投下してしまい、結果的に失注。売上予測が狂う…という事態はそこそこある気がする。

既存顧客へのヒアリングなどを通して、顧客の意思決定フローへの解像度を高める必要がある。

ハイパフォーマーは注力すべき商談を見極めて、何にリソースを集中すれば確実に数値が達成できるのかに注力し、ローパフォーマーはプレゼンや顧客対応、交渉などのテクニックに意識がいく傾向です。

これが真実なんだろうなぁ。

1つは、ナレッジマネジメントマネージャーを置くこと、もう1つは評価制度に絡めてナレッジ提供をした営業を加点評価することです(組織貢献評価の1つの加点要素にするなど)。

上記は最新のナレッジが集まる2つの仕掛けに対する言及。汎用性のあるメソッドだと思う。

  1. 専門の人を置き、意図してナレッジを集める

  2. ナレッジが集まるような仕組みづくりを行う

最新のナレッジが集まることで組織全体が強化され、売上の最大化を図れる。投資に値する取り組みだと思う。


以上、実践セールス・イネーブルメントの読書録。
今回の読書録は少し短めだったが、いずれにせよとても良本であった。

営業の仕事をしていた当時はそのおもしろさや尊さを感じる余裕はなかったが、今となっては素晴らしい職種であった(ある)と感じている。

そんな営業の方々の後方支援を上手に行えるようになりたい。戦略立案や業務効率化のフォローを行なっていきたい。この本を読んでいたそんなふうに思った。

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