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SMAという難病、ぼくなりの付き合い方

こんにちは、杉本大地です。
3本目である今回のテーマは、僕が生まれ持つ疾患(病気)について です。
あくまで気楽に、自己紹介の1つのつもりで書きますので、よければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

SMAってなに?

僕の疾患は、脊髄性筋萎縮症という遺伝子性の難病です。英語名"Spinal Muscular Atrophy"の頭文字を取って、SMAと呼ばれます。10万人に1~2人の割合で発症する、いわゆる希少疾患です。
アイスバケツチャレンジなどで数年前話題になったALS(筋萎縮性側索硬化症)と部分的に似ている病気ですが、ALSが大人になってから発症するのが多いのに対し、SMAは子供の時に発症することが多い、という違いがあります。
また病気の進行が比較的遅いので、きちんとケアをすれば問題なく日常生活を送れます。

病気の原因に関してはここでは省かせていただきますが、遺伝子性なので、生まれる時に何か事故があった とかではなく、もはや最初から、こういう人間として生まれてきた、という部分だけ強調させてください。

症状としては、全身の筋力が極端に弱くなってしまうことで、立てない、歩けない、腕をあげられない、姿勢の維持が大変、などがあります。電動車椅子で生活している人が多いですが(僕は5歳頃から電動車椅子)、症状が重くなると、座っていることが厳しくなって”寝たきり”になったり、呼吸するための筋肉が弱いため人工呼吸器が必要になったりします。(僕は睡眠中呼吸が浅くなるので、夜間だけ鼻マスク型の人工呼吸器を装着しています。)
発症時期、重症度合いによって病気の型が分かれており、僕は幼児期発症のⅡ型に属します。
ただ個人差が大きいので、僕と同じⅡ型で寝たきりの人もいれば、僕より自由に体を動かせる人もいます。

SMAとの付き合い方(杉本大地の場合)

ここから先は僕自身がこの病気にどう向き合っているか、どう考えているか、についてお話ししていきます。

僕は産まれたときは元気で、その後も問題なく育ちましたが、ハイハイをなかなかしないことに母親が気づき病院へ受診。2歳3ヶ月の時にSMAと正式な診断を受けました。5歳の頃から車椅子に乗っていたので、自分にとってはこの体が当たり前です。絶望したとか、そういうことはありませんでした。
母親の頑張りと素敵なご縁のおかげで、小・中学校は地元のいわゆる普通学校、高校も受験を乗り越え、自宅から電車で1時間ほどの都立高校に通うことができました。

そういった環境でずっと生きてきたので、周りの人たちはいわゆる”健常者”ばかりでした。友人も何人かでき、周りと同じようにできないことは別の方法でこなしたりして、特に不自由なく暮らしていたのですが、小学校高学年ぐらいから、どこか周りに馴染めないような感覚を覚え始めました。
特別扱いして欲しくないとか、”障害者”というレッテルを貼られたような見方をされたり。
高校生の時は、自分が宇宙人みたいな存在に思えたりしていました。興味本位で近づいてくる人、そうでなくても優しい人は積極的に仲間に取り入れてくれようとしてはくれるのですが、どこか自分達とは別の生き物として、一歩引いた目線から見られているような感じがしていました。
今思えばただの中二病なのかもしれないですが(笑)、その時はそれなりに悩んでいたと思います。

そういった考えがなくなったのは大学に入ってからです。
クラスという仲間意識がほぼなくなって、違う学年の学生や教授、大学職員の方など、色々な人たちと日常的にたくさん接するようになりました。そうしたことで、別に自分だけが特別じゃないと気づき、悩むことがなくなりました。(あと普通にいろんな映画を観てそういうことに気づいたのかも。)
自分だけだと思ったら、そんなことはなかった。よくある話です(笑)

でも実際、SMAであるということは数としては少なく珍しいわけで、捉え方によってはこれを武器にすることもできます。車椅子って良くも悪くも目立つし、希少疾患でも楽しく生きているという事実は、近しい境遇の人に何か参考にしてもらえるかもしれません。この特性を生かして周りの人にちょっとでも影響を与えることができたなら、そんなに幸せなことはないと、最近は思っています。

また、SMAは遺伝子性の病気です。DNAという僕を形作る設計図に「SNAであること」がしっかりと記述されているわけで、それを否定したら自分自身を否定することになるかもしれない。「SMAじゃない杉本大地」は、「杉本大地」ではないんです。

SMAだからこそ

最後に、僕がこの病気であるから出来ているんじゃないかと思うことを少し紹介します。

僕は子供の時からものづくりが好きでした。
お絵かきや、レゴブロック、はまったゲームも『どうぶつの森』の模様替え機能や『Minecraft』などの創作系ばかり。高校生の時に3DCGに出会って、現在はそれを仕事にできています。そしてこの3DCGが、僕の身体にすごく合っていると感じるんです。

3DCGって、最終結果は派手で目を引く物が多いですが、製作過程は地味で単調な作業がほとんどです。たった一枚の画像、ほんの数秒の動画を作るために、その何倍ものパソコン操作による作業時間を必要とします。しかし、体が大きく動かない僕にとってそれはむしろ好都合。コツコツ地味にパソコンをいじっていれば、表現力豊かな作品が出来てしまうわけです。特に3DCGは、マウスさえ動かせられればどんなものでも視覚化できる、まさに夢のツールなんです。

僕には姉と妹がいて、二人とも小さい頃から地元のダンス教室に通っていました。そんな二人を見て「僕も自由に踊ることができたらなあ」と子供の時よく思っていました。しかし CGを使えば、自分自身が踊ることはできなくても、自分で作ったキャラクターを踊らせることができます。

身体表現が著しく難しい僕に、その手段を与えてくれるのが3DCGです。こんなもの、飽きるはずがありません(笑)

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最後まで読んでいただきありがとうございました。以上が僕なりのSMAという難病に対する考え方です。
これからも不定期に自分の生活の事、CGや映画など、特にジャンル決めずに思いつきで書いていくつもりです。よかったらフォロー、スキしていただけると励みになります!

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