映画「バズ・ライトイヤー」おもしろすぎた|正統派SF作品。ディズニーのコンテンツ力と脳汁CGが合わさったら面白え


映画「バズ・ライトイヤー」をディズニープラスで鑑賞しました。前評判が良く、トイストーリーファンでもない人でも楽しめるSF映画と話題でした。

僕自身も根っからのトイストーリーファンで、トイストーリー1〜3は各10回以上鑑賞済み。最新作のトイストーリー4も、世間の批判はあれど、僕自身は好きな作品です。

トイストーリーのスピンオフとも言えるのが、今作の「バズライトイヤー」です。

主人公は、バズライトイヤー。トイストーリーの主人公「ウッディ」の相棒として1作目から活躍。仲間想いのアツい奴、ただし登場時はスペースレンジャー(笑)として、ウッディと対立といった、人気キャラが主人公です。

トイストーリーの主人公はおもちゃなので、当然おもちゃ化される前の物語があるでしょうということで(トランスフォーマーやGIジョーといったおもちゃが先行している映画は置いておき…)、今作「バズライトイヤー」は「おもちゃ」も元ネタになった映画、という設定で製作されています。

前置きが長くなりましたが、バズライトイヤーをひとことで表すと「美麗CG正統派SFおもしろムービー」です。

トイストーリーのスピンオフとしてつくられた今作ですが、SF映画、すなわち宇宙モノや科学モノが好きな人には、かなり刺さる映画なので、トイストーリーわからなくても見てほしいです。

本作品を以下5つの項目に分けて、良かった点を書いていきます。


  1. 正統派SFとしての面白さ

  2. 有り余る金でつくった脳汁CG映像美

  3. トイストーリーのファンムービー、そしてバズライトイヤーの誕生譚とは。

  4. ヌコチャン映画

  5. ディズニーの声優起用のガチさ


正統派SFとしての面白さ

SF映画、好きですか?
私は大好きです。

スターウォーズに始まり、2001年宇宙の旅、インターステラー、トータルリコール、SF映画とともに私は育ちました。

SF映画の魅力といえば、やはり「確実な現実の先にあるイマジネーション」だと思っていて、あり得ない、あり得る、いや、あり得そう!の間で、ちょうどよく想像力が掻き立てられる点だと思います。
ありえなくても冷めるし、ありえるとSFじゃない。現実の、スマホとかAIとかロケットとかロボットとか、現在の少し先にある未来感が面白い点ですね。

バズライトイヤーは子ども向けっぽいプロモーションがされながら、SF映画ファンを納得させる設定のつくりこみに驚きます。

んーなんだろ、ガチなSFファンからしたら教科書知識のおさらい、一映画ファンなら「なんか聞いたことある」設定、子どもでも「なんとなくわかる」っていう良い塩梅なんですよね。
この辺はやっぱりディズニー上手いですね。全世代が幅広く楽しめる構成になっています。

今作に出てくるSFの要素、少し紹介します。

  • ウラシマ効果

  • タイムトラベル

  • 超光速(ハイパースペース)

  • 4〜5次元的存在

  • 人工知能IVANアイヴァン

どっかで聞いてことある?
これ、今までの名作SF映画の良い感じのところを、ちょっとずつつまめるんですよ。

  • ウラシマ効果・・・猿の惑星

  • タイムトラベル・・・バックトゥザフューチャー

  • 超光速(ハイパースペース)・・・スターウォーズ

  • 4〜5次元的存在・・・インターステラー

  • 人工知能アイヴァン・・・2001年宇宙の旅HAL9000

あぁ、どれも名作だ。

あと、少しネタバレっぽいですが、トム・クルーズ主演「オール・ユー・ニード・イズ・キル」も鑑賞しておくと、面白いと思います。(日本のラノベ原作・ハリウッド映画だよ!見てね!)

まあとにかく、SF映画好きなら垂涎モノの「SF映画おもちゃ箱」なわけです。(トイストーリーだけに)

SF映画好きなら黙って見てほしい。

有り余る金でつくった脳汁CG映像美

ディズニーのCGって最高ですよね。
ピクサーのCGって最高ですよね。

トイストーリー(1995)から始まったピクサーのCG伝説も、ここまできたかって思います。
トイストーリー4でもしっかり堪能したけど、よりクオリティが上がってる。

個人的にやばいと思ったCGを紹介します。

宇宙やばすぎ

宇宙の描写やばすぎです。多分、前澤さんが見た宇宙より美しい。

ゼログラビティを初めて鑑賞したときの感動に近かったけど、さらに超えてきています。

2001年宇宙の旅→ゼログラビティ→インターステラー→バズライトイヤーの順番です。宇宙のきれいさ。

あと、CGで宇宙の美しさと無限の怖さを、場面によって表現できているのもすごいです。

宇宙って美しいと同時に、怖いじゃないですか。永遠とつづく闇の恐怖というか。
それをCGで表現してるんですよ。しかも、登場人物の心理状態と場面に合わせて。

いや、宇宙は宇宙ですよ。
ただ、青春の男女が波を掛け合う海と、別れそうなカップルが行く海って、同じ海なのに受ける印象が違いますよね?
前者は「青春の眩しさ」を描写して、後者は「海が放つ物悲しさ」を描写しています。

それを、宇宙で、CG、すなわちコンピュータが合成したにすぎない映像で、描いているのに感動しました。

ピクサーがつくる宇宙の美麗さと恐怖、悲しさをぜひチェックしてください。

小道具やばすぎ

SFモノの醍醐味のひとつって、SFアイテムでもあります。レーザーガンや宇宙船、便利ガジェットなど。
あーもう、たまらん。

CGのクオリティが上がると、こういったSFアイテムのリアリティも増すんですよ。
人物のCGはアニメっぽいです。ディズニーなんで。
あと、フルCGでリアルな人物を描くと、多分不気味の谷現象が起きて、客足が遠のくんだと思います。

不気味の谷現象っていうのは、あまりにもリアルすぎるロボットやCGに、不気味さを感じる現象のことで、ぐぐったらわかります。

一方で、ガジェット類は、現実にある、すなわち手にとっても馴染みそうなくらい現実味のあるCGなんですよね。

サビ、塗装剥がれ、プロダクトデザイン、レーザー。最高です。

こういうのグッズ化したら買いたくなっちゃうんですよね。

まあとにかくCGはやばいです。
素人なので分からないですが、影の描写力がすごいんでしょうね。リアリティが段違いです。トイストーリー4でも、影の進化はすごく感じました。マイクラのリアルMODも影を拡張させるし、リアリティって影なんでしょうね、しらんけど。

トイストーリーのファンムービー、そしてバズライトイヤーの誕生譚とは。

トイストーリー大好きなんですよね、僕。

前述したのはトイストーリーのファンではなくても楽しめるっていう内容ですが、トイストーリーのファンなら100倍楽しめます

トイストーリーのファン向けに、お楽しみポイントをいくつか紹介します。

「あー、バズだ」っていう描写

SF映画とはいえ、主人公はバズ、トイストーリーのバズライトイヤーなんですよね。

航海日誌の記録、レーザーの構え方、独特な喋り方、任務に忠実なところ、空手チョップ、そしてジャンプの仕方。。

鑑賞しながら「バズじゃん(笑)」って何回も言いかけました。

特に航海日誌です。トイストーリー1でもさんざんウッディにいじられていましたが、実はスペースレンジャーのなかでも浮いた行動でした。
仲間内でも「バズのあれが始まったよ(笑)」みたいな感じの扱いを受けています。さながらトイストーリー1でクスっときましたね。

あと感動したのは、宇宙船?の描写で、地面を何回も踏みつけるバズのジャンプです。まじでトイストーリー2で、自動ドアを開けるときのバズでした。これ分かったらすごい。

バズのガジェットってそうなの?

バズの装備といえばなんですか?

  • 右手の豆電球レーザービーム

  • 開閉式の翼

  • 宇宙服のヘルメット

  • 緑と紫のスーツ

実は最初から装備しているのは、ヘルメットとスーツくらいです。あれ、レーザーと翼は?って思ってたんですが、、

映画の後半部分で、ニヤッとさせられます。そこで思い出します。これはバズの誕生譚だったんだって。

るろうに剣心でいうところの「剣心の頬の傷」ですね。剣心といえば、頬の十字傷。しかし、その十字傷には秘密があった。。

わくわくしません?バズのトレードマークが、なぜ生まれたのか。これを映画内で描写しているので、トイストーリーファンは見てください。

あとは最後のバスの宇宙船、ですかね。トイストーリー2ファンなら、思わず唸るでしょ。(これ以上は言えない)

ザーグとの関係性

バズと切り離せないのは悪の帝王・ザーグとの関係です。

トイストーリー2で初登場したザーグは、いわばスターウォーズのダースベイダーのパロディキャラみたいな感じでした。

トイストーリー2では、ホテルのエレベーターの上で「I am your father.」とバズに告げ、「You're liarrrrr」とバズが叫びます。スターウォーズ5のパロディです。
その後バズとザーグは親子としてキャッチボールをして、、というハッピーエンドなわけです。

トイストーリーファンからしたら、バズとザーグは「父と子」なわけです。もちろんその前提で鑑賞するわけですが、その関係性は少し違います

トイストーリーファンなら周知の事実を裏切り、しっかりとSF映画に仕上げている。。これ以上はネタバレになるので言えませんが、バズとザーグの関係性は、ぜひ映画でチェックしてみてください。

ヌコチャン映画

ディズニー映画(に限らずですが)に必要なキャラ、それはサイドキック(すなわち相棒)です。

今回、主人公の相棒はネコ型ロボットのソックスです。

これがもうかわいいかわいい。多分脚本演出家は、相当ネコ好きですね。

毛玉を吐く様子やレーザーポインタを追いかける様子、ソックス(靴下)の名前通りの足の靴下、壊れてると思ったらネコの喉鳴らしだったとか。

ネコ型ロボットというよりは、ロボット型ネコですね。

この可愛さと有能さ、ロボットらしい無機質さの共存が、たまらなく良いです。

言うなれば「R2D2×ネコ」ですね。(映画のクライマックスではR2D2っぽいこともします)

ソックス、次の出番は?とソックス見るだけでも楽しいです。そして有能。僕もほしいです。

ディズニーの声優起用のガチさ

ディズニーの吹き替えって、ガチなんですよ。
キャスティングの当初は荒れることはあっても、映画をみたら納得する、それくらい吹き替えの納得感がエグいです。

最近だとトイストーリー4のギャビーギャビーの、新木優子さんはまじでよかったですね。
ギャビーギャビーが持つ純粋さと悲哀をの表現力がすごくて、新木優子さんすげえってなりました。

まあこれに関しては、英語版も同じなわけで。。
今回は、

  • クリス・エヴァンス(バズライトイヤー役/英語版)

  • かまいたち山内(ソックス役/吹替版)

の2点に着目します。


クリス・エヴァンス(バズライトイヤー役/英語版)

発表当初、このキャスティングには驚きました。

バズライトイヤーの英語版はティム・アレンだろう!?他の誰にも務まらんだろう!?って、最初は思いました。(吹き替えは所ジョージ氏だろぅ!?と、誰もが思いました。)

ウッディはトム・ハンクス、バズはティム・アレンなんです。これは20年以上そうだったので、常識です。しかし、まさかの「クリス・エヴァンス」です。

クリス・エヴァンスは、MARVEL映画で「キャプテン・アメリカ」を演じています。クリス・エヴァンスは大好きな俳優ですが、なんだろう、ドラえもんの声優変更くらい衝撃でした。20年以上、同じ声優で続けてきたコンテンツが、なぜかそこそこ若手の俳優が声優になるのです。

これにはトム・ハンクスも「?」となったようで「ティム・アレンじゃないんかい」ってコメントしてました(ガチ)

ただ、映画を見たら、評価は一変すると思います。

あまりにもバズの境遇や正確、バックグラウンドが「キャプテン・アメリカ」にそっくりなのです。

映画を進めるごとに「なるほどな」って思いました。これはキャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスが適任だなと。

トイストーリー内でのバズは「宇宙野郎」が浮いているので、面白い、宇宙発言がコメディになるのでコメディアンの「ティム・アレン」が適任でした。

ただ「宇宙野郎」が標準の世界では、宇宙発言はコメディではなくガチです。シリアスな描写とキャラのバックボーンを踏まえた上で「クリス・エヴァンス」のキャスティングになったんだと思います。

ここで、ディズニーさんすみませんってなりました。やはり声優キャスティングはマジですごいです

かまいたち山内氏(ソックス役/日本語吹き替え)

大好きな芸人、かまいたち山内氏がでているとのことで、一瞬吹き替えにして見ました。

これがもう適任で。

なんで適任かっていうと、ソックスの英語版の声質が山内氏なんですよ。まるで山内氏が流暢な英語を喋っているみたい(笑)

まあこれはクリス・エヴァンスほど語ることはないんですが、よく見つけたなって、日本語吹き替え版のキャストをした人がすごいです。

企画会議とかで「かまいたち山内氏が似ていると思います!」みたいな感じで決まったのかな。

とにかく英語と日本語、一瞬でいいんで見てみてください。

おわりに|バズライトイヤーは近年不作だったちょうどいいSFだよ

SF、トイストーリー、MARVEL、ディズニーと、好きな要素が多すぎて書きすぎました。

ただ、バズライトイヤーはまじでおすすめできる作品です。

近年不作気味だった「ちょうど良く見れる、あまり難しくない、でもちょっと難しいSF映画」です。

最後に1個だけ不満点をあげるとするなら、若干中だるみがあるところです。そこはスマホでもいじって鑑賞しましょう。

トータルでみると、トイストーリーファンも、そうでないファンも、SFファンも、全員が楽しめる良作なので、ぜひチェックしてみてください。









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