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私の隣で

ラファへの攻撃以来自分の中で何かが壊れた。

本当に、一つの民族が消滅する。


まるで収容所の中を覗くみたいに、スマホの画面から殺されて死んでいく人たちを毎日目撃している。みんな知ってるのに、アメリカもイギリスもドイツも日本も、イスラエルを黙認し続けている。

「作家にできることは作品の中で伝えることだ」と友人は言った。自分もそう思ってた。けれど、その作品は一体いつ完成するんだろう。完成する前に、彼らは一人残らず殺されてしまうのではないか。作ることは声を上げない理由にはならないと、やっと気が付いた。

新宿のデモに参加する前、一つの目的のために集まった大きな集団が苦手だったのは、日本がそうして戦争に向かった過去を知ってるから。ありえないくらい恐ろしいヘイトスピーチを聞いたことがあるから。

駅前に着いてとても怖くなった。通行人がスタスタ歩いてくのを見て誰に対して声を上げてるのかよく分からなくなった。それでも声をかけてくれる人、チラシをもらっていく人、戦争について話合う人の声が少しずつ目に見えてきた。

「殺すな」と一緒に声を出せた時、ずっとあった全体主義の気持ち悪さとデモを無意識に混同してしまっていた自分が恥ずかしくなった。できることをもう放棄したくない。心の底から、殺させない側に居たい。

尊い日常のささやかな幸せを描いた映画や漫画、今はそれすら欺瞞のように感じる。かつて日本軍がアジア各国を植民地支配したように、同じことをイスラエルはパレスチナに対して80年間も行っている。
自分自身、今まで知らずに生きてきた恥でいっぱいになる。

イスラエルの言う勝利とはパレスチナ人を全滅させ、パレスチナという国を消滅させること。
関東大震災での朝鮮人虐殺や相模原の障害者殺傷事件のように、この人なら殺しても良いと選別し、人間性すら否定するジェノサイド。
“人を殺してはいけない”、そんな当たり前のルールすら破られ、国ぐるみで隠蔽し、メディアもそれに加担してる。

命の線引きを目の当たりにして、「それならなぜ、私は殺されないの?」と頭の中で問い続ける。日本人だから?日本はアメリカと同盟国だから?国籍に、殺されない特権があるなんて、今まで考えたこともなかった。

戦闘が始まって、爆撃の映像を見ても何が起こってるのか分からなくて、本を読んでも署名をしてもどこか他人事で、最後の砦であるラファが攻撃されて初めて、この現代にどんなに恐ろしいことが起こってるのかやっと気が付いた。

頭蓋骨の中まで破壊された女の子の映像を見て、体が震えた。仕事中、ふいに涙が止まらなくなった。これまで傍観して眺めていた自分に対して怒りと恥ずかさと後悔でいっぱい。

漫画家としてだとかアーティストとしてだとかそんな前置きいらない。
一人の人間としてこの戦争犯罪に反対します。

逃げ場のない狭い場所に150万人のパレスチナ人を押し込めて皆殺しにするイスラエルに反対します。

アメリカも日本もロシアに対して制裁したように、イスラエルに対しても制裁して下さい。
アメリカは停戦に賛成して下さい。
日本はUNRWA拠出再開して下さい。
この虐殺を止めるための行動をして下さい。
パレスチナの人たちが尊厳を持って生きて行けるその日まで支援し続けて下さい。

無視しないで。


※旧Twitterに投稿したけれど、動揺して消してしまった文章。誤解されてしまうようなことを書いてしまったのではないかと、いつも落ち込んでしまう…
この現状に戸惑ってるし、周りの人との落差に困惑してる。生活に戻れない。


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