ゆるやかなヴィーガンになるきっかけになったNetflixドキュメンタリー

 最近、Netflixのドキュメンタリーにハマっている。小中高の頃はNHK特集が大好きだった。(本も読書も文学より実用書が多い。)Netflixも、契約してると映画とか見ちゃって時間の無駄だなぁ、と思ってたところ、そうだドキュメンタリーはどんなのがあるんだろう?と観てみたら、けっこう面白いの揃ってました!今回は自分が緩やかなヴィーガンになったキッカケになった3つのドキュメンタリーを紹介します。

 今年はじめに見て大きく影響を受けたのは「ゲームチェンジャー」(2018年)

 高校時代の夏休みは午前中に100km近くロードレーサーで走って練習していた程度にはアスリートだったのですが、その頃はインターバルトレーニングとか有酸素系・無酸素系の運動とかカーボローディングといったような知識はあったものの、なんとなく筋肉を作るために肉を食べないといけない、程度の認識しかなかった。
 その後、筋肉ムキムキになる為には肉、特にササミとか粉末のプロテイン(ダイナマイトプロテインという名前を覚えている)を摂る必要があるとか、次第に細マッチョという言葉が出てきたりと、そんな時代の流れの中で、菜食主義への関心や、動物を殺して肉を食べることへの後ろめたさ、とか、そういう意識もどこかに持っていた。

 ド田舎に引っ越してやりたかったことの一つが、狩猟、というか自分で動物を殺して捌いてその肉を食べることだったんだが、実際今までに5,6体、イノシシと鹿を自分の手で捌いてその肉を食べることができた。狩猟免許も取ったんだけど結局自分の手で屠殺するところはまだ経験できていない。
 殺すことはできなくても、まだ死んだばかりで体や血は暖かい状態。さっきまで生きていたのを嫌が応でも意識せざるを得ない。自分はそんなボディを捌きながら「ここが背ロースか」「モモ肉、沢山あるな〜」なんて考えながら、そしていちおう神妙な気持ちで、なるべく無駄なく食べようと奮闘した。食い意地が張っているのが半分、命を奪って頂くのだからなるべく美味しく頂こう、というのが半分、といった心持ち。
 しかしやってみて思うのは、こんなことを日常的にはやりたくは無い、ということ。それこそ何かの祭や祝いの、特別な時だけでいいんじゃないかと思う。そういう経験もあるから、田舎暮らしをはじめてから余計に肉を喰らうことについてのレゾリューションが上がっていた。

 そこにこの「ゲームチェンジャー」で、「肉は食べなくても良さそうだ」と視界が少しクリアーになった。米国の映画なので日本人からみたら最初の立ち位置が大分ズレてたりもするが、それでもベジタリアン、ヴィーガン、ペスカタリアン(魚介OKのベジタリアン)への緩やかな移行を試そうと思うのには十分なキッカケを与えてくれたドキュメンタリー映画となった。
 全く肉を食べない、というところまでには至ってないが、積極的に肉抜き生活をはじめてから半年が経ったが、体調はすごぶる良い。

 もう一本紹介したいドキュメンタリーは「地球の限界: "私たちの地球"の科学」(2021年)。なんとなく状況はわかっていたつもりだったけど、これを観たらグレタ・トゥーンベリさんがあんなに怒ってるのが理解できる。そして結局この中でも畜産は早急に縮小すべき対象になっていた。

 そしてその畜産についてもうちょっと掘り下げてるのが「Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」(2014年)。
 これもまた米国と日本とでは受ける印象が違うかもしれないけど、粗筋は「牛を代表する畜産業界が、圧倒的な環境破壊の原因になっているのに、環境保護団体は、不自然なほどその点を取り上げていない。やばくね?

 自分が住んでいるところは牛とか豚とかは盛んではなくて養鶏が多いので、その現場やエコシステムをなんとなく横目で見るのだが、巷で良く聞くように「あんなところで肉を作ってるのか、、、」という感じ。まあ、鶏舎の中が見えるならきっとまだ良い方で、完全に中が見えない、一件鶏肉工場には見えないものの方が主流なのかもしれない。

 近年、畜産の実態?がどんどん浮き彫りになって来る中で、「人間にとって肉は必要なもの」ということを咀嚼しきれないところに、「ゲームチェンジャー」は、かなり目からウロコでした。追い打ちをかけるように、環境問題で畜産の実態。

 陰謀論だとか情報のバイアスだとか、まあ、色々と考慮しなければいけないこともあるとは思うし、全てを鵜呑みにしているわけではないけれど、今まで生きてきて得た知識や経験の上でのこの3作は、自分的には納得度が高い。田舎暮らしも、動物性の食品の調達のプライオリティが大幅に下がるとなると、物理的&心理的なハードルというかストレスも下がるので有り難い。是非、観てみてほしい。

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