○aaSが流行?

このところ○aaSという言葉をよく見るのではないだろうか?
もし見ていないとしても、都市計画、交通計画、情報産業に属していないならばあまり不思議ではないかもしれないのだが、上記の産業関係であれば知っておかないといろいろと不都合が生じるかもしれないほど流行している?言葉である。
まず、aaSというのは、「as a Service」の略であり、頭にSとかMとかがついてSaaS(Software as a Service)、MaaS(Mobility as a Service)という略語が構成されている。
直訳すると、SaaSはサービスとしてのソフトウェア、MaaSはサービスとしての移動手段となるが、これだけでは意味はよく分からない。
理解のためには、まずサービスがどこから供給されるのかを明らかにする必要がある。例外はあるが、○○に関するサービスがインターネット・クラウドを介して提供されることにより、これまでオフラインで作業していたことが、大量のデータ、最新のソフトウェアを利用して、端末機の能力にあまり依存することなく行うことができるようになる、ということが特徴と考えられる。例えば、〇〇について問い合わせると、高性能のクラウド上で処理をした結果を端末に返してくれるということになり、オフラインで作業するよりはるかに効率的になるのだろう。
○aaSは、A:AaaS(Analytics as a Service)からW:WaaS(Windows as a Service)までかなりの種類があるようで、以下のサイト(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/24/news138.html)に多くの情報がまとめられています。
建設コンサルタント業界では、パソコン、インターネットの利用は必須であり、地理情報システムやPLATEAUという、国土交通省が進める3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化が進められており、より大容量のデータ処理が求められてきているので、クラウドの利用はますます進むことになる。老体に鞭打って、置いておかれないようにしないと非常にまずいというのが実態である。
中でも業界的にトピックとなっているのがMaaSである。これは、国交省のHPによると「地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるものです。」とされている。
つまりは、クラウドを介することでストレスなく目的地に到達できるようにすることで、公共交通利用や関連産業の利用と効率化を促進しようというものである。また、逆に見れば、個人の需要がわかることにより、どのように公共交通の運行改善や関連産業との連関を図っていくかを検討するためのネタにもなるということである。
今後、バスの自動運転や端末となる超小型モビリティ、シェアサイクル、カーシェアなどの交通環境が大幅に改善されていくことが予測されえる中、これらの交通手段をつなぎ、関連産業を含めて進化させていけるこの技術は、高齢化、過疎化が進む今後にとっては極めて重要となる。
現在、多くの地域で公共交通の維持が困難となってきている。近くにある自動車産業や公共交通事業者と地域産業等が組んで社会実験を仕掛け、先駆けて良好な公共交通環境を形成していけるのは今かも知れない。

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