20年後も忘れない思い出〜旅の記録12〜
列車がどんどんと減速する。
どうやらコルカタに着いたみたいだ。
2回目のインド列車ということで、1回目よりも余裕があってスムーズに進んだ。
後になって振り返ってみると、スムーズに進みすぎるよりも、トラブル続きの方が充実感があるのはなんでだろう。
その時は大変だけれど、振り返ってみれば大変だった方が良かったと思える。Mなのかな。
駅舎を出ると溢れんばかりのオートリキシャー攻撃。
まともに交渉してくれるドライバーを見つけて、早速宿探しに向かった。
行き先は「サダルストリート(バックパッカー宿街)」
とだけ告げ、向かう。
着いた途端に宿探しを始める。
10分程サダルストリートをブラブラしてフラッと入った、そこそこ清潔で安いバッパー宿に交渉してみる。
「2泊したいんだけど」
「オッケー!」
「ありがとう!部屋見せてくれる?」
泊まる部屋を一通り見て、ここに泊まる事に決めた。
値段は2泊で600ルピー(約960円)
シングルルームにしては、全然悪くない。
コルカタでも何をしようとは全然決めていない。
旅人に話を聞くと、コルカタにはマザーテレサの家があるみたいだ。
タイミングと滞在日数によってはボランティアで働く事ができるらしい。
とりあえず明日はマザーテレサの家に行ってみよう。
急だからボランティアは行けるかどうか分からないけど。
今日はこの辺りを散策して街の様子を掴もう。
大きなマーケットもあるし、暇はしそうにない。
そういえば、まだサイクルリキシャーに乗っていない。
サイクルリキシャーとは、名前の通り自転車タクシー。
ちなみにオートリキシャーはバイクタクシー。
タイのトゥクトゥクみたいなやつだ。
大通りに1人でボーッとしている老人のドライバーに話しかける。
「ニューマーケットに行きたい」
「オッケー」
「いくら」 と聞くと適正な値段だったので、お願いした。
老人はすごく細くて、しっかりと自転車は進むのか不安だったけど、その心配はなくお爺さんと僕を乗せた自転車はしっかりと進んでいった。
乗る前はどこか頼りなく見えたのに、自転車を漕いでいる後ろ姿は、すごく頼りがいのある大きな背中に見えた。
無言で真っ直ぐだけをみて進むお爺さんを見て、何か分からないけど、不思議なパワーというか元気をもらった。
〜続く〜
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