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リフォームとは何なのか?リノベーションとの違いについて

「リフォーム」や「リノベージョン」といった言葉は今ではすっかり認知されましたが、
「違いは何?」
と聞かれると私たちでも一瞬考えてしまうことがあります。
インターネットなどで調べると色々と解説が乗っておりますので、それらをまとめると・・・、

リフォームとは・・・
築年数が経った住宅の傷みや汚れ、不具合などを新築の時のように直していく比較的規模の小さな工事。

リノベーションとは・・・
直すこと以外に、間取りを替えたり、性能を向上させたり、住宅の使い勝手や環境などを造りかえていく比較的規模の大きな工事。

文字にするとこんな感じの区別となりますが、実際は混同して使われており、工事規模が大きいか小さいかで区別しているくらいだと思います。
実際に、リフォームもリノベーションもしている私も明確には区別せずに使っています。全面的な改修工事ならリノベーション、一部屋などの改修工事ならリフォーム、といった感じです。
尚、調べていくと、本来の英語の意味では、どちらも「renovation(リノベーション)」で表現されるそうで、「reform(リフォーム)」には住宅を工事をするような意味合いは含まれないそうですので、英語をメインでお使いになるお客様には私も注意しなければと思いました。

このように区別がないように見える2つですが、
実は、この工事規模の違いが大きな違いになることがあります。
それは、規模の大小は、「工事請負金額の大小」にもつながるからです。

建設業法では、建設業者が工事を請け負うには原則的には「建設業許可」を取る必要があるのですが、
「工事請負金額が500万円未満の工事」
などの場合には許可が必要ないと定められています。

つまりは、小規模なリフォーム工事の場合、500万円未満の工事も多いですので、建設業許可を取っていない業者、または、全くの別業界の方、もしくは、一般の方でも請け負うことが出来るということです。誰でもOKということです。

ここがリフォーム業界の【肝】です

元々、日本国内には無数の建設業者が存在しておりましたが、リフォームという言葉が広まっていくと共にリフォームを専門とする業者も爆発的に増えていきました。
建設業にはたくさんの業種(水道、電気、ガス など)が存在しておりますので、それぞれの業者が業務の幅を広げて、リフォーム業に参入したケースが多いとは思います。
ですが、実際にはどんな方でも工事が出来るのが現実です。もちろん、建設業許可を取得しているからと言って信頼できるかどうかは不明です。

ここからが少し本音となりますが、大工職人として、一から知識と技術を学んで習得した職人とそうでない方が大工工事を行った場合、当然のように工事金額に差が生まれます。それは品質の差があるからです。しかし、その品質の差を明確にする術を工務店などの小規模な会社の多くが持っていないという現実があります。

「なんであっちの会社より高いの?じゃ、あっちに頼みます!」
で終わりです。
そうすると、
「昔はお客さんも建築の事を分かっていた」とか
「今のお客さんは分かってくれない」とか
社内や仲間内で愚痴って少し気持ちを落ち着かせていた時期が同業者の皆さんにもあったのではないかと思います。

今になってみれば、お客様の求めていることが昔と今とでは変わっており、住宅に関する様々な工事において、高い品質・専門性を求めるケースもあれば、とにかく至急何とかしたいケースや何よりも金額を追求したいケースなど、ニーズに合わせて、私たちも変わらなければならなかっただけでした。
ずいぶん前の事ですが、古い体質がなかなか抜けない業界にどっぷり浸かっていたことを反省したことを今も思い出します。

これからも時代の変化に取り残されてしまわぬよう、柔軟かつ誠実に家づくりに邁進致します。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。