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みんな同じ造りにするの?

最近は、日本全国で右に倣えの家づくりがされています。
北海道と沖縄県くらいはまだ地域性がありますが、他の都県府では同じような造りの家が出来ています。


■家がどんどん高いものにされていく

1 性能が高い方が良いに決まっている

ハウスメーカーを中心に、ユーザーの要望関係なく数値の高さを競い合っています。
それを後押しするように、住宅の性能はより高い基準に更新されています。

温暖化の進行、
光熱費高騰、
頻発する地震、災害、
などを鑑みれば、高い性能を求めることは必然のようにも思えますが、
一方で、タダでさえ資材高騰、燃料費高騰、人件費高騰、金利上昇、
などによって建設費は上がり続けておりますので、
性能アップの義務化が更なる建設費高騰を招いています。

そりゃ、性能が高い方が良いに決まっていますが、
基準を高くし過ぎていって、建設費が上がり続け、
そもそも家が建てられなくなっていったらどうなるのでしょうか?

2 性能が高くお手頃な家ってどういうこと?

これだけ金額が上がる要因があるのに、手ごろな価格で家が建つというのはなかなか興味深いですが、どんなカラクリがあるかは想像しておいた方が良いかもしれません。

安くて良いものは理想なのです。
そして、理想は叶えるために努力はしますが、
簡単には叶うことではないものです。

企業努力と言う聞こえの良いことで実現できるほど甘いものではないと思います。

3 性能が高いが長持ちしない家?

「日本の家は金額が高すぎる」
ということを時々耳にしますが、
おそらく、同じ品質の住宅を諸外国で建てたとしたら、変わらないか、もしくはもっと高くなってしまうのではないでしょうか?

家の金額が高いのではなく、
建替えのサイクルが余りに短いので、
世代ごとに住宅ローンを組み続ける事を繰り返さなければならなかったのが日本の住宅事情だと私は考えています。

祖父母世代も両親世代も自分たち世代もそれぞれが家を建てることになり、その都度、住宅ローンを借りていれば、その一族は、長きにわたってローン返済をし続け、住宅以外へ使うお金が少なくなってしまうのです。

そもそも、今求められている性能のほとんどは、家を長持ちさせることにはつながらない事が殆どだからです。
耐久性(長持ち)やメンテナンス性(メンテナンスのしやすさ)については、ほとんど考えられていないと私は感じています。

4 性能が高いが建てた後にもお金が掛かる

太陽光発電パネルを屋根の上に乗せないと達成できないような高い性能基準を満たしている家では、太陽光発電は家を解体するその日まで稼働させ続けなければならないことになりますので、
本体はもちろん、太陽光発電パネルの設置によって多大なる負荷が掛かっている屋根材、その他住宅へのダメージのメンテナンスなどにも修理や交換、メンテナンス費用が掛かり続けます。

また、蓄電池、空調システム、スマートハウス、その他、性能を維持するために設置されている様々な機器及びその機器によって負荷が掛かっている周辺部分などのメンテナンス費用も掛かり続けます。

機械はメンテナンスを止めてしまうと、ただ動かなくなるだけではなく、建物へのダメージを増加させる危険性もありますので、設置したからには、きちんと維持管理が必須となります。

地球環境のために、自宅で消費するエネルギーを抑えることを目指している方々は、そうしたメンテナンスの必要性はご理解の上、数値重視の高性能住宅を建設されたと思いますので釈迦に説法だと思います。

ですが、家が完成してしばらく経つと忘れてしまうこともあるかもしれませんので、気づきになっていただければと思います。

■建てたい家が建てられない

性能基準がどんどん高められていくと、
建設費用も自然と高騰していきますので、気軽に新築住宅が建てられないようになる可能性があります。

少しは選択肢を残しておいてほしいと感じていますが、時代の流れですので、無理でしょうね。

こうなると、家を建てる時にする我慢が増えそうです。
多少の我慢で済めばいいですが、そもそもローコスト住宅しか選べないなんてことも出てきそうです。

性能値は高いのに安普請の家・・・、これってエコなのでしょうか?

■最後までお読みいただきありがとうございます