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失敗だらけの家づくり

東京都国立市で完成間近だったマンションが解体されることになったという衝撃のニュースを見かけ、とても驚きました。

報道が少ないので詳しくは分かりませんが、マンション建設に伴い、その町から見える景観が変わる事への反対などがあったようです。

建設会社としては解体を決断するに至るには大変な苦悩、葛藤があり、
また、その後に発生する様々な莫大な金銭的な損害やその他諸問題もあろうかと思いますが、完成を待っていたそこに暮らす予定だった方々についても大変な事態となることが容易に予想されます。

この事態が予測可能な事だったのかどうかは分かりませんが、
家づくりはなるべく失敗したくはないですよね!


■家づくり失敗例をご紹介

私が見聞きした家づくりの失敗事例をご紹介いたします。

1 家づくりハイになってしまった

家を造る、買う際には人生最大額のローンを借り入れすることになります。
数百万円から数千万円まで、30~35年の返済期間を掛けてローンをお借入れる方が一般的です。

しかし、一度、超高額な借り入れをしてしまうと、
財布がガバガバに緩んでしまうケースがあるようです。

例えば、

  • 家を建てたばかりなのに、自動車を買い替えた

  • 家の完成に合わせて、予定していなかったのに家具家電を買い替えた

  • 家の完成後に太陽光発電を設置した

などです。
要するには、高額な支払いがスタート(一括返済でないのがポイント)下ばかりなのに、すぐに大きな支払いが発生することや新たなローンを借り入れることをしてしまうケースです。

元々の住宅ローンをかなり余裕を見た返済額でお借入れしていても心配ですが、ギリギリでお借りしていたはずなのに、更なる出費をしてしまい、その後の生活が破綻してしまい、せっかくの住宅を手放さざるを得なくなったというご家庭があるそうです。

逆ですよ!
高い買い物をした直後は、開きっ放しだった財布のヒモをしばらくはきつく締めておくのが良いですよ!!

2 家の不具合は全部下請けのせい

家は人間が造るものですので、故意かどうかに関わらず、不具合が生じる可能性はありますし、物の不具合も出る可能性があります。

造り手の私が言うと良い訳のように聞こえると思いますが、
腕のいい職人が造ったとしても、
大手メーカーの商品を使ったとしても、
現場監督が現場の隅々までチェックしていても、
不具合が発生することはあり得ます。

そうした不具合は、
一般的には、1~2年くらい経過すると表面化してくるので、
保証期間もそのくらいが設定されています。

しかし、中には、
いつ不具合が生じてもおかしくない仕上がり、
誤った施工方法、
圧倒的な技術力・知識不足、
で造られた家があります。

いわゆる欠陥住宅です。

すぐに欠陥が表せる欠陥住宅もありますが、
しばらくしてから顕在化する欠陥住宅、
災害時に被害を拡大させる欠陥住宅、
などもあります。

先程も申した通り、
人が造るものですので、不具合が生じる可能性はゼロではないのですが、欠陥住宅と呼ばれる住宅はだいたいが生み出されるべくして生み出されることが多いのではないかと思います。

よく聞くのが、
ローコスト住宅での欠陥の発生です。

コストが安いので、どうしても物についても、人についても「質」に問題が出やすいのは無理もないとは思います。
そもそも、消費者もコストと質が比例することくらいは理解しているとは思いますが、想定していたよりも低い質となると問題になるのかもしれません。

次によく聞くのが、
下請け会社が施工した住宅での欠陥の発生です。

現代の日本では、
工務店が激減しておりますので、
家を元請け会社が施工しているケースは多くはありません。

大手企業の社員が現場で家を造るのではなく、
大手企業の下請け会社、下請けの個人が工事を請け負って施工していることが多いです。

下請けの問題については、建設業界以外の方々でも耳にされているとは思いますが、コストは下がり続けるのに、追及される責任だけは増え続けている、のが現状です。

この現状を知る者からすれば、
発覚している問題が余りに少ないことに驚くばかりです。

まだ、職人の矜持が割に合わない状況下でも首の皮一枚残っているのではないかと思いますが、近々、千切れてしまうでしょう。

家をどこの会社で造るのかではなく、誰が造るのかをしっかりと見ていないことが招く失敗ではないかと思います。

ちなみに、住宅に発生する瑕疵(かし)と呼ばれる不具合の内、
瑕疵担保履行法により、構造か雨仕舞に関する不具合については引き渡しから10年以内であれば、建設会社か不動産会社に瑕疵担保責任があります。

3 詰め込み過ぎ

SNSの普及により、建築業界でも情報過多気味です。
そのため、ネット上に散らばっている情報がギュウギュウに詰め込まれた住宅が造られています。

その結果、
見てくれは良いが、使い勝手の悪い家の出来上がり!?
なんてこともあるかもしれません。

ネットには自分の失敗はあまり載せませんので、
本当の失敗事例は少ないため、情報を鵜呑みにした方々の失敗が後を絶たないようです。

また、最近、色んな所で問題になっているカスタマーハラスメントではありませんが、プロ側が消費者に対して強く言えない傾向があります。

そのせいかは分かりませんが、
消費者がかき集めてきたネット情報特盛の家がプロの意見に揉まれることなく、そのまま形になってしまったのかもしれません。

プロとして、お客様のためと思って意見を述べることくらいはしていきたいものです。

■家づくりで失敗しないために

完璧な人間などおりません。
人は失敗を通じて学んできたことも多いです。

しかし、そんなに何度も家を造ることは出来ませんので、
家づくりでは失敗したくはないですよね。

そのために必要なことは、失敗の前に学ぶことです。
先程も申し上げた通り、ネットやSNS情報で学んだ気になるのは要注意ですが、それでも、全く調べていないよりははるかにましです。

実のある情報がたくさんあるほど、
成功につながりやすいと私は考えています。
アンテナが立っていない所にはいい情報は集まりません。

■最後までお読みいただきありがとうございます