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今さら言われても後の祭り

お体の病気が早期発見が治療に有利であるように、
住宅の病気(不具合)も早期発見が非常に有利です。

早期に発見できず、致命傷になってからでは手遅れです。


■良くある手遅れ例

1 外部の塗装

訪問販売で外壁や屋根の塗装を強引に勧められたご経験がある方は少なくないと思います。
中には、詐欺事件、保険金詐欺事件、
にまで発展する事例がありますので、十分に警戒していただきたいところです。

しかし、強い日射や雨風に晒され続けている家の外装には、定期的なメンテナンスが必要なことだけは確かです。

概ね、10~15年くらいのペースで実施されているご家庭が多いと思いますが、中には、完成後、全く塗装せずに放置している住宅も見られます。

そのまま朽ちるまで待つのも、一つのお考えだとは思いますが、徐々に朽ちていく中で、如何に立派な住宅であっても耐震性、耐久性などの各種性能が著しく低下し、生命を守るという家の最も基礎的な機能が失われます。

一昔前は大きな自然災害は数年、数十年に一度という印象でしたが、
毎年のように発生している昨今では、住宅のメンテナンスの重要性は確実に上がっているのをどれ程の方々が実感されているでしょうか。

一例として、塗装が剥がれきってしまい、素地の部分が損傷してきてから、慌てて相談いただいたご家庭がありましたが、時すでに遅し、補修ではなく、少なくても外壁の全交換は必要なケースでした。その後については見送ることになりましたが、詳しく調査していけば、住宅の全面改修や建替えに発展する可能性はあったと思います。

2 水漏れ

水漏れだけに限りませんが、建築に関わる素材のほとんどは水に強くない、または、長期間の水分、湿気に晒されることを良しとしていません。

つまり、なるべく乾燥している状態の方が良いということです。

その最たるものが「木」です。
床材などの内装材、柱や梁などの構造材、ドアや家具、など住宅にたくさん使われていますが、長期間濡れた状態が続くと極端に性能が低下してしまいます。

それが躯体の場合、修理修繕では及ばない可能性もあります。

一例として、洗面化粧台の水漏れを半年以上放置した結果、洗面脱衣室の床全体が損傷し、今にも部屋全体の床が抜けそうな状況になってしまったケースがあります。その後については見送ることになりましたが、少なくとも浴室、洗面脱衣室及び隣接する廊下等の改修は必要なほどの大ごとでした。

3 屋根への搭載

最近ようやく太陽光発電ブームが落ち着きましたが、一時期は、爆発的に屋根の上に設置するご家庭が増えました。

新築住宅ならばまだしも、
ただでさえ、重量が重い瓦屋根の上に、さらに超重量物を載せる既存住宅が町の中に増えていく様子を勝手にハラハラしてみておりました。

しかし、近年、大規模な地震の発生増加により、
ようやく住宅の耐震性において、屋根の軽量化が重要であるとの認識が広まって来たのか、弊社にも、屋根の軽量化リフォームのご依頼・ご相談が増えています。

そんな中で超重量物を搭載した屋根の住宅でのご相談については、
今のところ手遅れにまでは至っておりません。

この場合の手遅れは、災害時の倒壊、損壊だからです。

東日本大震災の際に、瓦の落下などの被害は多数発生しましたが、
大規模地震の震源地近くのような、建物本体が倒壊に至るまでの被害が出ていないことが、メリットと考えるのか、それとも、屋根の重量増加を推奨してしまったデメリットと考えるかは立場によって捉え方が異なると思います。

少なくとも、機能が停止した重量物については、早期の撤去をご検討いただきたいところです。

■最後までお読みいただきありがとうございます