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地下にあるお宝さがし

随分前のテレビ番組になりますが、
「徳川埋蔵金」の特集が時々放送されていましたよね。

毎回見つからないのですが、ワクワクしながら見ていたことを思い出します。
地下にはロマンがありますね。

しかし、家づくりでは、地下にはお宝ではない物ばかりが見つかります。


■地中にある家づくりの邪魔者

1、軟弱地盤

いくら頑強な構造の建築物だったとしても、地盤が軟弱であれば地震などへの安心は得られません。
建築物を建てる上で、地盤の強弱が最も重要であり、基本となります。

地盤の強さは、その土地の歴史、地形、などの影響を受けますので、一朝一夕に変えることは出来ません。
その為、昔の人々は長い年月を掛けて、建物が建てられる土地を整備し、その上に建物を建ててきました。

しかし、近年では、早急な計画実施が一般化され、
また、本来、建築物を建てるのに不向きな土地においても建築するケースが増加しています。

自然災害の脅威が増している現代では、
そうした無理な造成地における被害の懸念が広まっています。

2、地中ゴミ

家庭ゴミは税金を支払うことで行政が引き取ってくれます。
産業廃棄物は処理業者などに代金を支払うことで引き取ってくれます。

ゴミの処分にはお金が掛かります。
そこで、ごまかそうとする方が出てきます。
見えない場所にこっそり捨ててしまうのです。

山中に捨てたり、
川に捨てたり、
地面に埋めてしまったり・・・。

綺麗に見えるその土地の下にもゴミが埋まっているかもしれません。

ゴミの上には建物が建てられません。
なぜなら、建物の荷重によってゴミが収縮するなどして動いてしまい、地盤が著しく変形するからです。

実際に、ゴミが埋められていた土地に建つ住宅の地盤について調べたことがありますが、ゴミの地層では全くと言って良いほど地耐力(地盤の強さ)が無く、建築後に徐々に建物が傾いているのが見て取れました。

ゴミはゴミ箱に捨てましょう!

3、地下水

田園、河川、海、など水にまつわる地域や標高の低い地域などでは、
地下水位が低いことがあります。

掘ったらすぐに地下水が出てくることは、
農業などで水が必要な時には有益かもしれませんが、
家を建てる上では、全く嬉しくない状況です。

地上に建築する住宅でも、基礎は地中に一部埋設されますし、水道管、ガス管なども地中埋設されますので、地下水の影響を受ける可能性があります。

地下室、地下車庫など地下構造物においては、更に大きな影響を受けます。

4、根っこ

これは他のものと違って分かりやすいです。
木が生えていれば、自然と根っこも地中に広がっています。
凡そ、地上に伸びている高さと同じくらいは地中にも伸びていると聞いたことがあります。

高い木ほど、根っこもしっかりしているのは想像が付きますよね。

建物を建てるにあたり、木を伐採するのはそれほど難しくありませんが、根っこを撤去するのはなかなか大変です。
しかも、地面をかなり掘ることになりますので、掘った部分の地盤は著しく地耐力が低下します。
出来れば、建物が建つ真下は大きく掘りたくないですね。

■どうやって地下の邪魔者を見極めるか

地下に埋まっているものは目では見えません。
ですから、埋めた場面を目撃するなどしていないと知り得ることは難しいです。

地中埋設物は瑕疵担保責任などになりますので、
その土地の所有者が正直に教えてくれれば一番良いですが、
知っていても、知らずにいても、本人の口から聞けることは多くは無いかもしれません。

その土地周辺の方や地元不動産業者さんなど、過去の状況などを知る方のお話しを聞くことが出来れば、想像が出来るかもしれません。

また、相場よりも極端に土地の販売価格がお安い場合(安い理由が見当たらないにもかかわらず)、地中に何かあるのかもしれません。

■邪魔者があっても何とかはなるが・・・

何とかするにはお金が掛かります。
土地をお安く購入して、対策費に費用を投じても、多少お得感はあるかもしれませんが、その先、将来、土地を売却する際にはどのような評価になるかは微妙なところです。

土地探しの際には地中にも思いを馳せてみてください。

■最後までお読みいただきありがとうございます