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屋根は素人に任せてはダメ

最近、屋根に関する詐欺が多発しています。
「お宅の瓦がずれていますよ。すぐに直さないと雨漏りしますよ。」
などと言う輩が突然やってくるそうです。

どうも、近くに現場があって、たまたま通りかかった際に気になったから尋ねてきたそうです。

実際には、依頼されてもいない本物のプロがそんなことをすることは
99.999999999999999999999% ありません!!


■屋根は家の要

1 どんなに頑強な構造でも雨漏りしたらアウト

どれ程、建物を頑強に造ったとしても、雨などによって躯体が劣化してしまえば、その効果は全く期待できなくなります。

そのため、屋根と言うのが建物にとって非常に重要なのです!

それを、たまたま通りかかった見ず知らずの人間にちょっと不安を煽られただけで対処させてしまうというのは、
例えるとしたら、自分の体をド素人に手術させるようなものです。

させてしまった時点で 手遅れ になります。

2 知らない人間を屋根に上げてしまうと何をされるのか?

なぜ、突然、他人の家に尋ねてくるかと言うと、
何らかの利益を得たいからです。
この場合は、無理やりでも工事を注文させるためです。

ですから、何をするかと言うと、
「何も異常のない屋根に異常を発生させる」
のです。

割れてもいない瓦を割ったり、
ずれてもいない瓦をずらしたり、
崩れてもいない漆喰を崩したり、
破れてもいないルーフィングを破ったり、
目で見えるところから見えないところまで、どこまで異常を発生させるかは分かりませんが、屋根上と言う地上からは見えづらい場所では好き放題去れてしまいます。

しかも、やった本人以外はどこまで異常が発生させられたかが分かりません。
ですから、他人を上がらせた後に、ご相談いただいた場合の弊社の対処方法としては、
「屋根の全面葺き替え」
しかご提案できません。つまり、大ごとになります。

3 軒をあえて出さない?

軒と言うのは屋根が外壁から飛び出している部分のことです。

昔の住宅や寺社仏閣はこの軒の出が大きく、屋根が傘のように雨から建物を守っていました。

一方、現代の屋根は軒がほとんど出ていない住宅が増えました。
もう、雨から家を守らなくて良くなったと考えている造り手が増えているようです。

都市部などでは、どうしても広い敷地が確保できず、敷地いっぱいに家を立てざる得なくて軒を出すことが出来なかったり、高さ制限のために軒の出を抑えることはありますが、
そんな理由もなく、ただただ軒が出ていない住宅が多くなりました。

4 ペラペラの屋根はメンテナンスではなく葺き替え

耐震性向上のためにも屋根の軽量化が推奨されていますが、
最も軽い屋根としてシングル葺き(アスファルトシングル)も増えています。

シングル葺きは他の屋根材よりも施工性が良く(難易度が低く)
瓦業者や板金業者など、屋根のプロ業者ではなくても施工できるということで、コスト削減にもつながるというメリットもあります。

ただ、一方では、耐久性の面では他の屋根材よりもやや劣るのと、塗装などのメンテナンスがしづらい点から、耐用年数は短いと考えております。

そのため、雨漏りのリスク回避のためにも短期間での葺き替えが必要ではないかと考えており、弊社では今のところは採用していません。

5 屋根を軽量化ではなく軽視しないで

仕事柄、様々な屋根を見て参りましたが、
昔に比べると屋根が軽視されてきているような気がします。

すでに劣化してきていることに気が付きつつも
長年放置されている屋根があまりに多く、
そのため、突然やってきた業者風の詐欺師にその点を指摘されると不安が高まり、まんまと引っ掛かけられてしまう・・・、そんなことが繰り返されています。

また、新築時に性能やデザイン等ばかりに目が向かい、
建物にとって本当に大切なことが軽視され始めているような気がします。

屋根は軽い方が良いかもしれませんが、軽視するのはよろしくありません。

■最後までお読みいただきありがとうございます