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機械が壊れるのは当たり前

最近の住宅には、多くの機器が設置されています。
なぜか、同じようなタイミングで壊れるのは何とかして欲しいところです。
しかし、昨日が多いほど、精密なほど壊れやすいのも無理はないですよね。


■機械との向き合い方を考えよう

1 壊れてから?壊れる前に?

よく言われていることですが、
電化製品や住宅設備機器などを完全に壊れてしまうまで使うのか?
それとも、耐用年数から判断して壊れる前に交換するのか?

という話題ですが、
以前なら、壊れてからでも在庫が潤沢で人も十分でしたのですぐに対応してもらえましたが、現代では、全く状況が逆になってしまい、依頼から実施までのタイムラグは大きくなるばかりです。

その間の不便が問題なければそれで構いませんが、すぐに対応して欲しいと言うのは
「いくらでもいいから」
「何でもいいから」
でも難しくなっていくかもしれません。

2 高級品は直すのも、交換するのも高級

当たり前のことですが、
高い製品を買い替えるには高い金額が掛かります。

また、お値段が高くても品質が高いものであれば安物より耐用年数は長いでしょうが、機能やデザイン、ブランド名などで高級なものは耐用年数はあまり変わらないことがあります。

概ね、住宅に設置するような機械たちは10年前後の耐用年数を設定して作られているそうなので、設置の際に、次の事も考えておくと良いです。

3 快適にされ過ぎて大丈夫?

スマートフォンなど通信機器の進化によって、人との直接のコミュニケーションが苦手になって方が増えているそうです。

また、住宅においても、24時間空調・温湿度管理された空間で過ごせる環境が増えています。
地球外の惑星に造られたシェルターを思わせるような、あまりに外界と隔絶された環境は快適さと共に、人体の様々な調整機能を狂わせてしまうのではと子育て世帯の方々に対して勝手に心配してしまいます。

法律がそうさせているから・・・、
生活の全てが自宅で完結する世の中にでもなれば、
きっと万事解決するのでしょうね。

4 何でも自動で、遠隔で出来るって便利なの?

センサーによって触れずに操作が出来たり、設定した時間に自動で稼働したり、スマホで遠隔で操作出来たり、最近の家は実際に手で操作しなくても使えるようになりました。

とても便利ですよね。

しかし、便利に慣れ過ぎて、故障時に手動でどのように操作したら良いのか分からないというご相談が時々ございます。

もちろん、取扱説明書等に操作方法が記載されています。

また、お問い合わせいただいても、最近の複雑な機能を持つ機器については、製造メーカーの社員でもない私たちには個々の商品の緊急時の操作方法などは熟知しておりませんので、すぐにお応えできないケースがほとんどです。

不便を少しでも軽減するためには、
設置した所有者様が取り扱い方法を熟知しておくか、
製造メーカーに所有者登録をしたり、有料補償などに加入したり、してメーカーとコンタクトを取りやすくしておくことがお勧めです。

5 電気が無ければ動かない

機械を動かすには、
有線式であれば電源が必要ですし、
バッテリー式であればバッテリーの残量が必要です。

停電時、災害時、などには動かなくなるか、手動での操作となるか、便利だったものが途端に不便なものになる可能性があることを予め考えておいてください。

20年近く前の話しですが、
地下車庫に電動シャッターをご採用になった方が、
雨天の車庫で作業をしようして、
雨が吹き込まないようにシャッターを下ろした直後に停電になってしまい、
車庫内に閉じ込められてしまったことがあったそうです。

車庫内は電波も悪く、また、とても蒸し暑い中で、
なかなか電話が使えずに助けを呼ぶのに時間が掛かってしまい、
何とか脱出した後に、
その方は建設会社に対して大変激怒されたそうです。

実際には、電動シャッターは緊急時には手動で開閉できるようにはなっていましたが、その方は全く理解しておらず、
ひたすらに、電気が復旧することと、外部に助けを求めることだけを待ち続けていたそうです。

話しを聞いていて、その方には直接は言えませんが、
「これって建設会社は悪くないよな」
「建設会社に対して怒るのって理不尽過ぎないか」

と思いました。

電気を使用する製品は当然停電時には動きません。
それは、どんな建設会社が施工しても、どんなメーカーの製品を使用していても同じです。
集合住宅や公共施設などで使用されているような設備は自家発電機能などがあるかもしれませんが、一般的にはそのような機能はありません。

電化製品は電気が無いと動かないなど、非常に基本的なことなので、
そのような簡単な話しをお施主様にお伝えする施工業者は少ないと思います。

ちなみに、
自宅の屋根に太陽光発電を載せても、停電してしまえば、基本的には電気は使用できません。(パワーコンディショナーなどに緊急用コンセントがあれば1500Wくらいまで使用できる機種もあります)

6 今便利な物は来年お古になる

スマホがまさにそうですが、
今年買った最新モデルが来年新しいモデルが発売されてしまえば、
過去の遺物に成り下がってしまうということはどんな機器にも起こります。

色んなお宅を見てきましたが、昔流行った設備機器たちのなれの果てを何度も見てきました。
そうした風景を見ていると、
長きにわたり活躍したのか、早々に散ったのか、どのような経過を経てきたかまでは分かりませんが、動かなくなった直後に交換に至らなかったことだけは確かでした。

最新機器に飛びつくのも良いですが、
家に設置する機器はスマホなどのように簡単に交換できないことを理解しておくと良いと思います。

■最後までお読みいただきありがとうございます