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「リフォーム」or「建替え」?お得なのはどっち?

よくご質問いただくことの一つですが、金額だけで見れば、当然「リフォーム」の方がお安くなりますし、工事範囲によっては何分の一かに抑えられるかもしれません。

家づくりのお得感について

スーパーマーケットなどで日用品の購入を検討する場合、同じ商品が他店よりも1円でも安ければお得に感じるかもしれませんが、そのお店が遠方であったり、ものすごく混んでいて買い物に時間がかかってしまう場合には、判断が難しくなりますよね。

家づくりの場合には、もう少し複雑で、
リフォームは主に既存住宅の回復がメインであり、リノベーションでも既存の影響で性能の向上にある程度の制限があります。
しかし、施工範囲を限定できるので、使わない部屋はリフォームしないなどの調整をすれば、予算の調整もできます。

一方、建替えは、構造から各種性能まで一新しますので、法規制以外の制限はありません。
しかし、家を一度すべて解体し、造り直す上、建築確認申請などの各種申請の他、給排水・電気・ガスなどのライフラインなども基本的にはすべてやり替えとなるため、余程のローコスト住宅でなければ、おおよそ相場以上の予算はかかります。

ですから、お得感を考える場合には、「あと何年ここに暮らすか?」を考えるのが良いと私はお話ししています。

それを考える上では、

  • ご自身やご家族の年齢

  • 家を引き継ぐご家族の有無(同居、相続など)

  • 将来の環境の変化(転勤、移住など)

  • 住宅の築年数

などが影響してきます。
この話をすると、
「今はまだその話をあまり考えたくない、家族に相談したくない」
と言う思いがお客様の頭をよぎっていらっしゃるだろうな、と言う表情をされることがあります。

誰だって自分があとどのくらい生きるか、や誰がこの家を相続するかなんて、今考えたくないですよね。
しかし、現実的過ぎて直視したくないのは理解できますが、家とはそれほど、人の暮らし、人生と直結しているものであるということでもあります。

これらの事を考えずに的確なお得感を考えるのは難しいですが、ちょっと先送りしたい場合には、次には、築年数を見てみましょう!

通常、腕のいい大工さんが建てた注文住宅であれば、きちんとメンテナンスすれば短く見積っても50年~60年くらいはもちます。
その上で築50年のお宅で考えた場合、
(部分的なリフォームではなく)リフォームで10年単位で家の寿命を長持ちさせたいと考えるならば、築年数を蘇らせるような規模の大きな工事をすることになりますので、建て替えとの費用差は縮まります。

そうなると、建て替えの方がお得かもしれません。
これもご家族やご自身の情報を加味すると、ガラッと印象が変わりますので、やはり、しっかりと現実を見つめることが重要だと思います。

リフォームがお得に感じる場面とは?

工務店がこの話題で書けば、工事費用が高い建て替えがお得だと書きがちですよね。
では、リフォームでお得感がある場面とはどんな場面かを最後に書いていきます。

それは、例えば、
2階建ての住宅でご家族の独立などによって2階の部屋を全く使っていないなど、家の中でご使用になっていない部屋がある場合に、建て替えではそのすべてを造り替えますが、リフォームでは、ご使用になっている部屋だけを美しくする、快適にする、使いやすくする、など限定的に工事をすることが出来ます。
そのため、工事費用を抑えつつ、良くご使用になる部屋は今とは変わりますので、これは予算を分散させず、集中してかけられるのでお得感があると思います。

今回はお得感という観点でリフォームを考えてみました。ご自分お一人で悩まず、ご家族や周囲の方、そして、プロと相談しながら将来の家の事について考えてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。