人生を神ゲーにするズルい武器【読書note #2】
あなたは、「人生が成功するかどうかは、容姿が優れているかどうかに関わる」と思っていますか?
例えば、会社での面接などで、容姿が優れているかどうかで採用するかしないかが決められると思いますか?
おそらくほとんどの人が、「そんなことで決めちゃだめだ」「その人のスキルや内面で決めるべきだ」と思っていることでしょう。
しかし、こんなデータがあります。
1974年、カナダで選挙があった。
その選挙を調査したところ、イケメンの政治家は、そうでない政治家の2.5倍もの票を獲得していた。イケメンたちの圧勝だったのだ。
イケメンのほうが人気だからイケメンが勝ったのでしょうか?
しかし、ここで重要なのは、「イケメンに投票した理由」です。
調査の対象となった投票者の73%は、「私が彼に投票したのは、彼がイケメンだからではない」と思っていたのだ。
「イケメンだから、投票しちゃった部分もあるかな」と思っていたのは、14%にすぎない。
人々は、「イケメンだから投票した」という自覚なしにイケメンに投票しただけでなく、「人柄が信頼できるから」とか「経済政策に期待できるから」とか「実績があるから」とか、容姿とは別の理由で、投票したのだと思い込んでいたのだ。
つまり、人々は「イケメンだから」という理由で投票したにもかかわらず、別の理由で投票したと錯覚してしまったというのです。
では、私たちはどのようにしてそのような錯覚に陥ってしまうのでしょうか?
それは、「錯覚資産」が大きく関係しています。
今回は、著者のいう「錯覚資産」とは何か、そして私たちはどのようにしてそれに操られ、惑わされて生きているのかということについて考えてみました。
■ 『人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている』ってどんな本?
この本は、ブロガーであるふろむだ氏が、「なんであんな奴が評価されるんだ?」という疑問に対して答え、人生で成功するために誰でも使えるズルい武器「錯覚資産」について書いた本です。
この本は、行動経済学の応用版のような内容で、かつ誰にでもわかりやすくなるように丁寧に説明されている本なので、特に「私たちはどのように物事を判断しているのか?」といった問題に興味のある人には是非おすすめしたいものです。
この本の著者であるふろむだ氏は、人気ブログ『分裂勘違い君劇場』を運営しており、現在までに数百万人ものフォロワーがいます。
ふろむだ氏はnoteも執筆しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。下にnoteのリンクを貼っておきます。
■ 錯覚資産とは?
冒頭で話したように、人間は、相手の秀でたところを見つけると、それ以外のステータスまで高いと思ってしまうような錯覚を起こしてしまうと言います。
その錯覚って、相手にとっては、ものすごく都合がいいですよね。
著者は、この錯覚は「一種の資産」として機能するといいます。これを錯覚資産と呼びます。
■ 「何をやってもできる人」の正体
学校内や職場内などで、「何をやってもできる人」っていますよね。
何をやっても、平均値以上の結果を残せる人。そういう人は、周囲から注目されたり、羨望の対象になったりします。
しかし、それはその人が錯覚資産を持っているために、その人は何でもできると思うように周囲が錯覚しているだけなのかもしれません。
学生のうちは、勝敗は、錯覚資産など関係なく、かなりの部分、実力で決まる。
しかし、社会人になったら、錯覚資産を持つ者は、人生はイージーモードの神ゲーになるが、錯覚資産を持たざる者は、人生はハードモードの糞ゲーになる。
私たちは、物事が成功する要因のほとんどをその人の実力で見てしまいがちだが、実は半分以上が錯覚資産や運の要素である、と筆者は主張しています。
■ どうすれば錯覚資産を増やせるの?
それは、成功することです。
成功すれば、錯覚資産を手に入れることができます。
おかしいですね。
成功するためには、錯覚資産が必要で、錯覚資産を得るためには、成功する必要がある・・・
著者は、このジレンマについてこのように述べています。
どうすれば、このジレンマを解決できるのか?
一番簡単なのは、「確変」が入るまでは、小さく賭けることだ。
「確変」というのは、「確率変動」の略だ。パチンコなんかで、特定の場所に球が入ると、一定期間、当たる確率が急上昇するやつだ。
ひとたび確変が入ったら、確変が続いている間は、ひたすら全力で打ち続けたほうがいい。
結局、人生は運ゲーだから、1回でも多く試行回数を増やすことに投資するべきなんですね。
あれこれ考えたって、成功する確率は変わらないというわけです。
そんな人生の構造を、著者は「運ゲーだけど、『当たると、成功確率が上がる運ゲー』」と表現しています。
試行回数を増やしていって、ある程度の成功をしたときに、それにたくさん投資して錯覚資産を得る。
これこそが成功確率を上げることにつながるというわけですね。
■ この本を読んで気づいたこと
私は中学時代の頃、人生を悲観的に考えていた時期がありました。
しかし今思い返してみると、たまたまその時に嫌なことが重なった、ということが原因だったのではないかと思います。
「俺の人生もうおしまいだ」「なにをやってもうまくいかない」と思ってしまうときって、偶然その時にマイナスなことが連続して起こっただけなのかもしれませんね。
人の感情って案外そんなものです。
でも、そこから自分を上昇気流に乗せていくためには、やはりいろいろなことに挑戦したり、新しいことを始めたりすることが大切なんだなと気づきました。
この本からは、「結局人生は運ゲーなんだから、グダグダ言ってないで当たりを引くまでやれよ!」という著者からのメッセージが感じられました。
■ さいごに
『人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている』では、ここで紹介したこと以外にも、
・なぜ人は簡単にこのような錯覚に騙されてしまうのか?
・自分が錯覚資産に騙されないためにはどうすればいいのか?
・人生が運ゲーなら、どうすれば運をコントロールすることができるのか?
などの項目についてさらに詳しく書かれています。気になる方は、ぜひ手に取ってみてください。
これからも、(不定期ですが)更新は続けていこうと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
↓ふろむだ氏のnoteはこちら↓
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