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異常事態の中で無意識にはたらく”人間の心理”【雑記】

4月7日に緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられています。そんな中、”不要不急の外出”をしている人がいる、というニュースをよく耳にします。

当然Twitter上では「自粛しろ」などの声が上がっています。
しかし、なぜこのようなことが起きているのでしょうか。

■ サイクリングに行ったときの話

私は先週の日曜日、運動目的で近くの河川敷までサイクリングに行きました。
もちろん1人で、マスクをし、コンビニなどの施設への立ち入りを避けるようにしました。

河川敷へ出ると、普段の5~6倍もの人が外出していました。

確かにコロナで外出の機会が減った分、運動によって免疫をつけるのは重要なことです。

しかし、そこで見受けられたのは2~3人で会話しながらスポーツやランニングなどをする人々。むしろ、1人で運動をしている人のほうが少なかったと思います。

なぜ感染の危険があるにもかかわらず、そのようなことをしてしまうのか、と疑問に思い調べてみたところ、それには「危機感がない」ということだけでは片づけられない、人間の脳のある働きが大きく関係していたのです。

■ 「私は大丈夫」の心理

私たちの脳は、つねに私たちの心が平穏になるように無意識下で働きかけています。その働きのひとつに、「正常性バイアス」というものが存在します。

バイアスという単語には、「先入観・偏見」という意味があります。正常性バイアスとは、異常事態が発生したときに、無意識のうちにそれを正常の範囲内であるように認識する脳のはたらきです。
このはたらきは、脳が私たちからストレスを回避するというもので、生きていくうえで重要なはたらきでもあります。

ですが、この正常性バイアスが、緊急事態では深刻な状況を招くことにもつながるのです。

■ 冷静なのは10%

もしあなたが大災害と目の当たりにしたとき、すぐに逃げることができるでしょうか。「そんなのすぐ逃げるに決まってる」と思っていませんか?

しかし、こんなデータがあります。

● もしも人が想定外の状況に見舞われたとき、人間がとる行動は
① 落ち着いて冷静に行動できる人       10%
② ショック状態に陥って呆然と立ち尽くす人  80%
③ 我を忘れてパニック状態になる人      10%

これは、イギリスの心理学者であるジョン・リーチ氏によって提唱された「サバイバル10-80-10理論」というものです。
なんと、異常事態になったときに冷静に行動できる人はたったの10%という驚きの数字が出ています。

本当に大災害が起こったとき、一分一秒の行動の遅れが生死を左右します。そんな状況の中、あなたは冷静に行動できるでしょうか。

■ 「みんなやっているから」の心理

「正常性バイアス」と同じくらい、非常事態において危険な心理が「多数派同調バイアス」というものです。このバイアスは日本人に多く見られます。

多数派同調バイアスとは、ある集団の中で多くの割合の人がとっている行動が正しいと感じてしまうという脳のはたらきです。これも私たちが生きてゆくうえでは欠かせないものです。

しかし、先程述べた通り、異常事態の中で冷静に正しい判断を下せる人は10%です。ほとんどの人が、なにも行動できなくなってしまいます。
「みんなまだ避難していないから、自分も大丈夫・・・」そのような思考が、無意識のうちに生まれてしまうのです。

■ まとめ

新型ウイルスの感染拡大以外にも、大地震や台風など、危機はすぐそこに迫っています。
人間は異常事態に陥ったとき、心が平常を保とうとして本当に適切な判断ができなくなってしまう。このことを知っておくだけで、いざという時、すぐ行動できるようになるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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