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ボーはおそれている・鑑賞

※このブログにはネタバレがあります※

2/16、ついに待ちに待った公開となったアリ・アスター監督の最新作『ボーはおそれている』を初日に観にいくことができました。

率直な感想

な、何だったんだ…
でもアリ・アスター大好き❤️

です。

本当はもっと感想があるんですがまず先に出てくるのがこの言葉でした。
3時間近く鑑賞していた映像は、何が真実なのかわからず1回観ただけでは全く理解が追いつかなかったのです。
しかし、次々と主人公ボーの周りで母親を中心に怪しい人物との恐怖の時間が繰り広げられ、過去のフラッシュバックやトラウマ、夢の話、ボーの抱く感情やストレスなど様々なものが関与して彼を追い詰めていくストーリーは観ていてとても楽しかったです。

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』を観た時も思ったのですが、カメラワークやアングルがとても好きであの撮り方を観ると「アリ・アスター浴びにきたぜ…!」という気持ちになれて喜びが生まれます。特に天井裏の象徴的な画角が最高でした、宗教チックでまさにアリ・アスター作品といった恐怖が潜む撮り方で大好きです。
あとは静寂と雑音、生活音や音楽の使い方が絶妙で音響からも「アリ・アスター成分」を得ることができゾワゾワしてきます。作品冒頭の、おそらく母親の腹から赤ちゃんが産まれてくるシーンの人の声や音の聞こえ方はすごい発想だと思いました。
それから毎作品登場するアイコニックなアイテムの数々。今作もとてもたくさんのメッセージの込められたものなんだろうなというアイテムがたくさんありました。とても好きな演出の一部です。

アイテムやキーになるものはパンフレットを見るとよりよくわかると思います。

パジャマのポケットそして刺繍に目がいくなんとオシャレなパンフレット
装丁が最高です
鑑賞後に見ると大興奮間違いなし


今作のホラー映画としての数値ですが、個人的な感想ですが『ミッドサマー』と同じくホラー映画という括りだけにするには勿体無いという感じでした。ホラーとしての要素は人が死ぬシーンや死体などの表現だけでなく、ボーを取り巻く恐怖という点で存在するのですが、ジャンルがホラー/コメディらしいので一般的に想像するホラー要素よりは少ないかもしれません。

ホラー要素だけでなく、僕がより今作で感じたのは映像美です。
ボーの住む街中の荒廃した雰囲気や、交通事故にあったボーが寝ていたピンクの部屋、森で演劇をする集団の舞台、『オオカミの家』の監督とのアニメパートや最後のボートを漕いでいくシーンにコロッセオのような所で行われる裁判。
これら全て現実なのか幻なのか、一体どこで何を撮影しているのかと問いたくなるような不自然さがとても美しくてうっとり見入ってしまいます。

さて、公式サイトにある「観た人限定完全解析ページ」を早速読んできました。
過去作と合わせての共通点などもよくわかり、とても面白かったです。
ブログ冒頭で言ってた何だったんだという感想ですが、パンフレットとこの解析ページを読んだら何を言いたいかやメッセージなどがよくわかりました。
観た後はぜひこのページを読んでみてください。
監督のこだわりが垣間見れてより一層ファンになってしまいます。


今作を見てファンアートを描きました


先ほども書きましたが、アイコニックなものが多数登場するアリ・アスター監督の作風がとても好きです。イラストにも今回出てきたものとシーンを描いてみました。ネタバレにならない程度の絵にしようとしたのでサラッと描きました。


観た後すぐは、本当に何を観ていたんだろう…悪夢でしかない…といった感想しかなかったものの、家に帰って噛み締めてみたり公式の解析を読むと世界観の全体像が見えてきて、これはスルメですね…となりました。

もう一度、劇場に足を運んでみるのもイイかもしれませんね。

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