見出し画像

開発生産性の可視化の効果の全体像をまとめてみた

こんにちは、@dai___youです。
今回は、『開発生産性の可視化の効果の全体像をまとめてみた』と題して、昨今注目されているエンジニア組織の開発生産性の可視化とその効果について書いていこうと思います。

いきなり結論が知りたい!という方は、以下目次のエンジニア組織の生産性の可視化・向上の取り組みとその効果というページに飛んでいただければと思います!

誰が書いている記事なのか

現在、私はFindyという会社で『Findy Teams』というエンジニア組織の開発者体験向上・生産性向上支援SaaSのSalesをしております。
実は、私自身今年1月にFindyに入社して現在4ヶ月目、エンジニア組織についてそこまで理解が深いわけではありません。ただし、営業商談・カスタマーサクセスMTG同席等を通して、計60社、100名ほどのエンジニアの方々とお話する機会がありましたので、エンジニア組織においてお客様が抱えている問題や開発生産性の可視化がもたらす効果などについて、お客様の声をもとに、その全体像をまとめてみました。

こんな方におすすめです

・エンジニア組織に課題を抱えており、改善に意欲的なCTO、VPoE、エンジニアリングマネージャー(以下EM)の方
・生産性の高い開発組織に興味をお持ちの方
・開発組織をマネジメントする経営者の方
・パフォーマンスの改善意欲が高いエンジニアの方

エンジニア組織の現状の問題とあるべき姿とは?

お客様との会話の中で、現状としてどのような問題を抱えているのか?また、エンジニア組織の理想的なあるべき姿とはどのようなのものか?について書いていきます。

結論として、エンジニア組織が抱える現状の問題とあるべき姿は以下のようにまとめられました。
左側がエンジニア組織が抱える現状のよくある問題、右側がエンジニア組織におけるあるべき姿、の立て付けです。

Findy Teams営業_現状とあるべき姿の整理 (2)

【エンジニア組織が抱える現状の問題】
大きく以下のような問題があります(のちほどそれぞれの問題に対して具体で掘り下げます)。エンジニアだけでなく、経営者や人事担当も悩んでいる問題です。とりわけEMが担う役割における問題は大きそうですね。世の中のEMやCTOの方めちゃ大変…(T_T)!

・生産性向上の問題
・マネジメント負荷軽減の問題
・人材育成の問題
・評価の問題
・働き方の問題
・採用の問題
・離職の問題

一方で、どのような状態があるべき姿なのか?というと

【エンジニア組織のあるべき姿】
大きくは以下のような状態が目指すべき理想の状態と言えそうです。事業・組織・仕組み・プロセス・個人、これらを効率的かつ効果的に回るようにして成果を最大化することが重要です。

・事業価値の最大化
・組織のパフォーマンス最大化
・仕組みの整備
・プロセスの効率化
・個人の成長とパフォーマンスの最大化

エンジニア組織が抱える現状の問題とあるべき姿は、一定理解できた。
たしかに「うちの会社でも問題だな〜」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

エンジニア組織の開発生産性を可視化することで何が出来るの?という点に移りたいところですが、その前に「そもそもエンジニア組織の生産性とは?」という話をします(※ここは結構重要)。

そもそもエンジニア組織の生産性とは?

まず”生産性”とはインプットに対するアウトプットのことです。
前提として、インプット・アウトプットに何を置くかで、生産性の定義は異なり、顧客の期待成果も異なります。
なので、生産性(アウトプット÷インプット)の定義を揃える必要があります。

エンジニア組織の生産性は事業・組織・個人の大きく3つくらいのLevelに分けられそうです。

事業Level(事業インパクト÷経営資源(人件費・開発ツール等)の投下費用)
経営資源(人件費・開発ツール等)の投下費用に対する売上向上 or コスト削減の事業成果
ー>経営層・CTO層のニーズ(開発組織をPL/BSで捉えて、経営資源の財務インパクト(ROI)を効果検証したい)

・組織Level(組織としての開発ボリューム・クオリティ向上・リードタイム削減÷組織の稼働人数や時間)
稼働人数に対する開発ボリューム・クオリティ向上効果
稼働工数(稼働人数×時間)に対するリードタイム削減効果
ー>CTO・EM層のニーズ(開発組織全体の業務プロセスを改善したい、組織のパフォーマンス最大化させたい)

・個人Level(タスク消化の量・質・リードタイムの改善÷一人あたりの稼働工数)
一人あたりに対するタスク消化の量・質・リードタイムの改善効果
ー>EM・メンバー層のニーズ(一人あたりの成長を促進しパフォーマンスを個人の最大化させたい)

この3つの生産性のLevelは、以下の通りエンジニア組織内におけるロールや役割によってニーズが異なるので、「それぞれのニーズに沿って生産性を可視化し高めるためにはどうすればよいか?」を考える必要があります。

スクリーンショット 2022-04-02 11.53.37

エンジニア組織内の役割において、
組織マネジメントー>事業Level・組織Levelの生産性の可視化・向上
チームマネジメントー>組織Level・個人Levelの生産性の可視化・向上
エンジニアメンバーー>個人Levelの生産性の可視化・向上

が求められると言い換えられそうです。

役割・立ち位置の違いでエンジニア組織の生産性の定義の捉え方が異なるので、ここはきちんと認識をすり合わせておきたいところです。

やっと本題です。『エンジニア組織の開発生産性の可視化』とは?
まず、『エンジニア組織の開発生産性の可視化』はあるべき姿へ向かうための手段のひとつでしかありません。
エンジニア組織の開発生産性の可視化をすれば、理想の状態と言える事業価値の最大化ができ、組織のパフォーマンス最大化し、仕組みが整備され、プロセスの効率的に回り、個人の成長とパフォーマンスの最大化を促せる、ということはありません。
では、エンジニア組織の開発生産性を可視化することで何ができるのか?その効果は?という話に移ります。

エンジニア組織の開発生産性を可視化することで何が出来るの?

こちらも結論としては、エンジニア組織の開発生産性を可視化することで、1.抱えている現状の問題の解像度が高く認識できること、2.あるべき姿に近づくための打ち手や打ち手の効果検証が見えること、があります。

エンジニア組織の開発生産性を可視化することで、本記事冒頭でご紹介したエンジニア組織が抱える現状の問題とあるべき姿を、お客様へのヒアリングを通した定性情報と、『Findy Teams』を通したGitHubやJiraの定量情報にもとづいて、以下の通り具体的に把握することができます(MECEになっていない部分もあるかもしれないこと、予めご容赦ください…!少し細かくてみづらいのもすみません…!!)

画像4

問題解決には、まず現状の見える化をすること。
現状把握を通して、左側にある問題と対処すべきの課題の特定がしやすくなります。

Findy Teams営業_現状とあるべき姿の整理 (5)

また、そのことで、右側にある事業・組織・個人の3つのLevelの生産性とそれらに関連する仕組み・プロセスといった要素のボトルネックを特定し、改善につなげることができるようになります。

Findy Teams営業_現状とあるべき姿の整理 (6)

”課題に対して改善の取り組みをすることで初めて開発生産性に対するインパクトへの効果”が見出されます。

とはいえ、「そもそも課題が分からず、アクションに移せない」、「なんとなく開発組織の生産性を上げたいと思っているが、何をどうすればよいのか分からない」といった問題は一定解消することが可能です。

では、実際に、エンジニア組織の開発生産性を可視化し、課題の特定と課題に対して改善の取り組みをすることで、どのような効果が得られるのでしょうか?

エンジニア組織の生産性の可視化・向上の取り組みとその効果

開発生産性の可視化・向上によって、大きくは以下3つへのインパクトが期待できます。

1.開発者体験向上
- 人的資本経営力の強化
- 採用強化

2.開発工数低減
- 改善効果による財務的なビジネスインパクト

3.ビジネススピード加速
- サービス提供スピードの加速
- 新しいビジネスに挑戦しやすい環境づくり

スクリーンショット 2022-04-02 16.15.17

1.2.3それぞれの期待効果の詳細を以下に記載します。

1.開発者体験向上

昨今注目を集めている言葉である「開発者体験」。
簡単に言えば、「エンジニアにとって働きやすい環境をつくること」と言い換えられます。このあたりは直近、『エンジニアリング組織論への招待』の著者で知られる広木さんと『広木さんに聞く! 開発者体験向上のためのエンジニア組織づくり最前線vol.6』というイベントを開催しましたので、よろしければ、以下リンクや広木さんのツイートをご覧ください(イベント内の内容がざっくり理解できます)。

開発者体験への投資が、「良い組織文化づくり」という目に見えない文化資本、生産性向上、また採用強化につながるというお話です。

チャレンジングで生産性の高い組織に優秀な人材が集まり、優秀な人材が集まるので、生産性も向上していく、という好循環が生まれるので、開発者体験への投資(開発者体験を向上させる取り組みをすることそのもの)は今後重要になってくると思われます。

また、昨今は資本市場において、"人的資本経営"が注目されており、人的資本の開示が求められるようになりました。いかに人的資本を活用できているかを対外的に発信することの重要性もより一層重要になってくることは間違いないです。

多くの企業がビジネスのデジタル化を進めていることを踏まえると、エンジニアの開発組織の生産性を可視化することの必要性は投資家とのコミュニケーションにおいても論点になる機会は多くなっていくかと思います。

2.開発工数低減

こちらはファインディの取り組みに関してですが、開発者体験向上に投資し、改善の取り組みをした結果、”2020年上期ベースで2021年の開発を行っていた場合と改善後で比較をすると実に「1.8億円分」の追加開発ができていることが計算できました”

詳細は以下弊社代表の山田さん(@yuichiro826)の記事に譲られればと思います。

3.ビジネススピード加速

こちらもファインディの事例ですが、生産性の向上・開発者体験の向上に取り組んだ結果、開発スピードは3倍になり、「ツイッターで呟いてからバク対応完了まで5時間は早すぎます(笑)」といった声だとか、「カスタマーサクセスの方にフィードバックするとすぐに実装してくれるのでフィードバックしがいがある」とまで言っていただけるようなりました。

圧倒的に爆速で顧客価値提供できるエンジニア組織が爆誕しました…!

顧客からの要望やBizサイドの要望がプロダクトへすぐに反映されるので、めちゃありがたい…!!(エンジニアの皆様ありがとうございます!!!)

詳細は以下弊社筋肉CTO(Chief Trainig Officer笑)の佐藤さん(@ma3tk)の記事をご覧ください。

さいごに

最後までお読み頂きありがとうございました。

今回は、エンジニア領域4ヶ月目という若輩者が「エンジニア組織の開発生産性の可視化とその効果についてまとめてみた」という記事でした。

すべてお客様との会話を通してまとめ上げたものになりますので、エンジニア組織に悩まれている方のご参考になれば幸いです。

記事内で取り上げさせて頂きました『Findy Teams』に関しては、現在絶賛採用募集中みたいです!ご興味ある方ご応募ぜひぜひ!

Findy Teamsのサービス詳細はこちらです!

私のTwitterアカウントはこちら!フォローいただけると嬉しいです!

ではでは〜〜:D



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?