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茅葺き職人になんでも屋…人生初の稲刈りで多様な人類に出会えた話。




稲刈りに行ってきました。人生初。
稲作なんてほとんど見たことない沖縄県民かにとって、アメリカのハウスパーティに現地で初めて参加したくらい新鮮なもの。

景色一つ一つが絵画のように映る。

え!本当にこんな感じなんだ!!
うわあ本物!!


朝の9時から昼の16時まで、
田んぼの持ち主のはじめさんとその友人8人で、稲刈りと藁で縛って干す作業。

8人としてもかなりの量。
ちなみに、この田んぼで2人分の米一年分ほどは賄えるのだそう。こうやって実際に教えてもらえると、この田んぼは何年分くらいだなあとか見て楽しむことができるようになる。ふふ


稲刈りは気持ちよかった。
自然の太陽光の下で体を動かせる。無農薬の田んぼでは、僕の好きな生きものたちが足元を跳ねたり泳いだり。ダルマガエルやカマキリにコオイムシ。水路で冷たい水に足をつけていると、足元をヘビが気持ちよさそうに水に流されていった。

そして、めちゃくちゃ腰がバキバキになる。腰痛い。

それも含めて風情がある。すごい!ほんとにこんなに腰痛くなるんだ!

金色の野に降り立つはじめさん。


何もかもが新鮮だった。
照らされる稲穂、刈り取られた田んぼ、泥まみれの自分、素性は分からないけどなんだか異質な雰囲気を放つ人たち。少し話しかけるだけで、あれ?それはどういうこと??と疑問符の嵐。凄くまともに受け答えしてるのに話の端々がぶっ飛んでいる気がする…気のせい??

後半は慣れてきて作業も順調に進んでいき、
ついに16時頃、稲刈りが終わった。


終わったーーーー!!!!

はあーーーーー疲れたあ!!!

お疲れ様でしたー!!!


そして、夕方から宴会が始まる。
むしろこっちがメインです。



宴会〜類友の類友は類友です〜


宴会はたんぼの持ち主のはじめさんの自宅で集まった。

みんな見慣れてるのかさらっと家に入っていくけど、いや、

なんで庭に茅葺屋根があるんですか。
作りかけが2つも。人生で初めて見たぞ

こういうの。


実ははじめさんは茅葺職人らしい。
そんな職種あるんだ…

茅葺屋根を修繕したり建てたりしてるそうで、ワークショップのついでに自分でも一から作ってみたいと庭で作りはじめたそう。

中を見せてもらった。 

デカい。


職人なだけに超本格的。ついでになんて言えないオーラがある。茅葺屋根手作りワークショップ…めちゃくちゃ気になる…。

はじめさんは結構若いのに、家も3年前くらいに空き家を安く譲ってもらって自分でDIYで増築して、畑も田んぼも始めてしまうという僕の目指す道を一歩も二歩も先を行く方。

聞くと、会う人会う人に家がほしい!こんな感じで住みたい!と言いながらお手伝いをして回っていると、いろんなお誘いが舞い込んできて、今では田んぼも家も畑も職まで手に入れてしまったという。僕のシェアハウスのオーナーさんからもすこぶる評判のいい好青年でした。あとシンプルにイケメン。

自分の生活をどう自給するか?について長野に来てめちゃくちゃ学んでる気がする。ありがたい。



夕暮れ。
料理したりテーブルを用意したり、人数がそろってきたところでビールを注ぐ。


「カンパ~イ!!お疲れ様でしたー!!」

グビグビと喉に冷たい味が流れ込む。

「ぷはあああ!!最高!」

宴会が始まった。


作業が終わって一段落したからか、皆さんもうめちゃくちゃ喋る。僕以外は友人だったり顔見知りなので、最初からガンガン喋って盛り上がっていた。僕は横でほええと話を聞きながら目の前のサラダとジャーマンポテトに夢中。ちなみにジャーマンポテトってドイツでは言わないらしい。ドイツの大学から一時帰国中で稲刈りに参加してたチカさんが教えてくれた。サラッとすごい人いるな。

宴会中に皆さんの話を聞いて回っていると分かってきたのだけど、
この稲刈り宴会メンバー、並々ならぬ面々が集ってることが判明した。


茅葺職人のはじめさんを筆頭に、
ベンチャーでバリバリ働いてるタクさん、
ドイツ留学中のチカさん、
なんでも屋のひろきさん夫婦、
元競輪選手で最近田舎暮らしを始めたアライさん、
そして僕の自給の師匠シェアハウスオーナーのあきさん、

その他話してないけど面白そうな人がニコニコ。数学者…?絵本の中の住人さん…?

どこの会話に入っても普段は聞けないような会話が飛び交っていて、もう自分が3人ぐらいほしかった。


「 なんでも屋 」さんの話が特に好き。

町に引っ越してきて、仕事どうしようかなあ、でも勤めるのは嫌だしなあ…と考えてた中、なんでも屋やってみたら?と言われて始めたそうだ。すごいな…

なんでも屋さんは今は口コミで、知り合いから知り合いを紹介されて色々やっているのだそう。畳の張替えから、屋敷の掃除、庭の選定、引越しの手伝い、畑の草刈りなどなど文字通り「なんでも屋」

面白いことに元競輪選手の方もここに越してきてからなんでも屋を始めたらしい。
まさかの同業者。この人数でその職業が被ることある…?小説のちょっとぶっ飛んだ先輩がやってるイメージしかないぞ。現実で成り立つのか…?

そう思って色々聞いてみると、どうやら仕組み的には、お得意様を見つけてその方から複数の案件を頂き、そんな人を何人か見つけると意外と収入が安定するらしい。身の回りのことを頼みたいご老人や、仕事が立て込んで掃除などができない人、DIYのお手伝いなど、定期的にくる仕事を持つと案外うまく回るとのこと。なるほどなあ…!

駆け出しはすごく大変だけど、ある程度の関係性が出来てきたら、人が人を呼び口コミや信頼性で広がっていくらしい。
すごい面白い。腑に落ちた。

サラダもたぶんとれたて。シャキシャキ


会話していく中ですごく素敵だなと感じたのは、皆さん相手の仕事や生き方や考え方を全然否定しないこと。

全く違う経歴なのに、相手の世界観をリスペクトしつつ「自分の場合はこう思う」と話し出すこと。

僕が普通のことができなくて会社マジ無理なんです…と話しても、そうなんだあ!と一切否定しないし、それどころか某大企業出身のベンチャー企業でバリバリに働いてる超優秀サラリーマンの人ですら
「会社行ける人は会社行けるっていう特性があるからこそだよね。みんながみんな行けるわけないよね。」
と穏やかにサラッと言ってくれた。カッケぇ


境遇は違えど、都会から町からドイツからわざわざ友人の稲刈りに駆けつけてくれる人たちは同じ根っこを持っていて、そんな人たちとの会話はこうも心地いいんだな…と酔った頭でぼんやり考えていた。


皆さん知的好奇心の塊みたいな人たちで、パーマカルチャーの話やソーラーパネルの話、大学教育の話、HSPの話まで多種多様な話題にどんどん転がってはみんなで自分の意見をだしながら楽しそうに議論する。


中でも、僕のシェアハウスのオーナーさんがほぼすべての話題に参加して意見を出すからすげえ…と思っていたら、実は東大卒だったことが判明した。一緒に住んでて妙に知識量バグってんな…と思ってたんだよ。何聞いてもだいたい答えてくれるし。そういうことか…
ていうか議論になったら強すぎる。ネテロ会長じゃん


「気になるけど真面目な話で普段なかなか聞きづらい」みたいな話題もみんな遠慮もせず話して聞いてくれる。1を話したら10くらい返ってくる。楽しい。面白い。

とりとめのない疑問がどんどん話が膨らみ議論になり、その議論からまた疑問が生まれて永遠と話題が広がって、今まで遠慮して出すことができなかった頭の中のあれこれが受け入れてもらえるような、そんな心地良さを感じた。


日暮れから集まった宴会も
気がつくと深夜2時を回っていた。




選択しつづけて辿り着いた朝。


ガサゴソと布団をたたむ音が聞こえ、みんなの話し声が聞こえる。

目を覚ますと、鳥の声とともに朝日が差し込んでいた。


「おはようございます…。」

「あ、おはよー!」


みんななぜかベランダに椅子やテーブルを運び出している。

ふと窓から覗くと、あ…!と声を出してしまった。

朝日とマウンテビューのロッジ。


何だこれ…最高…じゃん。

肌寒い朝の空気に触れながら、はじめさんが湯気の立つコーヒーをドリップして入れてくれる。林から聞こえる野鳥の声を聞きながらみんなで運び出したソファに座る。

昨日あれだけ話してたのに、話題は尽きずふとしたことから盛り上がる。

野鳥に詳しいアライさんが、野鳥の声から鳥を言い当て、ベンチャー社員のタクさんが鳥にまつわる話をしてくれ、
コーヒーの味から食レポの話になり、オーナーのあきさんが「食レポの最高峰は美術作品に例えるからわけ分かんなくなる話」などをしてくれた。
一流のソムリエは美術史や音楽にも精通し、味の表現を限界突破した結果、ワインを飲んで「まるでミレーの落穂拾いのようだ。」(絵画作品)と表現するらしい…。
庶民には何も伝わってこないけどなんかすごそう。落ち穂拾いなら僕もやったぞ。

もうずっと話していたいくらい楽しい。
みんなが勝手に面白い話してくれるし、大真面目にめちゃくちゃニッチな話をしてくれて始終笑ってしまっていた。


昨日始めて出会った人たちなのになんでこんなに楽しいのだろう。

ふとそう考えたとき、僕のここ2、3年の生き方に気がついた。

逃げて逃げて新しい選択をして新しい場所に赴いて、これまで生きてきた全部を選択し直して。

何度も不安だったり迷ったりしたけれど、これまでのすべてを変えたかったから自分が心地良いように嫌なことをやらずに済むように好きなことをやれるように選択し直してきた。

だから、辿り着いたんだ。

僕が心から自然に笑える場所に。一緒にあーだこーだ笑って言いたいこと言える人たちに。

そして、ここにいる人たちもきっとそうなのかもしれない。田舎に引っ越してきて、右も左もわからないまま周りの手伝いや仕事を探して、情報を見つけて挑戦して、1から新しい生活を作って人に出会って。だから僕のことも受け入れてくれるし、自信と好奇心と遊び心のある笑顔で屈託なく笑ってる。

ここはそんな人たちが集まっている場所なんだな。最高だな。

類は友を呼ぶ。
一見全く違う世界で生きているように見える人たちでも、根っこは同じならちゃんと集える。自分で自分の選択をしていけばそんな人たちにちゃんと出会える。そう感じた朝だった。


心から望む世界を諦めなければ、現実にその目で見れる日が来る。

そのことがもの凄く嬉しく、これまでの選択は間違えてなかったんだと誇りに思えた朝だった。




おわりに


ということで、稲刈りお疲れ様でしたー!

人生初の稲刈りに多様な人類との邂逅…朝から晩まで翌朝まで、ノンストップの2日間でした…笑

こんな面白い人たちに出会えて、しかも受け入れてもらえてほんとにほんとに楽しかった。ワクワクの連続でした。

理想の生き方に向かって一つずつ一歩ずつ、ちゃんと変えていけばこんな場所に辿り着けるんだなと身をもって震える思いでした。

生活を変えたくて来た長野県、

人間関係や常識を変えたくて飛び出た地元、

自分だけの仕事を作ることで始まった日本一周。

すべてが繋がっている気がします。
だからこれからも僕は僕の人生を謳歌するべく「僕を活かすための選択」をしていきます。

これを読んでくれたあなたにもなにかキッカケになってくれたら嬉しい。僕はそんなあなたの選択を心から応援します。


そして、今回の旅に出るための「遊んで暮らす生活術」や「メンタルブロックを壊すための方法」などあそび屋だいのコンテンツをこちらにまとめてみました。

『遊んで生きるためのライフハック』

1から生活を作り直して、大好きなことに没頭して生きるためのライフハックがたくさん詰め込まれているのでおすすめです。

また、僕の周りの方々も人生大変革中でみなさん遊びに来てくれるので、
もしあそび屋だいに会ってみたーい!というもの好きな方は、ぜひ!近くにいましたらお声がけください!

遊びに行きましょーー!


それでは、今回はここまで!

だいでしたー!


またね!

長野のある村にて。最高の朝でした。


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