マーケットについて考える2023年11月22日

 アメリカの株式市場が活況している。
 FRBによる追加利上げが2会合連続で見送りになり、利上げ停止は近いと市場は好感。長期金利の上昇から一服。今後のFRBの利上げに注目だ。
 円が対ドルで150円より安くなったが、利益確定で147円近辺まで円高に。利益確定に注意が必要だ。ダウ平均、S&P500、Nasdaqは堅調に伸びている。
 AIへの期待からApple株などが上昇しているが、実体を大きく超えた株高は利益確定へと向かう。Apple株のチャートを見ると前回の期待による値上がりと下落が今後重なる可能性がある。
 市場は常にニーズを探しており、利下げが近くて株価を大きく下げるネガティブなニュースが少なく感じる。アメリカの中古住宅市場も下げてきたが、市場全体をネガティブにするほどではないと思う。
 日本の市場が活況気味だ。個人的な見方では中国市場に対する投資家の見方がシビアで日本にお金が流れているのではないだろうか。
 機関投資家はお金を動かして利益をあげなければならないビジネス上の性質を持っている。今のアメリカの株式市場は楽観的に感じる。エヌビディアなどの半導体業界に対する明るいニュースがあり、AIに対する期待や需要による株高もあるだろう。
 気になることは債務の増加だ。家計、企業、新興国の対GDP債務残高が伸びている。銀行の融資はシビアでタペストリーなどの好調だった消費財の業績が低下している。様々な企業の2023年3Q決算を読んでいると過去10年で優秀な業績をあげている企業でも減収減益はよくある状況だ。株式市場と実体経済のギャップに注意が必要だ。
 日本企業を詳しく調べていないが、もし日本企業の決算が良好なら日本の株式市場に金が流れる構図は理解できる。日銀が金融緩和を崩さない姿勢も好材料だろう。物価上昇に対して実質賃金が上昇するまで暫く時間がかかると思う。
 追加で注目したことを書くと、金が2,000ドル台と強い。
 日本のインバウンド消費が観光客の増加によって今後期待できるかもしれない。しかし、コロナ前と比較して観光客あたりの消費額に注意が必要だ。

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