私が思う社会福祉の一番の難しさ・・
新年早々に新生児を置き去りにして死なせてしまった事件がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54022880T00C20A1CZ8000/
この事件に対してはSNSではこの女性を擁護する内容が並んでますね。
経過を並べると・・
2019年12月28日朝に自宅浴室で出産。
その28日から30日にかけて仕事の為に外出。
1日に子どもが息をしていないことに気付き通報。
という流れですね。
新生児には外傷もなく、自ら通報していることから考えると、虐待ではなく、頼る人が一切なく、知識が一切無い中で一人で抱え込んでいっぱいいっぱいになって死なせてしまったと考えるべきでしょう。
本人も「病院に連れていくお金がなかった。相談する人もいなかった」と供述しています。
なぜこんな事件が起こったんでしょうか?
行政には様々な窓口があります。
そして、私自身が社会福祉などに参加している中で分かりますが、困っている人がいるなら手を貸してあげたいという人は世の中には大勢いらっしゃいます。
そういう人たちとこの女性がなぜ繋がらなかったのか?
個人情報保護法がありますので、彼女のような存在がいることを市民団体などが知ることはほとんどないでしょう? しかも、病院などにも行ってないので、行政すら彼女の存在を把握してなかった可能性もあります。
そして、周囲の人が彼女の存在に気付くことができるでしょうか?
私はマンションに住んでますが、同じマンションにどのような人が住んでいるかほとんど把握してませんし、当然その人たちの悩みを知りません。
街でよくすれ違う人もいるかもしれませんが、ほとんど気に留めたことはありません。
私たちは超能力者ではないので、他人の悩みに気付くなんていうのは、同居している家族ですらなかなか出来ることではないと思います。
「助けてくれ」と声をあげてもらわない限り、周囲の人間たちが行動に起こすことは困難なのです。
しかし、本当に困っている人というのは、この事件の女性のように声を上げられない人なのです。
よく「行政にはこういうサービスがある!!」 など、主張する役所の人や政治家はいますが・・
それはそこにアクセスしてきた人のみを助けるものであります。それでは不十分なのです。
行政サービスや市民団体などが多数あっても、そこに助けを求めに来た人にしか手を貸せない!!
しかし、本当に困っている人は「助けて」と声に出せない!!
この矛盾こそが社会福祉の一番の難しさだと思います。
これを解消出来る社会システムこそが、社会福祉を考える上で最も重要なことだと思いますが、なかなか出来ることではないでしょう。
多くの人は反対すると思いますが、個人情報を多く持つ行政が厚かましく介入していくしかないのかもしれません。
ずっとこのことを考えてるのですが、なかなか答えが出ないのですよね・・
この事件で改めて、必要性を感じました。