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『ふぞろいの林檎たち』に見る日本人の良さを考える。

先日、偶然にドラマ『ふぞろいの林檎たち』のパート1を久しぶりに観た。

このシリーズは四流大生と看護学校生を主人公に若者たちのコンプレックスを描いた群像劇である。

これに中井貴一さんが演じる仲手川良雄という登場人物が出てくる。
ドラマを観た人なら分かると思うが、この良雄は兎に角優柔不断でハッキリとものを言わない。だから、恋人や上司など周囲の人間に振り回されてしまう。男らしい兄とは違って彼を見ていると「シャキッとしろ‼️」とツッコミを入れたくなるのだ。

この良雄について作者の山田太一さんが説明しているインタビュー記事を読んだことがある。

その時に彼が語っていたのが・・

『良雄という人物は真っ先に相手の気持ちを考えてしまう。こんなことを言われたら嫌なんじゃないか?とか、断ったら嫌な気持ちになるんじゃないか?とか、そんなことを考えてしまうのだ。だから、人に対して強くものが言えない。だから、相手に舐められて損ばかりしてしまう。でも、それは決して悪いことではない。それは日本人が本来持つ良さであったはずだからだ。』

こんな感じのことを語られていた。

確かに良雄みたいな人は争いは起こさない。こんな人が増えればダイバーシティも簡単に実現出来るかもしれないし、こういう人物が評価され不幸にならない社会こそが健全な社会なのかもしれない・・

でも、現実には良雄みたいな人は生きていけないんじゃないかなと思う。このグローバル化の中では尚更・・

昭和のドラマを観ながら、そんなことを考えておりました。