朱池全て文章

筑豊川筋出身、東京山の手育ち、成年、非喫煙者、元ノンバンク、経済事件研究業、文章書き、…

朱池全て文章

筑豊川筋出身、東京山の手育ち、成年、非喫煙者、元ノンバンク、経済事件研究業、文章書き、福山雅治との共通点は性別と日常言語です。JPSマイルドの未開封品を持っている日本で唯一の男。

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松本人志の呪い

松本病という言葉がある。 第四世代芸人の多くが罹患したと言われる、松本人志に憧れ松本人志のような立ち居振る舞いをしてしまう病だ。 媚びず、笑わず、冷めた目で周囲を睥睨し、センスの良い一言を放って笑いを生む。 しかし松本病に罹患したすべての芸人たちは、現在では軌道修正をして別のキャラクターで世に出ている。誰一人として松本人志にはなれなかった。メシを食うために路線変更はやむを得ない。 わたしが初めてダウンタウンに(ブラウン管の中で)出会ったのは「夢で逢えたら」だった気がする。も

    • 撮った写真どうしよう問題

      先日の盆休み、宇宙侵略者の熱線兵器かと思うほど猛烈な日差しのなか広島へ旅行に行った。 画面のなかで見る夏は眩しく青々としていていかにも物語的で素敵な感じだが、実際に〝自分が立つ夏〟は汗だくになり朦朧とし身体中べたべたでとても素敵とはいえない。「菊次郎の夏」や「AIR」は画面のなかだから美しいのである。だから、舌打ちするほど鬱陶しい暑さのなかで撮った写真は今見返すと割と良い。暑さが抜け落ちるので夏の良さだけを感じられる。 普段なら着の身着のまま出かけるが、今回は某カメラメーカー

      • 「ヤクザときどきピアノ」という使徒

        わたしはノンフィクションが好きで、鈴木智彦さんも好きなのでサカナであろうが原発であろうがピアノであろうが絶対に読むわけなんです。 当然買いましたしワクワクしながらページをめくったのですが(kindleですけど)、かなり序盤で手が止まってしまった。本の内容とか題材とかそんなことで手が止まったわけではない。レイコ先生の登場とともに、その頃こっぴどく振られた出来事が蘇って胸が痛くなってしまったのだ。 ピアノ専攻ではなかったけど音大出身の女の子と仲良くなったことがあった。幼少の頃か

        • あなたが私にくれたもの

          先日、ちょっと怒られることがあった。 経緯は書けないが仲の良い女性に自分のことばっかだねと刺されたのだ。 まさに青天の霹靂で、ここ数年無かった衝撃を受けた。反発心よりも先にびっくりの方がやってきた。微塵も自覚がなかったのだ。 これには過去の自分の振る舞いを考えさせられた。 今まで俺は自分のことばっかりだったのか? 色々考えてみれば自分は他人になにも与えない人間なのかもしれない。そう言われれば納得できる所もある。細かいことを言えば、遠くへ行ったときも土産は絶対に買わない。これ

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        松本人志の呪い

          最近みんなフラグが立つっていわないね

          朝方、目覚めの際で起きているんだか寝ているんだか分からないというときに自室に他人がいる物音や気配を感じて、それを現実だと理解して焦って飛び起きることはないだろうか。 飛び起きるまでいかなくても、恐怖を感じるなんて経験はあると思う。あってくれ。 昨日の早朝、似たようなことがあった。 日曜日の朝だ。確実に自分の部屋にいる、という自意識はありながら半分目覚めていて(もうちょっと寝ていたいな)なんて思っていたときだ。めちゃくちゃ懐かしい環境音?が絶対に聞こえた。本当に今そこでおきて

          最近みんなフラグが立つっていわないね

          同時接続80億人を誇るMMORPGのバグ

          今期のアニメでサマータイムレンダという作品がある。 主人公は自身を俯瞰して見るというキャラ付けがされている。人間誰しもかかってしまうと周りが見えなくなるということはあるが、この主人公のように極力冷静に生きたいものである。 相手の気持ちになり、己の立ち位置を把握し、空気を読んでよどみなく場を動かしたい。 ――しかし、人間はなかなか自身を客観視できない生きものなのだ。 古い付き合いの後輩からたまにラインが来る。それ自体はとても有り難いのだが、彼の文面は少し前にネットを騒がせたお

          同時接続80億人を誇るMMORPGのバグ

          父の生きた証をネットの海に記録する話(と、おまけ)

          ちょっとだけ前振りが長いけどまあまあ落ち着いて。 そう慌てないで。 父親の唯一の趣味は競馬である。 他に趣味は一切無い。最近は嫁に連れられて山に登ったりしているようだが、自分からそのようなアクティブなことをするタイプではない。 リゲインが「24時間戦えますか」とテレビCMしていた頃、父親の休日は月に三日しかなかったらしい。その数少ない休みの日にゴロゴロするでなく、幼少の私を車の助手席に乗せて場外馬券売り場へ走ったものだ。 (子どもを乗せておけば駐禁切られないから) 母親はコ

          父の生きた証をネットの海に記録する話(と、おまけ)

          砂漠に花が咲いた話

          東京からご近所づきあいが消えたと言われて久しい。 特にマンションでは隣の名前も知らないなんて事はザラにある。 わたしも昭和生まれのアナログ世代なので、小学生の頃は町内の重鎮的なじいさんがいて色々イベントがあったのを憶えているが、高校進学以降は引っ越しを重ね、近隣との付き合いは一切無くなっていた。 隣近所の名前などまったく把握していなかったし、すれ違っても会釈すればいい方で、ヘタをすれば舌打ちを見舞われるのがストレス増殖都市東京である。 そんな世知辛い東京砂漠にも、花が

          砂漠に花が咲いた話

          対価構造を厳格化したい問題

          対価と聞くと「払う」という単語が真っ先に思い浮かぶ。 なので、対価構造という言い回しは適切ではないのかもしれないが、パッと思いつかないのでこのまま進める。 めちゃくちゃ簡単に言うと「いいとこ取りはさせませんよ」という話だ。 最近身の回りでトラブルがありこのようなことを考えさせられたので色々思いついたことを書いておく。 例えば店でラーメンを食べて金を払わずに出ていったら逮捕される。食い逃げである。刑事事件である。ラーメンを食べるという行為で腹を満たし、あまつさえ舌に美味を感

          対価構造を厳格化したい問題

          チロル

           子どもの頃よくもらった。  近所のおばちゃんに出くわすと一通りの挨拶を交わし、ああそういえば、という調子でポケットやバッグやエプロンのなかから煎餅やあめ玉などなどが飛び出してくる。人生のなかで甘味料がもっとも恋しい小学生時代だ。一口サイズに包装されたそれを遠慮なく頂いた。  それと同類のアレかと思った。  机の上にぽつんとひとつ、チロルチョコレート。  すでにチャイムは鳴っていたし、数学の教師は教室に来ていたし、周りの連中に「誰からだ」と訊く余裕もないが、俺が休み時間に出て

          酒の国は道徳の世界より広大である

          わたしは酒飲みである。 俗に言う酒好きに分類されると思う。 例えば土日が休みだとすると、金曜の夜、土曜の夜、日曜の昼、と飲んでしまう。しかも「ちょっと飲んでほろ酔い」のみたいなお洒落な飲み方がどうも馴染まず、ビールでいえば宅飲みでも4-5リットルは飲んでしまう。友人と街に繰り出せば最初から最期まで延々ビールで、ジョッキでも30杯くらい飲んでしまう。そのあと二軒目三軒目である。 しかし、基本的にわたしは休みの前日にしか飲まない。それだけ飲むと必ず翌日まで酒は残り、気分が悪すぎて

          酒の国は道徳の世界より広大である

          なんのオチもない親孝行の話

          もうすぐ誕生日である。 もはや嬉しいなどとは微塵も感じない年頃になったが、一応意識には残ってしまう。 二週ほど前だっただろうか、父親から「誕生日にウチで飯を食おう」などとメールが来た。 こういうとき普通の成人男性はどう思うのだろうか。なにを隠そう、わたしは無茶苦茶むかついてしまった。なんで誕生日の日におまえらと飯を食わなきゃいけねーんだ、という感情である。普通は恋人などと過ごすような日だ。なにが悲しくて年老いた両親と飯を食わなきゃならないんだ、と。とにかく思い出すと今でも腹

          なんのオチもない親孝行の話

          なんのオチもない悩み

          実家の母から、置きっぱなしのもの捨てるよ、と写真付きで連絡がきた。 今までならふざけるなの一言で終わらせていたのであるが「終活したい」などとセンチメンタルな事を言われてなにも返せなくなった。 時間の奴は容赦なく我々を遠くへ運んでしまう。 置きっぱなしのものとは、主に雑誌と漫画とVHSである。 わたしは少年時代、車やバイクが大好きでその手の雑誌が数百冊そのまま実家に置いてある。VHSの中身の8割方はF1GPである。大好きだったので毎レース標準モードで録画していた。これも数年分

          なんのオチもない悩み

          世代間ギャップと教養の境界問題

          先日のワイドナショーでデビルマンが話題になっていた。 高校生の女の子が〝わら半紙〟について質問され、「なんにも知らない(です)。見たこともない」と答えた。それに対してわれらが松本人志は「誰も知らない、知られちゃいけない。みたいな言うな」と返したのである。 これはデビルマンのEDテーマの一節である。 たしかにあの女子高校生の答え方には丁寧ながらも逆ギレのような強調が感じられ、また独特のリズムがあって(瞬時にデビルマンの曲が浮かぶかどうかは別にして)多くの視聴者にざらつきを感じ

          世代間ギャップと教養の境界問題

          自分勝手にレッテルを貼ってしまう問題

          クリープハイプというバンドに尾崎世界観という人がいる。 クリープハイプどころか、音楽を聴くという習慣自体がほとんどないわたしにとって、その音楽性や才能などはまったく理解できていない。凄い人なのかそうでないのか知らないのである。 なので腐す意図はないと、前もって書いておく。 わたしが尾崎世界観を知ったのは「祐介」という小説だった。 半自伝のように紹介されていたりするので、尾崎世界観という人をまったく知らなかった自分にとっては「なるほど、そういう人ね」と同族意識が働いたものだ。

          自分勝手にレッテルを貼ってしまう問題

          共感と現実が食い違う問題

          先日、ラジオを聴いていたらロンドンブーツ1号2号の田村氏の方がCLANNADを見て感動したとしきりに絶賛していた。 なぜアニメに興味を持ったのが知らないが、ラブライブも絶賛している。インターネット界隈でも話題になったようである。 CLANNADを作ったkeyというブランドは泣きゲー(泣けるアダルトゲーム)の元祖とも言われている。 わたしもかつてはkeyに傾倒していた。BDを持っているので、懐かしく思い酒の肴にアニメCLANNADを見ることにした。 簡単に言えば、家庭に問

          共感と現実が食い違う問題