第二十六話　～市場暴落による動揺～

このお話は、一人の女性が投資を理解しながら、ウォーレンバフェットの考えに触れ、自分なりの投資スタンスを確立していく物語（フィクション）です。

投稿26：市場暴落による動揺

かおるはいつものように出勤したが、会社に入るといつもと違う雰囲気に気づいた。オフィスの中はざわざわとしており、同僚たちは落ち着かない様子でスマホやパソコンの画面を見つめている。

「どうしたんだろう…？」
かおるは不安を感じながらデスクに座り、パソコンを開くと、さっそくニュースの見出しが目に飛び込んできた。

「市場暴落！世界中で株価が急落！」

瞬間、かおるの心臓が一気に高鳴った。急いで自分の投資アプリを開き、だいさく先生に勧められたアクティブファンドを確認する。画面に映し出されたのは、投資していたファンドの価格が大きく下がっているという現実だった。

「こんなに下がってる…！」

パニックになりかけたかおるは、深呼吸して冷静になろうとしたが、どうしても心が落ち着かなかった。周囲を見渡すと、同僚たちもざわついていた。特にお昼休みには、その状況が顕著だった。誰もがスマホやテレビに釘付けになり、市場の混乱やパニックを報じるニュースに見入っていた。

「ああ、また大きく下がってる…」「これ、もう終わりじゃないか？」

同僚の会話が聞こえてくる。かおるもお昼休みにニュースをチェックしてみたが、市場の混乱を伝えるニュースが次から次へと流れてくる。かおるはそのたびに胸がドキドキして、心がざわつくのを感じていた。

「本当に大丈夫なのかな…？」

アクティブファンドに投資をしているとはいえ、かおるはまだ投資初心者だ。企業を応援するという気持ちでファンドを買ったものの、目の前の下落が彼女の不安をかきたてていた。

午後の仕事が始まっても、かおるはどうしても集中できず、何度もスマホの画面を確認してしまう。普段は冷静で、効率的に仕事をこなすかおるだったが、今日はどうにも気持ちが乱れていた。

「どうしよう…このまま放っておいていいの？売ったほうがいいのかしら…？」

自分が応援している企業が今、苦しい状況にあるのかもしれないと思うと、心配と動揺が押し寄せてくる。

「やっぱり売るべきなの？でも、応援しようって決めたのに…」

心の中で葛藤しながら、かおるは気づけばスマホに手が伸びていた。

「かおる、どうしたの？なんか元気ないね。」
隣のデスクの同僚が心配そうに声をかけてきた。

「いや、ちょっとね…投資してるファンドが大きく下がってて、どうしたらいいかわからなくなっちゃって…」

「わかるよ。今、みんなパニックだもんね。売る人も多いみたいだし。でも、どうするかはしっかり考えないとね。」

かおるはその言葉に、少しだけ冷静さを取り戻そうとしたが、頭の中は混乱していた。

「どうしよう…私、本当にこのままでいいのかな？」

心の中に積み重なる不安を抱え、かおるはだいさく先生に相談することを決心した。応援している企業だからこそ、どうしても売ることに躊躇してしまう。しかし、このまま市場が混乱し続けたら、どうなってしまうのか…。

「次回予告：だいさく先生が、かおるに暴落時の感情と応援する企業とのつながりについて解説。暴落時の投資家心理とは？」