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6月10日は、ストⅡ記念日

先日6月10日は、スーパーファミコン版ストリートファイターⅡの発売日、今年で31周年でした。
毎年この時期にはそれを思い出してしまう格闘ゲーマーなのですが、まさか当時、30年経っても同じゲームをやっているとは思いませんでしたね。

スーパーファミコン版、という響きが甘美だった時代

スーファミといえば任天堂がファミコンの後継機として発売した16ビットのゲームハードですが、この頃はまだアーケードゲームとの性能差がかなりあり、ゲームセンターに行けば凄いゲームが遊べる、家のゲームは素朴なものという時代でした。ゲーセンの人気作が家庭用ゲーム機に移植される事はあったのですが、それは常に家庭用向けにアレンジされたものになっていたんですね。ステージやキャラが減ったり、代わりにオリジナルの要素が入っていたり、と。今はアーケードのゲームがそのまま…むしろそれ以上のものが家で遊べますが、その為にゲーセン文化が無くなってしまったんですよね。

アーケード版
スーパーファミコン版

再現度はかなり高いですが、並べると明確に違いますね。
しかし、この頃ゲーセンのゲームを家でやろうと思うと基板、コンパネ、ハーネスと揃える必要がありン十万の出費が必須でした。…まぁ今はゲーミングPCがそんな位置付けになっていますが。
なので、ゲーセンのゲームがスーファミで出る!というだけで皆が目を輝かせていたんですね。ある意味家庭用仕様にアレンジされることも楽しみの一つになっていた気がします。

発売前の懸念を吹き飛ばした完成度

ストⅡのアーケード版が登場したのが91年3月、スーファミ版の発売が告知されたのが10月~11月頃だったかと思います。当時のゲーム少年達は半年以上スーファミ版を待ち焦がれていた訳ですが、色々な噂、というか明確に「不安」が募っていたのを記憶しています。具体的には、家庭用向けアレンジによって「削られてしまう」ものへの懸念でした。

カプコンはスーファミ版ソフトの第一弾として「ファイナルファイト」を出していたのですが、オリジナルのアーケード版からキャラ、ステージがそれぞれ一つずつカットされており、それがストⅡでも…と思われていたんですね。ぶっちゃけると、ダルシムがいなくなる、対戦はできない、などの噂でした。

ですが、3月に画面写真含めた情報が出始め、開発者から「キャラ削除はなし、対戦も出来る」と明言されました。画面写真も遠目に見ると区別が付かないほどの再現度。「これがスーファミ版だ!」という見出しでデン、と写真を載せていた雑誌を覚えています。今は亡きファミマガだったと思います。

90年代半ばを席捲した、波動拳と昇龍拳


こうして6月10日に発売されたストⅡは当然の様に大ヒット、ゲーセンに続き家庭用でも格ゲーブームを巻き起こしました。スーファミのコントローラーでは操作感が大分違いましたが、ゲーセンで使えたテクニックがほとんど使えるという再現度、完成度はこの頃の移植作品の中でも群を抜いていました。結果として様々なメーカーから有象無象の「ストⅡもどき」なゲームが連発される状況になりました。

主人公キャラは飛び道具とアッパー系対空技を持ち、女性キャラはスピードタイプ、投げ技の得意な大柄キャラに奇妙な技を使う見た目も奇妙なキャラ、といった格ゲーのパターンは、ストⅡをなぞったゲーム群によって出来上がっていった気がします。
私も相当数やりましたが、面白いものから微妙なものまでピンキリでしたね。そのどれもがストⅡを越えてはいませんでした。

2023年、最新作の6をやりながら思うのは今も固有名詞として残る波動拳、昇龍拳は偉大だったなぁという事です。
で、これからもたまに懐かしみ、ストⅡもやるんだろうなぁって感じです。
当時、開発者インタビューでカプコンに在籍していた船水氏が語っていましたが、「囲碁や将棋のように、遊び道具の一つとしてストⅡが残ってくれたらいいなと思います」という言葉が、半ば実現したんだなと感じた、ストⅡ31周年の日でした。

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