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昇龍拳コマンドと、そのあるべき姿

昨日こんな動画が出ていました。

スマブラの桜井政博さんがストⅡの昇龍拳コマンドについて解説しているもので、スマブラのリュウにおける簡易版との複合実装の意図についても説明されています。

つくづく思うのは、コマンド入力というのは発明だったのだなという感慨です。結果としてプレイヤー格差を生み、紆余曲折を経て現在最新の6ではモダン操作との共存を図るに至っていますが、以前別の記事に書いたように主戦場が家庭用になりパッドのプレイヤーに適応した結果だと思っているので、コマンド入力が否定されているとは考えていません。

個人的な昇龍拳習得までの話

出せるようになったのは、ストⅡのセカンドバージョン、ダッシュの頃でした

まず、元祖たるスト1は後でプレイする事になったので、昇龍拳のあるゲーム初体験は初代ストⅡでした。桜井さんは1に比べると出しやすい、と仰っていますがそれでも難易度は高かった。初の格ゲー攻略本だったゲーメスト増刊号でも「出しにくいのが難点」と書かれています。
当時小学生だった私は昇龍拳どころか波動拳も出せず、必殺技がなくても通常技だけで強かったダルシムを使っていました。やがて溜め技は出せるな、と思いガイルにスイッチするのですが、使いたいと思いつつもリュウ、ケンには手を出せずにいました。

そして一年後、バージョンアップ版であるストⅡダッシュが登場しゲーセンは一気に対戦ブームになりました。初代の時はCPU戦メインで皆順番待ちしながらエンディングを目指すゲームでしたが、対人戦が主流に変わってどういう訳かいきなりレベルが上がった印象でした。
特に、前作から大幅に強化された(今ならバフと呼びますね)リュウ、ケンの人気は凄まじく、ケンなどはジャンプ大パンチ→アッパー昇龍拳の三段攻撃で相手を瞬殺してしまえる爽快感、見た目の格好良さがありいわゆる「道着対決」がそこら中で見られたものです。
まだゲーセンの中では年少者の部類だった私ですが、先日11歳のプレイヤーが大会でプロに勝ったことが話題になった様に「子供が大人に勝てる」のがゲームの世界です。自分より小さい子まで波動拳、昇龍拳をバンバン出しているのを見て「出せなきゃ格好悪い!」と練習したのを覚えています。
結果、まず波動拳を覚えて「前進しながら波動拳」、「前進の距離を少しずつ縮める」というステップで昇龍拳を習得していきました。不思議なもので、一度出せるようになるとジャブ昇龍拳、アッパー昇龍拳などもすぐ出来たんですね。「成功体験」が人を伸ばす、のを実感した初めての事例だったかもしれません(笑)。

「多様化」が生んだ脱線、勘違い

突然ですが、私は格闘ゲーマーながらギルティギア、ブレイブルーといったアーク系の「コンボゲー」はやりません。ゲームに取れる時間も限られているので複数のゲームが出来ないというのがありますが、単純にコンボゲーが嫌いだからです。KOFはギリギリ守備範囲内です…が、ストリートファイターの様にやり込んではいません。
ただプレイヤーとしての趣向、好みの問題で合わないというだけの話なのですが、ただ一つ、ギルティに物申したい要素として
「ロマンキャンセルという、必殺技を中断するシステムは覇道である」
ということです。

上の動画で桜井さんが言っているように、外した時のリスクも含めてよく出来ているのが昇龍拳という技であり、対戦における駆け引きが厚みを帯びていた訳です。
コンボゲーでは、連続技を伸ばすために必殺技の動作を途中で止めるシステムが導入され、制限があるにせよ「読み合い、駆け引き」を複雑にしています。もっと言うと、壊しています。それが面白いと思う人にとっては良いのでしょうが、対戦という「会話」の中で一方のターンが長くなりすぎる弊害しか感じない、のが個人的感想です。
↑のギルティのコンボもそれを用いたものですが、格好良いとも、爽快感があるとも思えません。空中でワチャワチャやっているだけで、終わった後の「まだ足りねぇか?」というボイスが薄ら寒く聞こえます。

ですがこれがトレンドとなっていたのが一昔前で、ストリートファイターもこのシステムをセービングキャンセルという形で取り入れ、リュウが昇龍拳を撃って中断、という折角の完成された動作を壊すシステムになっていました。結果的にはスト4のみで、5からは無くなったので開発側が「あれは脱線だった」と認識していると思っておきたいところです。

やはり昇龍拳は、諸刃の剣であればこそ輝く技なのです。

6では対空無敵?があるのか飛び込みに負けないのはいいですね


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