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楕円舎通信 #11


もうすぐ春ですね。


最近の出来事と、心が動いたことについて。
今回はすこし趣向を変えてお送りします。




ロビンソン

ラジオ番組内で、最近激推しのアーティスト Maika Loubtéさんがスピッツの『ロビンソン』をカバーしていた。
スピッツとSFって繋がるんだ!
ロビンソンからラピュタをイメージするなんて!
音楽で無重力を体感できるんだ!
Maikaさんの発想&アウトプットの素晴らしさ、好きなもの同士が掛け合わさることでそれぞれへのシナプスが繋がった興奮。
とにかく衝撃で、視聴可能期間中、何度も何度も繰り返し聴いた。

原曲へのリスペクトたっぷりに、けれど引っ張られたり縛られることもなく。ロビンソンがMaikaさんを通って出てくるとこうなるんだな、という本質を感じた。アレンジとかカバーとか、ひいては実写化とか、原作があるものを再構築するってこういうことなのだろう。
至極理想的なカバーだった。どうかまた公開してほしい。

音楽を聴くというのは、自分のペースを守ったままで誰かと繋がることができる手段。読書もまた然り。



明瞭であること

以前からひっそりとフォローしている作家さんが初めて個展を開催されるということで、これは行かなければ!とお邪魔してきた。
絵や文章、作字とあらゆる角度からテーマを明瞭に作品に落とし込んでいて、その純度の高さに心がひりひりした。好きと感じるものにはまっさきに青色(寒色)のイメージを受けることが多い。

先述のMaikaさんに対しても感じるが、"明瞭であること"が惹かれる理由の一つかもしれない。
帰り際にギャラリーのスタッフさんと少し感想を話せたことが嬉しく、また、すぐにうまく言葉にできなくてもどかしかった。誠実な作品には誠実な感想を伝えたいが故なのだけど。

白い鳩の置物

お気に入りのアンティークショップが出品しているイベントに行った。
能登半島地震の募金を受け付けており、その返礼として花瓶や木の豆皿などの雑貨の中からひとつ頂けるということで、陶器の白い鳩の置物を選んだ。
両手にちょうど収まるサイズ感。ひんやりとしていてマットな触り心地。かろやかな印象を与えながらしっかりとした重みがある。
確かさ、静謐さ、安心感、あたたかみ…この置物から私の好きの因数分解をしていけそう。
ちなみにただの置き物ではなく鳩笛で、吹いてみるとポーという丸みを帯びた音がした。どちらかといえばフクロウっぽい気がする。

町中華

出先でたまたま通りがかり、いいお店アンテナが反応したので入ってみた。
ビールと餃子と炒飯を頼んだ。特に炒飯が好みの味付けだった。超好みだったのでお会計でお店の方に「すごく美味しかったです!!」と伝えた。
こういう出会いは無条件に嬉しいし、これだけで生きていけると思うもの。ラーメンとカレーも食べたいので、また近々お邪魔するつもり。

我ながら、心が動いた時の行動力は頼もしい。


夜道を歩く

ずっと気になっていたバーに今日こそ入るぞ!と意気込んで開店時間に向かったら、やっていなかった。こういう時「今日はタイミングじゃなかったんだな〜」とすぐに切り替えられるところは長所だと思う。
せっかくなので一駅分だけ歩いて帰ろうと思ったら、調子づいて8駅分歩いてしまった。さすがに膝がびっくりしてたのでほどほどにしようと反省したが、大自然に行かなくても街中を散歩するだけで自由になれることに気づけて嬉しかった。

HIMAWARI

ヘアトリートメント。あるとないとじゃ大違い。


本棚を整理する

本が増えてくると時折、本棚の整理をする。
一度ぜんぶ引っ張り出して配置を変えていくのだが、引っ張り出した本の中から数年前に行った美術展の図録をなんとなくぱらぱらと開いてみたら、びっくりするほど新鮮にときめいた。
(そこから他にも小説やら詩集やら映画のパンフレットやら読み出して、作業は見事に一時中断した)

本屋まで出向かなくても、うちには既にときめく本がたくさんあるじゃないか。自分で買って、自分で本棚に並べて、この本がそこにあることは知っているはずなのにすっかり忘れていた。

この一見小さな気づきは私にとっては大きく、かつ汎用性が高かったので、
「新しい服や化粧品を買わなくても、今持ってるものでじゅうぶん素敵になれるんじゃないか?」
「ひょっとして私自身も、『あの人みたいになりたい』とよその芝生の青さに焦がれるけど、実はもうすでに青々とした芝生を持っているんじゃないのか?」
と悟りめいたところまで辿り着いてしまった。

スマホを開くだけで情報が洪水のように流れ込んでくる現代社会では、勝手に心の本棚に本が増えていく。それで大事にしたいものが奥の方へ埋もれているのかもしれない。
本屋で新しい本を探すことも好きだし、よりよくなろうとすることだって大事だけど、今持っているものを大事にすることはそれと同じくらい大事だった。
休みの日は予定がなくても外をふらつきたくなる性分だけど、もう少し家にあるもので楽しめる方法も考えてみようか。子供の頃はほしいおもちゃが手に入らなければ紙で作っていたし、そんなふうにしてもっと自分で自分を満たせるはず。(何かを作るエネルギーってそういうところから生まれてくるかもしれない)

すでにあるものにもっと目を向けてみよう。




というわけで、いよいよ本が本棚に収まりきらなくてマジで困ってます。
世の本好きひとり暮らしさん達、もしよかったら本棚覗かせてくれませんか?

それでは、この辺で。またね。

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