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クラシック音楽は「見るな!」「聴くな!」「理解するな!」

\\ 「「クラシック音楽の敷居は決して高くない!!」」 //

世界的に有名な指揮者であるグスターボ・ドゥダメルは、このコロナ禍とマッチした、クラシックの新たな可能性を引き出す活動を開始しました。

バーチャルリアリティー(VR)を使い、オーケストラの団員の一人であるかのように、クラシック音楽の世界を体験できる取り組み「シンフォニー・プロジェクト(Symphony Project)」がこのほど、スペイン・バルセロナ(Barcelona)で始動した。

VRを活用した、クラシックのリアルな音楽体験を可能にするのが、このシンフォニープロジェクト。

この活動で、いったい何が「可能」になるのか、考えてみた。

まず、コロナ禍での「クラシック音楽の体験の減少」を減らすことができる。これは、クラシックファンにとって素晴らしいことですね。

また、VRという最新技術を用いて非現実的な音楽体験が可能になること。アマ奏者としても、とても気になる仕様です。絶対に楽しくないわけがない!

もう1つ、このシンフォニープロジェクトは「いずれ世界を旅するだろう!」ということ。クラシック音楽や、そもそも音楽に親しむことができないような地域の人々に、貴重な体験を与えることができますよね!もちろん、日本にも来てほしい。

今は「スペイン」と「ポルトガル」のみですが、世界に向けて、どんどん発展していってほしい企画です。

素晴らしい企画ですが、ここで1つ疑問に思ったことがあります。

それは「そもそも、どうやってクラシックに興味をもってもらえるのか。」という点です。

新規性のあるプロジェクトですから、もちろん多くの「クラシック初心者」が興味を持ち、クラシック人口の増加に寄与すると思います。

しかしながら、ほとんどの人はこのように思って、敬遠してしまうのではないでしょうか。

「VRでおもしろそうだけど、堅苦しそうだなぁ。」
「俺はクラシックは眠たくなるんだ。家で寝てたほうがましだ。」

こう思われてしまって、シンフォニープロジェクトの貴重な体験を逃してしまっては、元も子もありません!

『クラシック音楽=「堅苦しい」「退屈」「眠たくなる」』このイメージからの脱却で、シンフォニープロジェクトの価値最大化が可能になると確信しています。

では、どのようにクラシック音楽に向かい合えばいいのか。

そもそも、向かい合う必要はありません。

クラシック音楽は「見るな!」「聴くな!」「理解するな!」、そして最後に「妄想しろ!」これにつきます。

「見るな!」

「見るな!」とは、実際に本当に「見ない」ことです。

視覚から受け取る情報は、とても大きいです。コンサートで実際に奏者の動きを見ることも楽しみの一つですが、大きく変化がないのも事実です。ただだらだら見てしまっても、そりゃ眠たくなります。

眠たくなっちゃうんだし、それならもう、「見なければいいのではないか!?」ということなのです。

「目を瞑る」、そうしながら聴いてみる体験をおススメします。

「聴くな!」

これは実際に「聴かない」ということではありません。

「この音楽を聴くぞ!」と思って聴いたとして、あなたは2時間もコンサートに全集中することができますか?僕はできないと思います。クラシック音楽を楽しむためには「聴く」ことが大事ですが、集中できない方法で聞いても、本末転倒です。

であれば、「不真面目に聴いてみる」のはいかがでしょうか。

音楽なんて所詮、「音」の集まりでしかありません。真面目に聞かなくていいんです。

聴くのではなく「癒される~」「きれい~」と、思うだけで、十分に作曲者への敬意を示すことができるのですから!

「理解するな!」

よくこういうクラシック通の方がいらっしゃいます。

「コンサートの前には、必ずプログラムされている曲の予習と背景の理解をしようね?そうしたらコンサートで何倍も楽しむことができるよ。ちなみにこの曲はうんぬんかんぬん…」

否定はしません。作曲や作曲者の背景を知ることで、これから聴く曲の魅力やすばらしさの体験は、何百倍にもなることを私は知っています。

しかし、今はそんなアプローチはいりません。なんせ、今の私はクラシックを聴いたことのない「初心者」なのです。最初からそんなことを言われたら、「面倒そう」と思われるに決まっています。

音楽は自由であるべきです。ならば、曲を聴く本人に理解をゆだねるべきです。そして、最終的には「理解するな!」と声を大にして言います!

「妄想しろ!」

「理解するな!」とにかくお前の世界で完結するような「妄想をしろ!」

「妄想」は人類に与えられた至高の体験であり、ツールなのです。

妄想の内容は何でもいいです。例えば、ベートーヴェンの交響曲第7番の1楽章を聴いているとき、私はこのように妄想します。

「たくさんの人が楽しく踊っているなぁ!」
「海の底から飛び出してきたトビウオが見えてきた!」
「スキップが下手な人がいる!気を付けろよ!」

どうでしょうか。

そんな妄想できない。そんな風に思って聴くのは無理だ。そう思うかもしれませんね。

そう思うのなら、すべてを捨てて、「見るな!」「聴くな!」「理解するな!」を実践してみてください。絶対に、何か見えてきますよ。

そして、ベト7を聴いたことのないようなクラシック初心者の方に対して、「本当にうらやましい!!!」そう、心の底から思います。

だって、初めて聞いて心の底から何かを思う体験は、1度きりしかないのですから!うらやましくて仕方がありません!そんな人たちを縛り付けるような概念など必要ありません!

近ごろ、音楽に「不自由さ」を感じるなぁという方は、ジョン・ケージの曲を聞いてみることをお勧めします。

シンフォニープロジェクト

言葉も通じない人々だけど、これから始めてクラシック体験をする人に言いたい。「見るな!」「聴くな!」「理解するな!」そして「妄想しろ!」。

このような考え方はきっと、いい意味でクラシックの敷居を低くしてくれます。そうしたら、このプロジェクトに参加してみたい!と思う人も、増えるのではないでしょうか。

そして、最大限にまでクラシックの魅力を無意識に体験できるこのプロジェクトは、多くの人を「人類至高のアート」へと誘い、クラシックが大好き!という人が増えるきっかけになるに違いありません。

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