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父になるようです その14

30週を迎えた。

前回から一週間は経ったが、週数は変わらない。なぜか?

なんと、週数の計算違いが判明。。
まるまる1週分多く数えていたらしい。これ誰のせい?最初に母子手帳書き込んだのって
多分クリニックの先生だろうか?ほんとにあの先生、誘発剤注射のタイミングといい数間違いといい
うちの家族をどんだけ引っ掻き回せば。。とまぁむやみに人を責めても仕方が無い。
とりあえず、今ある事実を受け入れるしかない

当初の帝王切開の予定も1週ズレて、9/18~25辺りに延期。
入院も予定から1週延びる。すこし落ち込む奥さん。まぁ仕方ない。
どちらにしろ、そろそろキツいと思ってたのは変わらない。入院のタイミングは間違ってない。
一つ良いことと言えば、もともとエコー検査で週数の割に小さく出ていた体重が1週遅れたことで
「標準」のカテゴリに入った。計算が合ったのだ。これは一安心である。
ひとまず普通、というのがこんなに安心する事だとは。普通っていい。
凡人すばらしい。すがすがしい気分。

奥さんの入院生活。

夫からすると、久しぶりの独身生活。

日に日に部屋がゴミっぽくなっていく。明らかに独身当時より低下した自活力。
ここのところ仕事も立て込んでいて、ちょっとしたトラブルもあったりして
ため息をつきながら自宅のドアを開けると当然誰もいない。
なんだか部屋の風景にちびまる子ちゃんのような
タテ線がたくさん見えるようで、これまた精神衛生上良くない感じ。
何とか気を奮い立たせて、奥さんの衣類の洗濯にかかる。一通り終えるとなんだか息が切れた。
なんて残念な夫だ。でもひとまずここから始めよう。これに慣れてきたら掃除もやろう。

1日~2日おきに洗濯物を届けに病院へ。
大学病院の建物がちょうど改修工事をしていて、入院初日から2~3日は
工事中のシートに囲まれたなんだか迷路のような通路をうろうろ彷徨って病室まで行っていたけれど
その工事が終わると駐車場からの直通路も出来たりして、売店などに寄り道しながら
なかば街ブラ気分で面会に向かっていた。奥さんの病室も通うにつれて慣れていき、もはや自宅のよう。
奥さんのベッドに足を引っかけてくつろぐ。たまにノックされて慌てて座り直す。
食事も家より病院で奥さんと食べた方が、なんだか落ち着く。

奥さんの病院食は、さぞかしヘルシーな減塩食かと思いきや
毎日1800kcalをしっかり摂取する通常メニューで、むしろ自宅の飯より多い気がする。
ベッド上の生活でこの量はなんだか食い過ぎな気もするけど。。。そういえば
昔、治験のアルバイトなんかで入院した時も食事がやたら多くてだいぶ太ったっけ。食べきれないと奥さんは言う。
残せ残せ、と奥さんに言う。

三つ子は順調に大きくなっているようで、日に日にエコーの写りが悪くなっていく。
体勢もなんだかおかしい。胎内で渋滞が始まっている様子。
あまりに顔が見えづらいので、エコー写真に興味が薄れてきた。
31週にて、3人ともだいたい1500gあたり。なんだか記録もざっくりとしてきた。
3人とも相変わらず良く動く。下に居る男の子が奥さんの肛門辺りをよく蹴り上げるらしい。やめてあげて。
あとの2人もちょいちょい体勢を変えたいらしく、時折お腹がとんでもない形に変わる。
お腹に手を当てると、誰かの手のような感触、頭のような感触、、、少しすると落ち着く。
耳を当てると、かすかな心音と、たまにイルカの鳴き声のような音が聴こえる。
声!?と一瞬心が踊るが、そんなはずはない。臍帯の音らしい。

入院も1週間を過ぎて、
子供たちの元気とは裏腹に、奥さんの容体に少し異変が出始めた。
足はいよいよサリーちゃんどころでは無くなってきて、お腹や腕などにも少し浮腫がでている。
手や足にアレルギー反応が出始めた。夜中についつい掻いてしまうらしく、全身ジンマシンのような見た目に。
少し貧血が出ていたため飲んでいた鉄剤が原因かと思ったが違うらしい。

そういえば、三つ子達は血液型が全員母親とは違う。詳細は分かっていないけど、違う事は確実。
奥さんはAB型(+)自分はO型(たぶん+)なので、生まれる子供はA(AO)型かB(BO)型しかあり得ないのだ。
我が家は2代通じて、血液型を全種類フォローする可能性が出てきた。(うちの実家:父A 母B 兄AB 自分O)
主治医に、奥さんのアレルギーはどうやら血液型のミスマッチが原因ではないか?と言われて納得。
憶測だけど、まぁそういうことだろう。

血圧が140を超える事が多くなってきた。さらに蛋白尿も出ている。
軽度の妊娠高血圧腎症と診断される。いわゆる中毒症。
150cmそこそこの体に、2kg近い胎児が3人ひしめき合っているのだ。
もはやリンパの流れもへったくれもない状態。当然の症状である。
母体がもうあと1~2週持つかどうか、というところらしい。
入院当初のあの気楽な感じはどこへ行った?一気に事態は緊迫し始めた。
31週。このまま行くと32~3週には外に出すことになる。早い。思ったより少し早い。
この「少し」がとてつもなく不安を誘う。そもそも早い予定なのにさらに、だ。
医師から説明を受ける。このまま行くと子癇発作、腎不全。。。おいおいおいおい。
飽くまで最悪の場合、の話をひたすら聞かされる。最初に全部覚悟させられるのだ。
ひとまず来週まで様子をみよう、と医師。

ちょっと思考停止気味。

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父親目線で綴った三つ子の育児日記です。 奥さんの妊娠から出産〜退院までをまとめています。

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