父になるようです その15
32週も目前。
8/26(月)
出産後に移動するGCU、NICUの見学へ。
看護師さんが奥さんを車いすに乗せて、そのあとをついていく。
奥さんの血圧が芳しくないので(~148)「ちょっとだけ見て帰りましょう」と看護師さん。
今いるMFICUから、そう離れていない位置の新生児の病棟へ。MFICUに比べて少し暗い雰囲気。
入口前に面会時間が書いてある。
MFICUはだいたい14:00~20:00程度だけれど、GCU NICUはほぼ24時間態勢。少し息を呑んだ。
先にNICUを見せてもらう。見学室のようなところに通されると、ガラス越しにたくさんの保育器。
想像したほどの緊迫感は無い。よくテレビなどで紹介されていたような帽子やマスク・エプロンのような厳重な装備もそれほど見られない。
スタッフの人たちはそれなりの格好をしているけれど、母親らしき人たちは私服にマスクくらいの軽装。
近くに見える赤ちゃんもそれほど未熟な感じはなく、見た目だいたい2000g弱
正直、少し拍子抜けした。しばらくぽかーんとガラス越しに眺める。
しかし、奥の方へ行くにつれて徐々に薄暗くなっている。そこにいる赤ちゃんはあまり姿が見えない。
奥の方には低出生体重児や、重症新生児がいるらしい。薄暗いのは胎内の環境に近づける為らしい。
説明をしてくれる看護師さんの口調はとても落ち着いていて、中の壮絶な状況をまるで感じさせない。
この人だけでなく、病院内の他の医者や看護師さんも基本的にそういう柔和な面持ちで接してくれる。
あまり患者に緊迫感を持たせないためだと思うが、そういうところはほんとに医療従事者には頭が下がる。
すぐ隣で命の行き来が行われているというのにこの落ち着き。逆に少し怖いくらい。
小さな体に管を何本も繋がれている赤ちゃんの姿は見るに堪えない。奥さんの目にうっすら涙が見える。
十中八九、三つ子達はここでしばらく過ごすことになる。やはり、少し罪悪感に苛まれた。
なんだか、頭がクラクラしてきた。
突然、見学室の電気が消えた。
看護師さんが慌ててつけ直す。どうやらタイマー式らしい。
ひとしきり考えを巡らせていたのはおそらく数秒程度で、まだ先ほどの説明が続いている。
奥さんはやはり不安そうな顔。
「大丈夫だろ~」とかる~く言ってみた。もう「大丈夫」にするしかない。
こいつらの受け皿は俺らしかいないんだから。
GCUへ移動。
先ほどのNICUに比べると段違いに明るい雰囲気。
薄暗くする必要も無いので窓もあり、カーテンは開いていてしっかりと日が射している
なんだか、一つの大きな壁を超えた開放感のようなものを感じる。
手前に見える、おそらく双子のうち1人はベッドからも抜けて
何やらベビーシートのようなものにふんぞり返ってうたた寝している。オヤジ臭い。奥さんもウケている。
目の前の景色が、ものすごく遠く感じた。うちの子達がここに来れるのはいつだろう?
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父親目線で綴った三つ子の育児日記です。 奥さんの妊娠から出産〜退院までをまとめています。
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