父になるようです その16
8/27(火)
定期検診の日。
先週からの妊娠高血圧腎症の症状(高血圧/尿蛋白)はやっぱりどんどん進んでいて
血圧は140over 蛋白は2000mgを超えた様子。もう限界である。明後日の帝王切開が決まった。
「明後日、出しましょう」医師の言葉にビクッとした。
電流。そういえば妊娠判明の時も、電流。
電流の正体は、自らの動揺。
体に力が入る。目を見開いて「はぁいっ」と一言。背筋が伸びる。
一通りの説明。「もう、お任せします。よろしくお願いします。」他に何が言えようか。
手術の同意書は3枚ほど。帝王切開、輸血及び止血処置、子宮全摘。
起こりうる最悪のケースに対して、前もって同意しておく。
土壇場で処置の可否をいちいち確かめている暇がないからである。
一度だけ目を通して、筆圧高めの署名を書き入れる。
もういちいち悩んでいる場合ではない。
三つ子は現在1500~1700g。もう1~2週は中で育てたかったけれど、もう母体が限界なのだ。
肺が整い始めている途中の時期なので、呼吸器をつけることになる。
皮下脂肪の生成もこれからなので、おそらくガリガリの状態。
普通の新生児は3000g前後。感覚がおかしくなってくる。
1000g切って生まれる子もいるらしい。それでもかなりの確率で助けられるのだ、と。
限りなく子宮内に近い環境を、NICUで作る事が出来るのだ、という。
お前ら、ほんと申し訳ないけれど、頑張ってくれ。今の医療は思ったより凄いらしいぞ。
予定が早まっているのに、なんだかホッとした。奥さんも同じようだ。
やはりここ数日は本当にキツかった様子。これで浮腫からも、重みからも解放される。
こちらからも見ていて辛かった。なんだか目の前が少し開けた感じがした。
しかし動揺は隠せない。母の動揺を察知したようで、三つ子達もソワソワ動く。いつもより動く。
お腹が張る。こいつらはやはり元気だ。ちょっと今は大人しくしててくれ。。
今週は仕事がちょうど空いているので、しっかり立ち会い出来る。
まぁ帝王切開なので待っているだけだけど。。。
これが来週にズレていたら、仕事先でずっとソワソワしていないといけなかった。
三つ子達が空気を読んでくれたのだろうか。
明後日、決戦。
(父は見てるだけ。。)
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父親目線で綴った三つ子の育児日記です。 奥さんの妊娠から出産〜退院までをまとめています。
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