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【感想】自分を三井寿だと思いこんでる男たち

※若干映画の内容に触れてるほか、山王戦の試合結果のネタバレを含みます。

 漫画「SLAM DUNK」連載終了から26年、2022年12月3日に、映画「THE FIRST SLAM DANK」が公開されました。
 かなりいまさら感のある話題ですが、まだやってる映画館が多いみたいなので。まだ観てないけどいつか観る予定って人は映画館で観た方がいいですよ。

 なぜならデカい画面いい音響の方がいいものを観たと思う確率が高い作品だと思うから。

 上映前はTwitterでネガキャンされてるイメージがあったんですが、実際の出来はスッゲーよかったということを最初に言っておきます。
 正直、声優交代に関しては「みんなそんなに昔のアニメに思い入れが……?」と戸惑うレベルでした。僕はほとんど覚えてない……でもなぜかゴリがテーピングをするシーンだけはっきりと覚えてる。
 けれど、実際に映画を見て腑に落ちました。みんなの憤りが、ひとえに「どうして三井寿の新声優が自分じゃないんだ」という落胆ゆえのものだったことに気づいたからです。

 みなさんも、仲間内で三井寿のセリフを披露しあうたびに「俺が一番上手いな」とほくそえみ、もしミッチーの声優が変わるなら、おそらく次は「自分になるだろうな」と思ってきたわけじゃないですか。
 野球未経験だけど、ドラフト会議の度にワンチャン名前が呼ばれるんじゃないかというソワソワしているのに似ている。ようで違う。
 遊びじゃない。僕たちの「おう、オレは三井」は本気の「オレは三井」だったわけですよ。

 そういう人が日本に3万人くらいいると思われます。
 しかし悲しいかな、全国の映画館で渾身の三井寿を披露できるのはただ1人。

 仕事中イノタケからオファーの電話がオフィスに掛ってきて、「オレの名前を言ってみろ……オレは誰なんだよ」とつぶやきながら席を立つ、「おい、どこにいくんだ。午後から商談だぞ」と制止する上司を押しやり、ネクタイを外しながら「おう、オレは三井、あきらめの悪い男……」と言って颯爽と会社を出ると「世界が終るまでは」のイントロが流れる……はずだったのに、そのポジションに一番ふさわしいのは自分だと信じていたのに、結果は置鮎と笠間に次ぐ3番手に過ぎなかった。

 その心中、お察しします。

 そんなお前のしょうもない妄想は置いておいて、「THE FIRST SLAM DANK」、今さら僕がオススメするまでもありませんがオススメです。

 皆さんも是非劇場に足を運び、試合中につまむにはあまりにも重すぎる宮城リョータの過去に震えてください。そして改めて三井寿のケンカの弱さに笑ってください。動きが全部ワンテンポ遅い。スポーツやっててタッパもあってあんなに弱いのむしろ才能では?
 そして、選ばれた「日本一の三井寿」男はアニメで聞けなかった「オレは三井」が言えたのか? それは貴方自身の目で確かめよう!

 激闘の末、王者・山王工業を破った湘北高校、続くインターハイ3回戦が描かれるであろう「THE SECOND SLAM DANK」も今から楽しみですね。


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