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エッセイ③

不眠

眠れないとどうなるのか…汐留に着いた自分がまずしたのは、警備員との戦い。
ベンチで横になって昼間に寝るのは悪いとわかっているけど、誰もいない所や座ったまま寝るのは何が悪いのかがわからないね。
のぞき込む様に確認して起こす。
「寝ないで下さい!」
 言い方も態度もデカくて悪いんだよ。
寝れずにイラついている事もあって、条件反射的にブチ切れる。
何度もやられるからね。
雨を妨げて寝れる場所を捜し歩いて疲れ果て、「休める場所」に腰掛けるんだから、寝るなって言う方に無理がある。休憩する所でだよ。横になっているならともかく“休む”場所で寝て(休んで)、何が悪い。
特にムカつくのが「人を見る」という事。
同じ場所でウチらより長く寝ているサラリーマン。眠りたいのをコラえて書き物をしているコッチが「長く居るな」と追い出されているのに、横で爆睡している酔っ払ったサラリーマン。彼らが起こされ、追い出されるのを見た事がない!
交通誘導やってたからね。警備員を悪く言いたくはないんだけどね。施設警備員は、自分が警察官にでもなった気でいるんだろうね。口調と態度に、あからさまに馬鹿にしてるのが出るから。
言っとくけど、おまわりさんに嫌な思いをした事は、俺は一回も無いからね。おまわりさんは、ちゃんと人間扱いしてくれます!何か事件を起こさなければ、おまわりさんは優しいですよ。腹の中まではわからないけど(笑)ちゃんと胸にしまって、態度に出しません。警察官気取りの警備員には、するならそこまでやれよと言いたいね。
だから、汐留カレッタと日テレの警備員は嫌いです。
苦労して辿り着いた眠れる場所は、ビルとビルのテラスをつなぐおしゃれな歩道橋の様な歩道。日テレの大時計の近くにガード下があって、風がなければ雨を防げる所。
ただ、ココは、横になるとおまわりさんがすぐに飛んで来る。三度目にはさすがに申し訳なくなって聞いたら、「横になってたら直ぐ来るよ。横になってたらね。」と優しく言ってくれたので、安愚楽をかいて後ろに寄り掛かって寝るようになった。本当に、この後、おまわりさんが来たことは一度も無い!ただ…腰を完全にヤッちゃいました(泣)
元々、ぎっくり腰を5回やっている持病の腰じゃもたないよね(笑)。
傘2本を杖にして、パソコン、DVDプレイヤー等全ての入ったデカいバッグを肩から下げて、ヨタヨタと歩いてた。
この荷物が、路上生活の3番目の困難。とにかく、トイレに行くのにも全てを持って行かなきゃならない。実際に、自分は荷物置いてトイレに行っている間に、バッグが消えていたからね。保険証、住民票、ハンコ、通帳、金以外の全てが入っていたのに…。思ったのは、「あ~~~メシ~~~」100円のチョコチップスティック…「もう、アレ持たなくていいんだ」だから(笑)。」
寝れる場所があっても、眠れるとは限らない。あるでしょ、眠いのに寝れないっていう事。疲れは目一杯なのに、寝ようとすると眠れない。寝ても、5分10分で起きてしまう。寝てはいけない所では、スッと落ちて、起こされる。自分は便器に腰掛けた瞬間に落ちたことが…(笑)。
自分としては、便器に座ったばかりなのに、外のガキ…お子様が「ずっと開かないよ」と騒いでいらっしゃる。ザワつき具合から「なんかヤバイ」と、早々と個室を出ました。ガキ…お子様は、コチラを見て御だまりになられましたけど…トイレを出て外の時計を見たら2時間経ってた…。騒ぐの当然です(笑)。
(③おわり)

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