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【ダブドリ×JUBF 連動企画 インカレ2023インタビューvol.7】 札幌大学 秋田経由札大の系譜&小原HCインカレの思い出


12月2日、今年も大学日本一を懸けた戦いが始まる。

インカレの愛称で親しまれてきた本大会も75回目を迎え、本連盟((一財)全日本大学バスケットボール連盟)は、大会ロゴのリニューアルを始めとする様々な取り組みを推進。その一環としてバスケ雑誌『ダブドリ』とコラボさせていただき、これまで知られてこなかった新たな側面から、大学バスケの魅力を発信していく。

選手も、チームスタッフも、運営スタッフも。みんな、大学生。それぞれの想いで駆け抜けた4年間の全てを懸けて、大学生が創り出す、忘れられない戦いを、皆さんにお届けします。((一財)全日本大学バスケットボール連盟一同)

 学生達の熱い思いに触れ、ダブドリはインカレ2023の新しいチャレンジをご協力させていただくことになりました。今回は、私の地元である北海道の札幌大学をピックアップ。佐藤楽紅選手に秋田経由札大の流れ、そこにある思いを。そして佐賀バルーナーズ宮永HCと高校同期で札大HCの小原さんにインカレの時の思い出を伺いました。ぜひ最後までお読みいただき、大学バスケの魅力が少しでも多くの方に届けば嬉しいです。(ダブドリ編集長 宮本將廣)

北海道3位 札幌大学

#24 佐藤 楽紅 SG 4年(秋田明桜出身) ショートインタビュー

宮本 秋田から(秋田明桜出身)札幌大学(以下札大)というのは、能代工業の志水一希さん(東海第四中学校から能代工業)や中村正也さんを個人的には思い出します。佐藤選手が札大を選んだ理由はなんだったんですか?
佐藤 高校の時の女子バスケ部の監督さんが内海さん(内海知秀/日立ハイテククーガーズHC 元札幌大学HC)と知り合いで、「行ってみたら?」というお話をいただいたのでお願いさせていただきました。
宮本 じゃあ大学でも続けたい、インカレに出たいというところが強かった?
佐藤 そうですね。
宮本 秋田はバスケがすごく盛んで、熱量が高い地域ですよね。強い思いを持って札大にきたのかなと今日のプレーを見て感じました。何か意識していたことはあったんですか?
佐藤 ゲームメイクはかなり意識していました。去年までは1番で、今年からは2番を任されることが増えて、どうやってチームを引っ張っていくのか。自分はあまり言葉で引っ張ることがうまくないので、ディフェンスをハードにやったり、アタックからキックアウトしたり、プレーで示していくことを意識していました。
宮本 今日の試合についてお話を聞いていきたいと思います。九州産業大学とは、どのあたりに差を感じましたか?
佐藤 やっぱりフィジカルが強かったです。個人的に、北海道はフィジカルよりもスキルが高い印象を持っています。でも、全国大会になればフィジカルは当たり前に必要になってくることを強く感じました。ディフェンスのインテンシティが高いのでドライブが膨らんでしまったり、身体を当てるタイミングが遅かったり……。単純に圧に負けてしまった。自分からタフショットに持って行ってしまうことが多かったので、しっかりと身体を当てて、より良いシュートを打ったり、ディフェンスを剥がせるようにしないといけないなと感じました。

宮本 秋田でプレーをしていた時は、全国大会には出場することができなかったと思います。札大に進学して2年連続インカレに出場して得たもの、やってきて良かったところはなんですか?
佐藤 去年のインカレに出場できたことが、自分にとって大きな自信になりました。北海道のリーグ戦を戦う時も、「全国はこの感じじゃない」という意識持って取り組むことができて、逃げることなくプレーができたことは良かったと思います。ただやっぱり、1年ぶりにこうやって全国の舞台で戦うとその感覚を忘れてしまっているんだなと思いました。反省の方が大きいですね。
宮本 そういう意味では、これまでチームを引っ張ってきたと思うし、今日の試合もその気持ちはすごく感じました。後輩達にはこの経験を通じて、どんなチームを作っていってほしいですか?
佐藤 身長が大きくないので、ディフェンスから速い展開をベースに走って当たり負けのしないチームになってほしいと思います。あとは全員でコミュニケーションをとって、今回のことを忘れずにステップアップしてほしいなと思います。
宮本 地元の秋田を離れて、バスケをするために札幌に来ました。4年間はどうでしたか?
佐藤 1、2年生の頃はコロナもあってあまり部活ができなくて……。「こっちに来た意味が……」って思ったこともありました。そこから3、4年生でインカレに出ることができたので、結果的にはすごく良かったと感じています。

札幌大学 小原和峰HC ショートインタビュー

宮本 やっぱり九州2位の九州産業大学はフィジカルの強さ、身体も一回り大きかったですね。
小原 そうですね。向こうがフィジカルにくることはわかっていたので、それに対して引いちゃったらやられちゃうよっていう話はしていたんですけど、出鼻をくじかれた感じがありました。短時間でフィジカルを強くできるわけでもないし、北海道にはないフィジカルレベルでもあるので、意識していくこと、慣れていくことが必要だなと思いました。
宮本 最初の入りで大きなリードを奪われましたが、得点差以上の実力差と感じませんでした。おっしゃる通り、フィジカルに慣れるまでに時間がかかってしまった。その課題はどう克服していくものなんでしょうか?
小原 正直難しいところですね(笑)。この経験をしないと、そもそもトレーニングをするというところに意識が向かないと思います。さっきのミーティングでも話したんですが、昨年もインカレに出場することができて、今年も出させていただいたけど、どうしても忘れてしまう。「この経験を絶対に忘れちゃいけないよ」っていうことは強く伝えました。今は選手も、「トレーニングを頑張ろう」っていう話をしていましたけど、それをいかに習慣化するのかが課題ですよね。
宮本 点差が離れた4Qは、下級生を出していきながら、最後に4年生で繋いでいきました。あそこの狙いは、この強度をしっかりと刻み込むと?
小原 そうですね。インカレは試合に出てナンボという部分もあると考えているので、体験させたいという思いがすごくありました。下級生も試合に出して、来年のチームがどうなっていくのか。短い時間ではありましたけど、最後は頑張った4年生にやってもらうっていうことで、あのような流れになりました。
宮本 来年に向けて、どんなステップアップをしていきたいですか?
小原 まずはフィジカルですね。このフィジカルの中でシュート精度を上げていかないと全国では勝てない。練習からフィジカルバスケットを意識していきたいと思っています。

宮本 話が変わりますが、インカレさんと連動でいろんなインタビュー企画をやらせていただいておりまして、このインタビューの最初がたまたま宮永さんにインタビューをさせていただきまして(笑)。
小原 ハハハ。そうなんですね!(小原HCは佐賀バルーナーズ宮永HCと高校の同期)

宮本 宮永さんにインカレの思い出を伺ったんですが、小原さんは東海第四で宮永さん、柏木さん(柏木真介/シーホース三河)と一緒にインハイで全国準優勝をしました。そこから小原さんは札大に進学されて、インカレにも出場されましたが、当時の思い出とかはありますか?
小原 当時ですか(笑)? 自分は4年間インカレに出場させてもらったんですけど、レベルの高い選手と戦える環境がインカレだったので、本当に楽しかったですね。ただ勝てるかっていうと、関東や関西との対戦になると難しかった。でも、「やってやろう!」っていう気持ちでこの大会に臨んでいましたね。
宮本 そういう意味では、現行のフォーマットはよりそういう気持ちを汲み取りやすい形になりましたよね。グループステージを突破しよう、1勝しようっていうのがより現実的というか。
小原 そうですね。目の前に目標ができたことは非常にいいことだと思います。
宮本 ちなみに宮永さんもよくフィジカルの話をしているんですけど、インハイも含めて、フィジカルでも負ける気はしなかったっていうお話を聞いたことがあります。
小原 あの頃は本当に練習からバチバチにやっていたので、全国でもフィジカルで苦労した記憶はないですね。
宮本 高校の話になっちゃいますけど、札幌カップとかもあったじゃないですか? そういう道外のチームを呼べていたことも大きかったんですかね?
小原 そうですね。道外のチームと戦う機会は今よりも多かったかもしれないです。今の札大の選手はここまでのカテゴリーで全国を経験した選手が非常に少ないので、まだまだ積み上げないといけないところがたくさんあると思います。それを伝えるのがコーチとして未熟だなと感じています。強くなってまた来年、ここに戻ってきたいと思います。

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