見出し画像

エンドラインからの景色 vol.42 B.LEAGUE 第8節 千葉ジェッツふなばしvs佐賀バルーナーズ GAME2

 エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.42では、11月12日に行われたB.LEAGUE 第8節 千葉ジェッツふなばし vs 佐賀バルーナーズのGAME2をピックアップ。最後に両チームのヘッドコーチ、選手の会見を掲載。(写真・文 = 宮本將廣)

佐賀バルーナーズ 宮永HC会見

宮本 昨日のゲームがむしろ予想外というか。あのような展開のなるとは正直僕は思わなかったのですが、昨日と今日のゲームに向けて準備してきたことがあって、GAME1に大勝したがゆえに、メンタル的にアプローチが難しいのではないかなと感じました。何かアプローチを変えたりはしたんでしょうか?
宮永 特に意識したり、変えたことはないですね。クオリティ勝負になると思ってはいました。今日も千葉さんのトランジション、セカンドチャンスのところがキーになってくることは変わらない。あとはどうやって富樫選手を止めるかというところでした。今日は少し走られたり、セカンドチャンスを与えてしまったケースが多くて、千葉さんの精度が昨日よりも素晴らしかった。あとはうちのオフェンスの精度ですね。向こうの圧力に対して、うちの精度が少し落ちてしまったなと感じています。
宮本 昨日の前半は富樫選手を孤立させることに成功して、表現が正しいかわかりませんが、4対4のような状態がうまく作り出せたと感じました。今日は逆に序盤、色んなところからアタックをされて、富樫選手にもチャンスを作られるシーンがありました。その中で許していい部分と絶対に許してはいけない部分、もしくはプレーヤー、やられ方があったと思います。言える範囲でどのようなゲームプランだったのでしょうか? 富樫選手をディナイしてボールを持たせないのは見ていればわかる部分ですが、それ以外はどのような序列になっていたのかなと思いまして……。
宮永 あのー……言える範囲になりますが、千葉さんはスリーポイントが得意なチームなので、逆にインサイドを狙わせたいと考えていました。インサイドを狙わせてオフェンスを重たくさせる。昨日は何度かできていたんですけど、今日は小川選手が入ってテンポアップとおそらく角田太輝を止めにきた。ここが昨日とは違ったところでした。前半に富樫選手以外のところでボールプッシュをされたことによって、ディフェンスラインもかなり下がってしまったので、そこはもったいなかったなと感じています。
宮本 その辺りは、おそらくハーフタイムに修正をされた部分もあったと思いますが、3Q序盤のオフェンスは割と同じセットを続けました。ウイングの角田選手に当ててから、アタックするという展開。正直、角田選手のシュートタッチが日によって違う部分がある中で、逆に彼の目の前が空いているというか、アタックできるチャンスに気づけていない時がある印象を僕は持っているんですが、意図的に角田選手にアタックさせるようなシチュエーションを作ったんでしょうか?
宮永 そうですね。角田とヨーリの2メンゲームをファーストチョイスに持ってきました。そこにヘルプがかなり寄るので、キックアウトからまたインサイドというところを狙いました。角田に関しては今シーズンかなりのプレータイムを与えています。本当に多くの経験をしてもらっているので、将来的に彼が花咲くであろう時のために、今日もいいところも悪いところもたくさんありましたけど、彼を信じて使い続けてステップアップしてほしいなと思っています。

佐賀バルーナーズ 角田選手※時間の都合上1社1問で終了

宮本 プレシーズンではマッチアップできなかった富樫選手とマッチアップしました。角田選手も富樫選手とマッチアップしてみたいとお話されていましたが、(ダブドリVol.18ロングインタビューにて)やってみて率直にどうでしたか?
角田 そうですね。本当にスピードやクイックネスは勉強になる部分が多かったので、見習えるところは見習っていきたいと思いました。でも、全体的にはついていけたところが多かったので、そこはすごく自信になりましたし、続けていきたいと思っています。

千葉ジェッツふなばし ジョン・パトリックHC

宮本 序盤も中盤もですが、どうしてもオフェンスが停滞してしまう時間帯があったと感じました。カッティングが足りないとか、ポストにアングルを変えて当てるとか、スペーシングとか色々あると思うんですけど、何が足りないのか。そしてバイウィークでどのような順序で整理していこうと考えているのでしょうか。
ジョン 基本的にこの40日間は練習をしていません。だから週末に試合だけしている感覚です。国内で水曜日に試合があると、木曜日に振り返りをして金曜日に少し練習できるけど、国際試合があると火曜日、水曜日、木曜日は全く練習ができない。おそらくこの40日間の中で3回ぐらいしか練習はしていません。もちろんミーティングはしているけど、今シーズンは非常に若いチームだから、日本人の経験が少ない選手も初めて日本でプレーする外国籍選手も練習は絶対に必要で、それによってチームハビットが良くなっていく。ここまでの試合で11勝していることは悪くないけど、システム的に少しずつ崩れているところも感じているし、選手たちの体力的な部分も難しくなってきているのは事実です。バイウィークはそんなに長くないけど、休みを挟んでからの練習はコーチとしてはすごく楽しみにしています。チームのベーシックを作っていって、しっかりとスクリーンをかけるとか、スペーシングとかオフェンスもディフェンスも両方の練習をしたいと思います。
宮本 今、最後に出ましたが、昨日のゲームに比べるとピックをちゃんとヒットさせるとか……。
ジョン まだ少なすぎるけどね(笑)。
宮本 ハハハハハ。
ジョン 試合の最初の方はしっかりスクリーンをヒットさせることがとできていたんだけど、疲れてくるとまたできない。悪い習慣に戻ってしまったケースもあったし、タイムアウトの後によくなったケースもありました。まだまだシーズンはこれからだから、少しずつ改善していければいいなと思っています。
宮本 ありがとうございます。スケジュールの話になるのですが、ドイツ時代はBCLが間にありつつ、週末にBBLがありました。ただ日本では週末がバックトゥバックです。経験として活きる部分もあれば、全く違うところもあると思いますが。
ジョン 少し前にも話したんだけど、たとえばヨーロッパの各国のリーグ戦は大体同じ時期に始まって、水曜にBCLが入ってくるんだけど、アジアの場合はまだ国内リーグが開幕してない場所があります。こないだ戦ったフィリピンのチームはまだ試合をやっていない。だから1ヶ月間はうちと戦うためだけに準備をしていました。すごくフレッシュなんですね。台湾のチームも同じでした。一番難しいのは週末に日本でリーグ戦を戦って、次の週末の相手が水曜日に試合をしていないこと。おそらく琉球もそうですけど、うちは国際ゲームをやっているけど、次の週末の相手は平日に試合がなくて、練習と休養をコントロールできる。アンフェアとは言えないけれど、これは大きなチャレンジです(笑)。
宮本 ありがとうございます(笑)。


ダブドリVol.18 10月27日に発売!

ダブドリ有料コラム「ブリッジ」毎月更新中!
最新号「Bリーグで一番ハングリーな男」岡本飛龍の切り開く力

THE RISE 偉大さの追求、若き日のコービー・ブライアント 発売中!

ダブドリのもう一歩内側へ!メンバーシップはこちら👇
有料記事の「ブリッジ」「みやもんのバスケットnote」他、有料コンテンツを月額500円で全て読めちゃう!


この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?