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まるごと!井口x塩瀬インクルーシブ対談 前編


こんにちは。京都在住のAkemi(@MaoThanks)です。
Takaさんとのセレンディピティな出会いから生まれたインクルーシブデザイン企画!

第一回目は、インクルーシブデザインといえば、京都大学塩瀬隆之准教授。その塩瀬先生をお招きしてのDabel配信レポートを2回に分けて、そしてお話いただいたことをそのままの形でお届けいたします。

Taka:井口尊仁 Doki Doki Inc CEO  Dabel開発者
井口さんブログ takahito agouti

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Shiose:塩瀬隆之 京都大学総合博物館 准教授
塩瀬先生経歴

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「塩瀬」x「タカ」 珍種の二人が再会!

Taka:やる前の盛り上がりがすごすぎて!僕は最高潮でありますが。
期待感がすごくありましてですね。この企画反響半端ないんですよ。すごいっすよ!ここまで反響があった配信企画は過去にないんじゃないかな。
塩瀬先生の人気に圧倒されます!
(テンション高いTakaさん(笑))

Dabel イラスト

Shiose:いやいやそのままFacebookメッセージでしゃべったらそこで終わるやろと思ったからしゃべらないようにしてたんだけど(笑)

Taka:塩瀬さんは、普通にだべっててもめちゃめゃ面白いから。脳みそが休んでる時間あるんですかね?毎回気になってる

Shiose:イルカみたいに、右と左をわけわけしながら(笑)

(Q:イルカってわけわけするんですか?)

Taka:ちゃんとスリープ状態は作ってらっしゃる。安心しました。

Shiose:あるある。

Taka:変な人扱いされる事は多いですか?

Shiose:いや、ずっと。高校生とか中学生向けに講演するときに、終わった後に質問でよく受けるのが、「ずっとそれやってて疲れませんか?とそれだと絶対大人に褒められないじゃないですか?」とか。

Taka:めっちゃウケる!正確に理解されてる。

Shiose:理解してる。しんどいんじゃないかって。お勧めはしないけど、でも面白くないと思ってる大人に褒められてもうれしくないよねって。


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京都大学クラス

photo:授業の風景

Shiose:京大の授業でコミュニケーションデザインというのをやってるんですけど、一回生が中心で、二回生、三回生も気にせずでていいよという授業があって。普段やってるのはコミュニケーションのいろんな練習、椅子の座り方だけで90分、LINEだけで90分しゃべるとかそういう授業をいろいろやってる。

そのときにちょうど来てくれた人を巻き込んで喋るという授業をやってて。ちょうど4年前に井口さんが、だべろうときてくれたときに、そのまま授業に出てもらって。

今開発中のアプリがあるので、その構想を聞いてくれと言うから、音だけなんだとアイデア出しをするというのを授業でやって、みんなで付箋に書いて、半信半疑も声もあって、このSNSの時代に音だけってどういうことですか?って。

音だけだったら、裸の王様みたいに悪口ばかりいうところとか、いろいろ言えるとかアイデアが出て。

ちょうどその時、眠り展という企画展をやっていたので、そこにあった蚊帳の中に井口さん座ってもらって、殿に献上するようにみんなでアイデアを持って行くという儀式みたいなのをみんなでやって、あの絵が僕いまだに忘れられんわって思って。蚊帳の中に半分透けてる井口さんが待ってて(笑)

Taka:天皇さんみたいに御簾のほうにいるんですよね。

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Shiose:そこにみんなでアイデアを順番にプレゼンして行って、「うん、それはおもしろいなぁ」とか「それはどうかな」とか。

そこから発展していって、Dabelになってったというのが僕にとってはおもしろかった。あそこで聞いたのがファーストアイデアですもんね。

Taka:塩瀬さんはああいうことを世界中でしじゅうめったらやったらやってるんだと後になって思うんですけど、神がかってて。だって京都大ミュージアムの中の眠り展のオープンしてない時間に夜にやって。夜ですよね?


Taka:チンバンジーの寝床とか?

Shiose:チンパンジーのベッド、365日365日個作るベッドとか。

Taka:夜のミュージアムってめっちゃおもしろいんですよ。自由に見れるし、時間きにしなくていい。来てる学生もおもしろかったんですよ。学年とか学科が結構ばらついてて。

Shiose:元々いろんな学部の子がいてくれるんですけど、2年目、3年目も来てくれて、どんどん学年が上がっていってて。

しかもちゃんとピッチをするセッションもあって、当時一緒にやってた帰国子女のさわちゃんとかもいて、シリコンバレーもやってるでいうのと、しゃべくりで世の中良くしたらえんちゃうかという話をしたら、あの場のしつらえと、あの場でしかないなじみあいみたいなのがめちゃくちゃおもしろくて。確かに原点なんですよね、Dabelの、ベイビーという声の出会い系アプリというのをやってた。

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まさかこの流れを受けて、京大からも投資を受けられるし、なぜか今オフィス京都だし、コロナ以降京都にいて、塩瀬さんと話ができてうれしい!


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Taka:インクルーシブデザインをまだ知らなくて。おしゃれな言葉だなと。まじめに調べたらまさに僕たちがやってたそのままだった。
元々声のソーシャルラジオだったんですよ。一方的に話すとつまらないじゃんと、一緒にストリーミング、一緒に話ながらストリーミングできるラジオの対談番組がすぐできるというのを作ったんですよ。
チームはめっちゃもりあがったんですけど、半年間ユーザーゼロで、サンフランシスコのベントンと二人しかいなくて、毎日番組考えて、アメリカ陣が感じる日本の変なカルチャーとか。

半年後に株主にめちゃくちゃいじめられて、もうそろそろやめてくれと言われて、泣きながら新幹線で帰りながら、多分岐阜県だと思うんですけど、突然、Want to talkされて、日本語で、「Takaこのアプリやばい、は超絶気に入っててこれがないとやばい!」というお姉さんがいて、女の子たちがめっちゃしゃべってて、呼んでくれて、手放しでめちゃくちゃ褒めてくれてるんですよ。で、あることに気づいて。ところどころ機会音声が入ってるなと。読み上げしてる、どういうことかなと思ったら、みんなブラインドの方だったんですよ。

目の見えない方々が、声だけなので、一緒に友達作ったり、校庭の裏側でしゃべったりができやすかったらしくて、「いいやんっ」てめっちゃ褒めてくれて、蘇ったんですよ。やった!って思って。使ってる人いるじゃんって!蘇って、めちゃめちゃユーザーの話を聞いたんですよ、ベントンといろんな配信に出かけて行って。


ボイスオーバー:Appleチームとの共同改善?(なのか?)

Taka:いろんなユーザーの話を聞いてると、ボイスオーバー、iOSの標準機能がありまして、アプリのメニューとかテキストとか全部読み上げてくれるんですよ。すごい便利な機能で。
Twitterも専任のアクセシビリティ担当チームがなかったらしく、最近それが露呈しちゃうんですけど。

●用語の説明●
ボイスオーバー(読み取り機能)
アクセシビリティ(「近づきやすさ」「利用しやすさ」を表す英単語で、Webサービスの世界においては「情報やサービスへのアクセスのしやすさ」という意味合いで使われる)

それ聞いて僕らやったーって思って。
ここがんばったら絶対僕らしかできないことができるかもしれないし、それを通じて、実はブラインドの方って、世界中で弱視含めると4億人くらいいらっしゃって、決して小さなコミュニティではなくて、結構でかいんですよ、実は。
世の中的にも価値があるんじゃないかと思って、ボイスオーバーめちゃくちゃ頑張って作ったんですよね。
半年間くらいかかって、全てのラベルを見直して、たくさんのお客さんからもお話を聞いて、ボイスオーバーを改善しまくったら、すごいうけて、今に至るという感じです。

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Taka:僕らが全部やったというと言い過ぎになるから、公平を期すとAppleがめっちゃがんばってるんですよ、そこは。

Shiose:公平を期したんだ(笑)

Taka:公平を期すと、意外と謙虚なんですよ僕(笑)皆さんご存じのように。
Appleアクセシビリティチームってめっちゃがんばってるからボイスオーバー含めてアクセシビリティ機能よくできてるんですよ。
WWC(Worldwide Developers Conference)でめちゃくちゃグチってて、「誰も使ってくれない」と言ってるんですよ。それはがんばりがいがあるんですよ。あまり知られてないしちゃんと使われてないから、俺たちが使ってやろうと。Appleと一緒に仕事してる感じです。


デザインなきデザインーDabelの産んだ偶然

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Shiose:インクルーシブというのは巻き込むという意味だったり、包括するという意味ですけど。

●用語の説明●
インクルシーブデザイン:「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)という言葉から来ており、これは「あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないよう援護し、社会の構成員として包み、支え合う」という社会政策の理念を表している
こちらのスライドがわかりやすくまとまっています。
https://www.slideshare.net/ssuserafcf611/ss-238963174

リードユーザー:リードユーザーとは、下記のような特徴を併せ持ったユーザーと定義されている。
(1)重要な市場動向に関して大多数のユーザーに先行している。
(2)自らのニーズを充足させる解決策から相対的に高い効用を得る存在。


ユニバーサルデザインをみんな目指していたんですけど、全員使いやすいようにと目指してたアメリカ型の概念なので、一個うまくいけば全員巻き込めるだろう王様型、みんないいでしょうっていう風になるので。

結果、例えば右利きと左利きの人が使いやすいものだと、真ん中におきますみたいになるので、どっちつかずになることもありうるんですね。
ユニバーサルデザインは多分そこが苦しんだところの一つで。

ヨーロッパでは一個ではうまくいかないっていうのは多民族国家の宿命でもあるので、ユニバーサルデザインという言葉が元々あまり使われてなくて
デザインフォーオールとか、アクセシブルデザインとか、ロンドン中心にインクルーシブデザインだったんですよね。

特定のユーザーの周辺にマルチブルに広がっていくという、どちらかというと、エッジが効いたところからスタートした方がみんなを巻き込みやすいというのがあるんですよね。

特に目が見えない人にとって、例えば操作しやすいって、なんだ?
パソコンには読み上げソフト(ボイスオーバー)って元々あったんですよね。
読み上げソフトって、基本テキストを開いたメモ帳の中の文章を読むのはできるんですけど、画面全体読みあげるのはすごく難しくて。「左上にゴミ箱のアイコンががあります」と言われてもうっとしいでしょう?

基本はグラフィカルインターフェースをテキストに落とした状態で、その時の順序で上から読むってことになるから、すごい使いにくかったんですよね。でも、メールの読み上げになると、そこだけできるから、メールを読み上げてブラインドで打って、使えちゃうんですけど、スマホになってから画面が狭いから、元々上から下にシーケンシャルに流れるプログラムがすごく多くて、ボイスオーバーと元々相性がいいんですよスマホ。
読み上げて操作するというのに慣れたユーザーがすごい増えてるというのが今いい状態だったんじゃないかなと

●用語の説明●
シーケンシャル:シーケンシャルとは、順次的な、逐次的な、連続的な、一連の、などの意味を持つ英単語。 ITの分野では、対象が複数ある場合に、並んでいる順番に処理することや、連続して立て続けに処理することを意味する。

コンピュータ中心の世界になって、読み上げするというのが多いし、目の見えない人はだいたい1.5~2倍の速度でメールとか読むので、元々音声に対して反応して次の操作をするというのにすごい慣れたハイエンドユーザーだと考えたら、ボイスオーバーの改良するのに向き合うユーザーとしては多分一番適任なんだと思う。

Taka:面白くて、今年SXSWなくなったんですけど、僕Dabelを広めに行こうと思ってそのオースティンのブラインドコンソーシアムと一緒にチャリティコンサートやったんですよ。オースティンはつで、ダベルでやったら五十万円いくら集まったんですけど、ありがたいことに。

オースティンのアクセシビリティチームというタスクフォースがあるんですよ、地元に。そこに(井口さんが)アポなしにやってきて、もじゃもじゃの井口さんが、そこに持って行って、俄然ピッチしたんですよ。何も準備せずに。
(井口さんが)ブラインドの方が使ってるソーシャルネットがあってアクセシビリティめっちゃがんばってるやんと話したら、みんなたじろいでいて。

アクセシビリティがんばってると、みんなWeb上の画面の読み上げみたいなことしかやってないので、極めてインクルーシブではないんですよ。単に画面の部分を単に音声メディアにしているだけだから。
ユーザーがそこに巻き込まれてソーシャルにコネクションを作っていくというそういう没入型のものではない、全然。
なんかちょっとしてやったりじゃないけど、ちょっと新しいことをやってんだなという手ごたえはありました、たしかに。

〜解説〜
ここでのインクルーシブではないというのは、Web上の情報を読み上げて音声で発信しているのみになっているだけで、本当の意味で視覚障害者の方に本来のサービスの価値を理解して利用してもらえるようになっていないというもの。


Shiose:元々FacebookとかTwitterとかテキスト中心のものに写真が加わり、動画が加わりというふうに媒体がどんどんふえてって見せようとしてるから、視覚中心なんですよね。もともとね。
視覚は、もともと一望性があるからばっと見るといろんな人がいるなってわかるんですけど、音は必ず時系列方向に並んでいるので、順序だてないと絶対わからないんですよね。
どんな番組があるかってのは視覚的に画面見るとわかるんですけど、音だとここに覗いてみたいなとかここに覗いてみたいなというのはなかなかわからなくて。

〜解説〜
視覚であれば、パッと見て全部を見たり、自分が見たいところから見たりすることができる。後から違う順番で見ることもできる。
音だともう一度確認するとしても、音が発信された順番を変えることはできない。

もしやるとすると、カクテルパーティ効果みたいに、パーティの中でおもしろそうな話をしてる人を見つける。そういう感覚がみえない人の中に必ずあって、そんな中でやっぱり自分の知り合いを探したりするわけだから、それを似たような感覚をちゃんとヒアリングして。
そこからスタートできると、目が見える人にとっても実は、目が見える人も視覚だけで物事を探してるわけではないから、時に聴覚を頼りにするんですよね。その頼りにする方法が、見えない人から教わるという感じだと思うんですよ。

Taka:塩瀬先生やばいなぁ。超絶ヤバイ話で。
今軽くおっしゃっていただいたことに到達するのに僕ら半年かかってるんですよ、まじで。本当に。インクルーシブなんか知らなかったし、UXを体系的に学んる人間がチームにいなかったから。

いまおっしゃってること深くて、泣けてくるんですけど、そこに至るのにすごい時間かかってるんですよ。

覚えてるんですけど、アフリカに行ったんですよ、南アフリカのハニフというブラインドのコンソーシアムのCTOの人がいて、Dabelのディープユーザーなんですよね。
そいつにアフリカに広げるための足掛かり作ろうと思って会いに行くんですけど、目の前で使ってることを見たんですね、Dabelを。

ボイスオーバー使って、やばいすよ。めちゃくそ速いんですよ。画面をスライドでばーっと舐めていって指でね。読み上げの速度も速めてるんですよ、彼はチューンアップして。
ばーっと舐めていって、ばーっと読ませて、瞬時でいい感じでたどりついて
チャットを通じたり、ボイスを使ったりして、要するにコミュニケーションしてるんですけど、なんかギターを弾いてる感じです。感覚的に。

関連記事:南アフリカのブラインドコンソーシアムとアフリカ大陸における普及活動のコンセンサスを締結


Shiose:確かめてるという感じやね。

Taka:指で触って、耳で聞いて、自分でしゃべりかけてっていうのをギターを弾くみたいに使ってるんですよね。

Shiose:相互作用性はすごい重要やろうね。だから、さっき言ってたパソコンの読み上げだと何が起きてるかを知るのに、読み上げソフトのタイミングで読み上げて、それを受け取るから、すごい待ってられへんのよね
「ゴミ箱」「サファリ」とか言われてるとちょっとうっとうしい。
それよりかは、手でもし動かせると何が起きるかというと、"ご”とか”さ"とか一言眼だけ聞ければ十分に何があるかがわかるから、そこに行けるんだと思うんですよね。探りができるというのがすごく重要で。

Taka:探ってるんですよ、肌触りで探ってるんですよ。

Shiose:アクティブにセンシングできるということ自体が、多分使い勝手に直結してると思うんだけど。よく言われるんだけど、目の見えない人は耳がすごい発達してて他の人が聞こえないものが聞こえるとか言うやん。あれは嘘やからね!

Taka:思いがちですよね。

Shiose:そうそうそうそう。すごいことが聞こえてるんじゃないかと。
元々同じついてる耳一緒やからね。問題は、視覚と聴覚とそれぞれ使えるエネルギー、そこからどんだけのパワーを引き出せてるかという程度が違うだけで、ついてる視覚センサーとしてのビジョンも、耳としてのマイク機能も、鼻も口もみんな同じものがついてる、多少の性能の差はあれど。

問題は目が見えなくなったときに、聴覚に対して割いてる意識が多いのでそこからちょっとした音の変化ってものに気づけるようになるので。
実際イベントでダイアローグインザダークという真っ暗な中でいろいろ活動するのがあるんですよね、イベントで。照明も全部消して、風、電気がない状態で、ブラインドの方にエスコートされて、中でブランコ乗ってみたり、ざらざらの砂のところを歩いたりみたりとかをやると、すごい感覚が研ぎ澄まされていく感じがあって1時間2時間くらいその中にいてから、外に出ると道路の反対側でしゃべってる人の声聞こえるんよね。 

視覚に頼ってた自分の意識を聴覚の方に思い切りエネルギーとして向けるから、自分の聴覚の中に入ってきていたであろう音の大事な部分を取り出す力が強まるんで、向こう側でしゃべってる人の声が聞こえておー俺めっちゃ耳聞こえるやんと思うような状態になるんですよね。多分その研ぎ澄まされた状態が、Dabelで、ボイスオーバーとかを使ってる見えない人にとっての操作というのがあって。つまりそれは、目が見えてる人にとってもできる可能性のあるユーザビリティなんですよね。


なぜなぜDabel その1ーラウンジに出入りする音

Taka:そうなんですよね。だから、今もこれね、チャットの時に音が鳴るじゃないですか。その人が入ったり出たり、チャットしたり、インバイト受けたり受けなかったり音が鳴りますよね、これブラインドの方対応なんですよ。

Shiose:これめっちゃ重要で、このピンポンすごいなと思ったんですよ。
これ何かって言うと、目に見えない方の場合は、例えば会議室にこっそり一人増えてもわからないんですよね。

Taka:そうそう、まさにそれです

Shiose:目の見えない人と一緒に出掛けて行って、たとえば、コンビニの前を通るとブインと開くじゃん、あれ怖いんよね、でも見えてる人からするとそこに今から入ろうとする人とか出ようとする人が見えるでしょう。その音が出る前の予備動作が聞こえることになる。

僕とかも一緒に歩いていて、ブインと音なった瞬間に、今コンビニに人が出てきたというのをポロッと言うようにしてるのね、一緒に歩いてるときに。
会議室でも、関係のないメンバー。役所とかでいくと傍聴者がいっぱい増えてくるやん、そういう人が増えてくるときに、今人が入ってきたなというのをぼそっと言うようにしてる、Dabelってまさにそれなんよね。


Taka:最初なかったんですよね、そういう機能。結構ユーザーさんからフィードバックがあって。コメントが入ってもわからへんとか、人が出たりしても全然わからへんから、おると思ってしゃべってるのがいややねんとか。めっちゃ突き上げられて、わかりましたって言って、汗をかきながら一生懸命毎週実装するっていう。

Shiose:それ、すごい。それによってできてるんだろうなと。
会議室に誰かが加わっても、減っても、普通や視野内で留まってるからそこはエクスキューズしなくても、増えましたってことは皆に伝わるし、減りましたってことも伝わる。聴覚を頼りにされてる方からするとわからない。

見えない方で、研究者で僕、共同研究者の方がいるんですけど、伊藤さんという方ですけど、伊藤さんと一緒に会議してるとどっちから発言したかすごく覚えてるんですよね
会議の始まりくらいに、右側からめっちゃ反対してた人いるやんみたいな。後半めっちゃその人も納得して来たような気がするよねとか。

時間と方向。特に音は距離定位、距離はわからないけど、方向定位は得意なんですよね。どっち側からとか音がどっちから聞こえるとか。テレビ会議室の大半はモノラルで音が聞こえてくるのでどっちか向きがわからないけど、音の中にもうすこし立体的なリバーブも含めて、どういうところからどういう方向に音が出て、そこに賛成とか反対とかのラベル付けをして、目の見えない方は会議の中での音を自分の中に入れているので、急に人が入ってきた出てきたというのは結構重要な情報なんですよね
そういう意味でその辺がヒアリングされているから、逆に目の見えてる人にとっても何人増えたかよくわからないけど、ピコンポコンいうてるといろいろ来たんやなは伝わるんですよね。


ブラインドユーザーのためのステレオ化・空間表現

Taka:それすごい大事で。塩瀬さんの言ってることは、まさにユーザーの皆さんが日々おっしゃってます。
ステレオ化のニーズめっちゃあって、実は。
遠からず導入の予定なんですけど、ステレオじゃないと不快らしいです。
モノラルってセンターに提示するので、ちょっと不自然なんですよね

Shiose:ずっと目の前正の面にいて話しかけられてるん感じがするんですよ。だから、エアポートプロダクト、バイノーラルにも対応できるから、立体音響にも対応できるから位置関係を表現できるんですよね。ダベルプレミアムにして、バイノーラルでとったら、右にいる人とか左にいる人とかできるじゃないですか

Taka:そうなんですよ、できるんですよ、やりたいんですよ、早いとこ。
マイクが足りなかったり、データ量が多かったり、処理速度が必要だったりいろいろあるんですけど、ステレオはそんなに大変ではないので、なるべく早くステレオ化したいなと思ってるんですよね

Shiose:ステレオだけじゃなくても、リバーブ使って、リバーブで空間の広さが表現できるので、それだけかけたら、狭いところでしゃべってる感じとか、入ってる人数によってリバーブの書き方変えれば、広い空間の中でみんなでしゃべってる行動的感覚とかも作れそうな感じがするし

Taka:それは実装楽です。

Shiose:リバーブはやりやすいんちゃうかな。

Taka:標準でついてるので、スイッチオンすれば大丈夫ですね。いやいいなー、この会いいな。誰得って、俺得ですねー(笑)


これでもまだ半分です。後編お楽しみに!


当日の音声はこちらで聞くことができます。

デザイン協力:cappaさん(@CAPPAYA)、西岡克真さん(@kaduma2010

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