20200428

昨日の夜から強烈な歯の痛みに襲われて、一睡もできずに朝を迎えてしまった。幸いにも現在は在宅勤務という体系になっているので、昼休憩の時間に近くの歯医者に逃げ込んだ。

いくつになっても歯医者は苦手だ。就職活動の次に並ぶくらい嫌いかもしれない。体を強張らせたまま1時間弱の治療が終わり、麻酔の効いた自分の左頬に違和感を覚えながら帰路についた。昨夜はベッドの上でのたうち回るくらい苦しんだ歯痛が嘘のようだ。歯は大事にしなければ。

帰宅してせこせこと仕事に向き合った後は、帰り道の本屋で買った高野文子の「黄色い本」を読みました。

高野文子は、大学生のころに絶対安全剃刀を読んだきりで、一時期に読み漁っていた、北村薫作品の表紙イラストのイメージが強い漫画家でした。今日は表題にもなっている「黄色い本」という話が本当に凄かったのでその感想を。

「黄色い本」は、田舎に住む女子高生が「チボー家の人々」というフランスの長編小説を読み終わるまでの話。彼女は「チボー家の人々」に没頭するあまり、自分の生活に小説の内容を重ねるようになって行く……。みたいなあらすじで、別にホラーではなくて、つい台詞を口に出してしまうとか、そういう感じです。

彼女にとって「チボー家の人々」がそうだったけれど、“何かに夢中になる感覚”をこんな形で描けるのか……。と衝撃を受けました。そして何より「生活」を切り取るコマの秀逸さたるや。学校、家の中、通学路、みたいな「普通の生活」が多種多様なカメラワークで切り取られていて、高野文子って普段どんな目線や感覚を持って日々生活しているんだろう…。と震えるばかり。

そして物語終盤の喪失感と自立の描き方も本当に素晴らしい。お父さんが、「好きな本を」「一生持ってるのもいいもんだと」「俺は」「思うがな」という台詞を4コマにわたって言う場面とか本当に素敵です。Kindle版がなくて紙の本で買ったんだけどずっと家に置いておきたい作品ですね。(もっと早く読んでおきたかった。)

日記かどうか怪しい内容になってしまった。明日は休みなので、溜まったアニメを消化しよう。

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