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澎湖諸島へひとりで行ったおはなし③【澎湖→台北街歩き編】

前回はこちら→澎湖諸島へひとりで行ったおはなし②

さて、この日は3日目の最終日。朝から空港に行って台北へ向かう。(澎湖のおはなしだけだと一瞬で終わるので、この日の夜までのおはなしを書いてみる)

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恨めしいほどの快晴である。昨日までの曇天はいずこへ。

朝ごはんは前日で懲りたので、なにも食べず荷物まとめてロビーへ。いつものように金髪姐さんがいる。安心だな。また澎湖に来ることがあれば、必ずここに泊まりたい。お世話になった姐さんにお礼を言って、迎えの車に乗る。行きと同じタクシーだった。

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20分ほどで空港に着く。とりあえずチェックインをする。高雄から来るときは立榮航空(UNI AIR)だったけど、今度は遠東航空(Far Eastern Air Transport)だ。略称は「FAT」、私を揶揄するかのような名前である。荷物の預け入れカウンターに行ったら追加料金をとられなかった。航空会社によってなんか基準が違うのかな。

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この空港、軍民供用だから本来は写真撮影禁止だったみたい。撮ってる人いたから撮っちゃったよ。

制限エリアでお土産をちょろっと買う。澎湖だし名産のイカの調味料とかナッツ系のお菓子とか。そうそう、台湾の国内線は免税店もあるんだよね。閑古鳥が鳴いていたけど。
折り返しになる台北からの便が遅れて、挙げ句搭乗口も変更になって振り回される。中国語しかアナウンスなかったけど、これくらいならわかるようになった(えらい)。

やたら古めかしい飛行機で台北へ向かう。確かに澎湖空港は少し物騒だ。大量の戦闘機と軍事機材、高射砲みたいなのが並んでいる。こりゃ写真撮っちゃいけないよね。澎湖は台湾海峡の真ん中、一歩間違えるとかなり危機的な事態に陥ることもある場所。緊張の最前線にあるんだなと改めて思った。

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ちょっと心配になる古い機体は、ガタガタ軋みながらも空高く上昇していった。眼下に澎湖の海が広がる。すごいきれいだった。澎湖の青い海を「ポンフーブルー」なんて言ったりするけど、最後にちらっと見れてよかった。

今時の飛行機じゃ考えられないんだけど、この飛行機は古いからなのか扉が閉まってから到着してまた開くまで、一切の電子機器が使えない。そんなことを知らずに機内モードで使ってたらCAさんに怒られた(どうでもいいけど、CAさんめっちゃ女優さんかと思うほど綺麗だった。どうでもよくないか)。いやはや恥ずかしい。ポケットの冊子にも書いてあった。この機材だけだ。ちゃんと読んでおくんだった。

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サービスのお茶飲んでたら台北松山空港到着。50分くらいだったかな。早いもんだ。
ちなみに遠東航空、この数ヶ月後に資金繰り悪化で消滅。新潟とか秋田とかにも国際線飛ばしてたんだけれど。二度と乗れないと思うと悲しいね。

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実は澎湖にいた間は、最高気温が30℃を越えることがなくて本当に快適だった。台北、凄まじく暑い。
空港からまずは台北駅へ。MRTだと荷物あるし上り下りが面倒。かといってタクシーは高いので路線バスに乗る。台北駅へは「262區」ってバスが乗り換えなしで本数が多い。台北の路線バスはバリアフリースペースが広いから、あいていれば邪魔にならないように荷物を置かせてもらう。台北駅まで20分かからないかなってくらい。

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台北駅のコインロッカーに荷物を放り込んで、台北地下街のドリンクショップへ。台湾好きならみんな知ってるこのスイカジュース。いつもと同じ安定の味だ。台北の暑さにびっくりした体にじわーっと染みていく。

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朝とお昼を兼ねたごはんを食べに行く。台北駅から歩いて北門を過ぎた先に、牛肉麺のお店が何軒か連なったエリアがある。行くのは台北に来はじめた頃から行っている「建宏牛肉麺」。小でも100元でおつりくるし、それでいてボリュームもあるし、もちろんおいしい。ここ最近は太麺で発注している。もちっとした食感がたまらないんだ。
このお店、ミシュランガイド台北のビブグルマンにも選ばれたらしい。選ばれだからといって物凄く混むようになったってこともないんだけど。いつも壁のテレビにニュースを流していて、それを横目に麺をすする光景も普段通りだ。

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お腹を満たして、この日最初の目的地へはバイクで向かう。台北での私の足「Wemo Scooter」だ。電動バイクのシェアサービスで、指定のエリア内の駐車エリア(白線枠内)にならどこへでも乗り捨てていい。スマホアプリで全て完結だからとても便利だ。正直台北でのバイクの運転はあまりおすすめできないけれど。

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バイクをとことこ20分ほど走らせて、やって来たのは松山區にある「台北機廠(台北鉄道工場)」。日本統治時代からほんの10年ほど前まで現役だった施設群を見学してやろうという魂胆。この見学、水曜日曜の午前午後、一度に40人ずつの完全予約制。この日は水曜日。事前に中国語のサイトでせっせと予約してやって来た。

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ヘルメットを被って出発。ガイドさんいるけども相変わらずなに言ってるかわからず。もらったガイドをパラパラめくりながら団体に着いていく。日本人だとばれた瞬間にパンフレットを日本語版に差し替えられたんだけど、本当はオリジナル版がほしかったなぁ。

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台湾人の中学生に話かけられる。電車が好きで日本ににも来たことかあるらしい。日本の写真を見せたりしながら小さな国際交流。めっちゃいい子だったな。お父さんが怪しい目でこっち見てたけど、そりゃ息子が見知らぬ日本人と話してたら心配よね。

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古い車両があったり、日本時代の設備が残っていたり、かなり見所が多い場所。周囲はかなり開発されているのに、ここだけエアポケットのように緑が多く古い建物ばかりで不思議な空気が流れていた。将来は博物館になる計画もあるらしい(なのでJRの車両とかも置いてある)。いずれまた来てみたい。

見学を終えたあとは台北駅へ。荷物を回収して宿へ向かう。宿といっても台北ではホテルではなくいつも部屋を借りるので、ホストに鍵を貰いに行く。台北もいろいろなエリアがあるけれど、MRT中和新蘆線の行天宮駅~大橋頭駅の民権路沿いに滞在するのが好きで、部屋もその方面にある。ホストと会うのも数回目だがいつも親切にしてもらっている。いい人だ。

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部屋に戻って小休止するとあっという間に夕食の時間。バイクに乗り、また松山區へ。「子辣。個人。麻辣」というちょっと洒落た火鍋のお店に来た。店員さんも優しいし、セット料金で意外と良心的。ひとりで台北で鍋食べるなら、まずここに来る。安定の美味しさでした。

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火鍋のあとはさらにバイクでお出かけ。ラッシュの信号待ち、見上げた台北101がすごい美しい。

満腹の体で山登りをする。登る山は象山。遠くから見ると象の背中のシルエットに見えるというのが由来らしい。象山というMRTの駅からではなく、人が少なそうな反対側の登山口から登っていく。目論み通り人が少なくていいのだが、暗くて急な坂がとにかくおっかない。例のごとく巨大カタツムリがいたりして、危うく踏みそうにもなる。なにより日頃の運動不足がたたってえらい疲れる。ダメ人間だな。

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20分ほどで山頂へ。山頂はえらい人混みだ。隙間から夜景を眺める。台北101が本当に美しい。夜景大好き芸人だから大満足。本当はもう少しいいアングルで撮影したかったけど、人が多過ぎて断念して下山する。

疲れたしMRTで帰るつもりが、汗でびっしょりだったからまたバイクで帰る。一方通行に阻まれたり渋滞に巻き込まれたりしながら、結局部屋まで50分近くかかってしまった。

ビールを片手に澎湖の旅を振り返ってみる。数回目の台湾で、本島を飛び出してみるという旅はやはり大正解だった。海や自然の名所が多いが故に、かなり天気が残念に思えたのも事実。いつかリベンジしたいという気持ちと、金門島など別の離島地域にも行ってみたいという気持ちが沸々とわいてきた。

いろいろな人たちの優しさと親切に助けてもらった澎湖の旅だった。

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台湾はいいぞ。

澎湖はいいぞ。


おしまい。

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