髪洗うまでの優柔不断かな 宇多喜代子

季語「髪洗う」の扱いが繊細な現代です。「髪洗う」のイメージが主観的で内省的、そして色っぽい光景を想像させる掲句は、季語のイメージを削いでも、受身の人間関係の辛さが残ります。「受身」の人生は選択肢の世界で、そこに迷う辛さは現代に続いています。

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