一句鑑賞

  あきかぜのふきぬけゆくや人の中  久保田万太郎

 「人の中」という言葉が句の解釈を分けています。風が人体の中に入り込むか、群衆の中に秋風が入り込んだ様子か。作意は後者と思いますが、読者としての楽しみも残したいです。ひらがなは風の言語を翻訳したような読感です。

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