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『CSM』 ‐ 営業に苦手意識を感じた人の生き残り戦略

改めて、CSMって何をする人?


CSM=顧客満足の管理人

"カスタマーサクセスとは、つまるところロイヤルティだ。”
"一般的には、2種類のロイヤルティがあるというのが定説だ。心理ロイヤルティと行動ロイヤルティである。または、感情ロイヤルティと理性ロイヤルティと言われることもある。”

カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

CSMの業務内容や役割は企業によって千差万別で、現在はどの企業も個社ごとのCSMの定義を模索している最中なのではないかと思います。
そんな中で敢えてCSMの役割を簡単に説明するなら、「顧客が自社のプロダクトに満足できているか管理する人」だと考えています。
顧客満足を実現するために、プロダクトの活用をサポートし、不足する機能や課題を組織に持ち帰ってくることがどの企業も共通の役割ではないでしょうか?

「顧客の満足」ってなんだっけ?

顧客の満足は、

【機能的満足】
  プロダクトを使うことで、課題が解決できているという満足
【心理的満足】
  プロダクトのブランドを気にっていて、使っていることで満足

という2つの軸に分けられるんじゃないかと考えています。
1つ目の「機能的満足」はわかりやすくて、いわゆるCSMのイメージはこの分野だと思います。
プロダクトを使いこなしてもらうためのサポートを提供したり、運用方法を紹介して、導入目的である何らかの課題を解決しようというアプローチですね。
もう1つの満足の尺度として、「心理的満足」があります。先程紹介した、『カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』ではMacの事例が紹介されていました。
Macが持つクリエイティブなイメージは、Macを使っているだけでその一員となれているという満足度をもたらすという事例です。
最近だと、同じプロダクトを活用するコミュニティに力を入れている企業も増えているので、コミュニティに参加することによる満足も含まれますね。

CSMのどこに希望を見出したのか


CSMはまったく新しい仕事ではない

改めて、CSMというお仕事を振り返ってみました。
では、CSMのどこに希望を感じているのかというお話です。
まず、CSMという言葉は比較的新しい言葉だと思いますが、まったく新しいことをしているわけではないということに触れたいと思います。
SaaSの増加とあわせて、「The Model」型組織が増えています。
組織を分業し、細かい粒度で顧客解像度を上げながら、仮説と検証を繰り返すモデルですね。
CSMは従来の営業を分業して生まれた役割で、「あー、深耕営業ね」「あー、既存顧客対応ね」というシーンは多くあるんじゃないかと思います。

追いかける指標の差に希望を感じている

じゃあ、CSMのどこに希望を感じているかというと、追いかける指標なんです。
CSMの対象はすでに契約済みの顧客である点が特徴です。「満足度=どうすれば顧客の求めるビジョンを実現できるのか」を考えることにフォーカスできる点に希望を感じています!
セールスでも顧客視点や寄り添う姿勢は必要ですが、契約数で評価されることが自分にはプレッシャーでした。
また、時にはこの人にはこの商品(プロダクト)が必要ないかもと思いつつも、一旦はクロージングを行うことも、心理的ストレスを感じていました。
(一方で、価値が届いていなかった人に価値を届けられるというやりがいがあることはもちろんあると思います。)
必要としている企業に対して、どうすれば最大限の効果を発揮できるのかを一緒に考えるという業務が、従来の営業の中でも好きな部分で、そこを突き詰めるCSMという役割にすごく魅力を感じています。

CSMの"探索領域"はこんなところ


更に魅力を感じているポイントは、カスタマーサクセスという概念がまだまだ未成熟の概念であるという点です。
「顧客の満足度」という、指標自体の仮説と検証からスタートするのがカスタマーサクセスの難しさであり、楽しさでもあると感じています。
そのほかにも、解約を事前に察知するための指標や、プロダクトを有効活用できているか測定するための指標など、「確からしい」指標を探す機会はたくさんあります。
早いスピードでプロダクトが開発されるというSaaSの特徴もあるので、提供するプロダクト自体も変化することもあり、CSMは仮説と検証の宝庫なんです。
絶対的な答えもなく、アウトプットの有効性を測る指標自体も明確に正しい指標を作ることが難しい中で、「確からしい」答えを探し続けるというところに魅力を感じます。

以上、営業出身の僕がCSMというポジションに魅力を感じるポイントでした。

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