「一廉くんは八方ふさがり!」企画書(週刊少年マガジン原作大賞:企画書部門応募作)

キャッチコピー:教室の真ん中に座る一廉くん、八方からちょっかいをかけられています。

あらすじ:横浜市にある「聖英学院」。元々、幼小中高大学一貫の女子高であったこの学校は、一年前から共学化し、二年目を迎えた。
 エリート中のエリートが所属する高等部2年A組……学業、スポーツ、芸術etc……あらゆる分野でそれぞれトップ〝だった〟女子たちが顔を揃えていた。そう、ある1人の男子生徒が入学してくるまでは……。
 これはクラスの中央の席に座る一廉純という少年と、彼の前後左右斜めの席に座る8人の女子生徒による物語である……。

第1話のストーリー:
 
 「はあ……」
 
 聖英学院に入学し、二年目の春を迎えた茶髪で短髪の少年、一廉純(ひとかどじゅん)はため息をつく。この学校は幼小中高大学一貫の女子高として有名だが、昨今の少子化という事情から共学化。男子生徒の受け入れを始めたが、まだまだ男女比率は女子の方が多く、女子高としての気風を色濃く残す。一廉がそういった雰囲気にまだ慣れていないのも事実だが、彼がため息をついたのはその為ではない。

 「……」

 一廉の前の席に座る眼鏡をかけた黒いロングヘアの女子がプリントを回してくる。

 「あ、ありがとう、不二さん……うわっ、新年度早々、実力テストか……」

 一廉がプリントの内容を確認し、頭を抱える。

 「……負けませんから」

 「え?」

 「一廉! 新年度のオレを見くびってもらっちゃあ困るぜ!」

 一廉の右斜め前に座っているジャージ姿の青みがかった髪色でショートカットの女子が声をかけてくる。

 「う、うん、三冠さん。別に見くびってないけど……」

 「とどくん、新入生見た? 友達百人できるかな~♪」

 一廉の右隣に座るショートボブの髪型に所々緑色のメッシュを入れた女子が尋ねてくる。

 「四恩さん。下級生とそんなに関わることある?」

 「一廉ちゃん、おはよう~」

 一廉の右斜め後ろの席に座った金髪でセミロングでスタイルの良い女子がにこやかに挨拶をしてくる。
 
 「あ、おはよう、大五さん」

 「今日もお弁当作ってきたから味比べしな~い?」

 「え、今日は午前中だけじゃ……」

 「HITOKADO、プリント……」
 
 一廉の真後ろの席に座るピンク色でポニーテールの髪型をした女子が話しかけてくる。

 「ああ、ごめん、六花さん。はい」

 「ふっ、文化祭が楽しみだね……」 

 「き、気が早くない?」

 「一廉殿、グッドモーニングでござる!」

 一廉の左斜め後ろに座る赤髪のツインテールの女子が挨拶をしてくる。

 「七宝さん、おはようでござる」

 「一廉君、おはよう、良い朝だね」

 一廉の左隣に短髪に水色のメッシュが特徴的な男子用の制服を着た女子が座る。

 「八神さん、おはよう」

 「一廉純! 今年度が楽しみだな! 色々と……」
 
 一廉の左斜め前に座る紫がかった髪色とお団子ヘアが目立つ女子が声をかけてくる。

 「そ、そうだね、九龍さん……」

 「……」

 (まただ、八方から強い視線を感じる! 今年度もこれか……)

 「はあ……」
 
 一廉はため息をつく。

第2話以降のストーリー:

 何でもそつなくこなしてしまうエリートの一廉純は学院内でも一目も二目も置かれている存在である。
 学力試験は常にトップ。運動神経もよく、各部活からは助っ人として引っ張りだこ。芸術分野などでも多彩でマルチな才能を発揮する。加えてルックスやスタイルも抜群。かといって、それを鼻にかけない性格の良さも周囲に好印象を与え、大いに人気を集めている。人当たりも良いため、男女問わず生徒たちからの人望も厚く、教職員からの信頼も高い。さらに、保護者や学院の近所の人々、他校の生徒などからの評判も上々。まさしく〝ひとかど〟の人物である。
 共学化によって、聖英学院に現れたこの少年の存在は大きなインパクトを与えると同時に、一部の女子たちのプライドを強く刺激した。
 
 不二静(ふじしずか)……学業優秀。
 三冠希望(さんかんのぞみ)……運動神経抜群。
 四恩和(しおんなごやか)……コミュ力が高く、SNSのフォロワー数多数。
 大五楽々(だいごらら)……料理上手で包容力がある。
 六花愛美(りっかまなみ)……芸術センスに優れている。
 七宝エミリー(しっぽうエミリー)……大企業の社長令嬢で日米ハーフ。
 八神自由(やがみじゆう)……顔が良い、男装の麗人。
 九龍紫萱(クーロンズーシュアン)……どこか只ならぬ雰囲気を漂わせている、華僑の娘。

 ……以上の女子生徒らがプライドを強く刺激された人物たちである。何故なら中等部までは、各々がそれぞれの分野でナンバー1だったからである。その状況が一廉の登場によって一変、彼女たちはナンバー2に甘んじることになったからだ。そのような状況は彼女たちのアイデンティティーを大きく揺さぶることであった。
 
 一廉と彼女たちは1年生時から同じクラスであり、教室の席順も中央に座る一廉のちょうど八方を囲むように座っている(何故か)。
 
 第2話以降では、彼女たちが一廉に挑戦し(ちょっかいをかけるともいう)、勝負や競争などを繰り広げていく。そうしていく内に、彼女たちの中で心境の変化が起こり、一廉へ対する感情も様々に変わっていく。一廉としては、あくまでも普通に学生生活を送っているだけなのだが……。

 聖英学院高等部2年生には大きなある“イベント”が控えており、一廉と8人の女子生徒はそれに参加することとなる。果たしてイベントの結末は如何に……?

 ※一風変わった学園ラブコメ、爽やかな青春ストーリー(ギャグ多め)となる予定です。


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