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SaaS事業の羅針盤となるロジックツリーを作成した理由。生きた事業計画とロジックツリーで事業を動かす

クラウドサインは上場企業でもあるため、4月から新しい期を迎えています。そのため、2月-3月で新しい期の事業計画を策定し、向こう1年間、そして中長期での成長計画を策定することになります。

策定過程において、クラウドサインが普及するための戦略を全てロジック化する必要があります。利用ユーザーが増えるということは、何の数値を改善する必要があり、そのために何の費用が捻出すれば獲得効率が最も良いか、のようなロジックです。

生きた事業計画と死んだ事業計画

事業に影響のある要素を事業計画に全て係数で表現したとき、スプレッドシートでは136行に。つまりこれは何を意味するかというと、事業偏差となる要素が136通りあるということ。それくらい複雑な要素が絡み合うのです。

項目と数値は流石に公開不可能なのですが、上記画像のようなイメージです。これが縦の列に136行の変動要素を加えたのが現在のクラウドサインの事業計画です。

そして社内で常々言っているのが、「生きた事業計画」にしてほしいとのことです。たまに社外の事業計画を見ることもあるのですが「死んだ事業計画」になっており、そこから事業が透けて見えない場合がよくあります。

例えば、SaaS企業で売上200万円上がるという事業計画を策定するとき、どのように事業計画を策定するかでその経営者の実力が1目でわかります。皆様も、是非トライしてみてください。

売上の構成割合が、既存顧客の継続課金なのか、既存顧客のアップセル、チャーンレート、新規受注数、新規受注企業の獲得単価など、要素が複数絡み合います。クラウドサインの場合、これが100以上の要素が介在すると判断しています。恐らく事業1年目の企業でも同様に100近くの要素が浮き上がってくるはずです。これが足らなければ、事業の見落としがあると考えています。

また、「死んだ事業計画」でよくあるのがロジックが積み上がらない希望的観測で支配された計画です。なぜか来年の1月からリード単価が下がっているとか、今年の9月から受注率が大幅改善するとか、ロジックない将来への希望的観測があります。例えば、クラウドサインであれば意識的に法改正へと働きかけをして、その具体的イベントが何のKPIにどのくらいの数値インパクトを及ぼすかをロジックとして盛り込むようにします。

そして、売上と費用の関連もよく抜け漏れがちです。売上を作るための費用ロジック。ここへ投資すると売上が上がるというようなROIをどのように事業計画に盛り込むかも腕の見せ所です。

事業計画から、ロジックツリーへ

今回自分から新マネージャー2名へのオーダーとして、ロジックツリーの作成依頼をお願いしました。事業計画は数値の羅列で、数値に強い人しか読み取りが難しいこともあり、事業部全メンバーが理解できるようにロジックツリーにした方がいいと判断したからです。

また、作成過程での学びが多い。だからこそ新マネージャーの勉強のためにも依頼しました。これも内容は公開するわけにはいきませんが、以下のようなロジックツリーです。

実に62個のロジックブロックにまで細分化されました。だいぶシンプル化されましたが、それでも62個のロジックのブロックが必要でした。それくらいSaaS事業は奥が深く、事業への変動要素があるものです。

これを作成することで各メンバーは、これからやるこの施策は、この短期KPIにこれくらいの影響を及ぼし、引いては中期計画のここにも左右し、結果として何ヶ月後に売上インパクトがこれくらい出る、とロジックが一目瞭然で理解することができるようになりました。

経営と事業と施策の羅針盤となるアイテムです。

学びたい方がもしいれば

この事業計画とロジックツリー作成を学ぶ方法は2種類あります。

クラウドサインに入社する方法

自分が手取り足取りSaaS事業が何なのかを教えます。

クラウドサインの有料会員になる方法

クラウドサインの有料会員になれば、ユーザー会などで自分に会う機会ができます。そこで名刺交換していただけて、しかもクラウドサインの有料会員であれば、事業計画などについて(時間が合えば)アドバイスさせていただきます。

直近のユーザー会は以下となっています。定員があり参加には抽選が必要ですが、クラウドサイン有料ユーザーの方は是非ご参加ください。


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