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クラウドサイン6周年。もう一度、電子契約業界を再発明する。Re:CloudSignに挑む1年に。

先日、クラウドサインはリリースして6周年を迎えました。思い返せば山あり谷あり、リリース以来様々なことがありましたが、様々な方に支えられ、ようやく電子契約が社会に普及する下地が造れそうです。

3周年のときは「Connected Everything構想」を発表し、これからクラウドサインはアライアンス戦略を強化すると発表しました。4周年のときは、大企業/エンタープライズ企業にリソースを寄せる声明を出し、製品開発も大企業/エンタープライズ企業をペルソナに置き資源を集中して開発継続してきました。

クラウドサイン5年目にしたこと

クラウドサイン5年目となる去年は、ようやく電子契約を取り巻く法制度が完備されました。100年以上私たちの商慣習を支えてきた印章制度に代わる、これからの100年を支えるインフラ造りをしていかなければならない責任を負いました。これに合わせ製品のタグラインも、変更することにしました。

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そして、昨年の5周年では以下のような記載をいたしました。

これから多くの裁判所にクラウドサインで締結された契約書が証拠書類として提出されるでしょう。これから法令に電子契約を前提とした文言が明記されていきます。契約締結は誰が同意主体者とするのかの業務フローが確立される必要があります。これからもう一度、100年間の積み重ね。取引決済の相互信頼を生み出すために、力強く、商慣習を創る必要があります。

引用:クラウドサイン5周年。これまでの5年と、これからの100年。


商慣習をもう一度造り直すことは当然容易でなく、100年かかるインフラ造りの1年目を私たちで作る責任がある。そのためにも電子契約の規格、講学上の整理を率先して社会にお示しする。そして電子契約導入のための導入プロセスを体系化/雛形化し、社会に伝搬させることが重要であると考えました。

具体的には、クラウドサイン関連書籍という形で発表致しました。

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アカデミズムの中での研究に寄与する受け皿として、電子契約に関連する研究機関「クラウドサイン 電子契約総合研究所」も設立いたしました。電子契約を取り巻く法制度は完備されたものの、それを運用する雛形、マニュアル、ガイドライン、スタンダードが形成されているとは言い難く、社会的コンセンサスを得ていないと考えています。まだまだインフラ造りの道半ば。


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他にも、クラウド型電子署名サービスの業界団体を設立するなど、様々な角度から本当の意味で国民的に電子契約が取引基盤として活用されるインフラ造りに注力しました。

理想には程遠いながらも少しずつではありますが、クラウド型電子署名サービスに関する法的位置付け整備され、理解の共通化に一部でも寄与できている実感があります。まだまだ取引基盤として国民的になっているとは言えませんが、インフラ造りに関与するために出来ることはまだまだあります。

また、5年目に注力したことは行政機関によるクラウドサインの利用、そして受容です。隗より始めよ。言葉通り、国、地方公共団体側がクラウドサインを利用開始しなければ国民的に利用することは難しいと考えていました。そこで昨年10月クラウドサインにデジタルガバメント支援室を立ち上げました。

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自分自身、様々な行政機関の長ともお話させていただく機会を得ました。本導入に至った都道府県もあり、これも一定の成果を得ることができましたが、まだまだこれからが本番です。6年目も引き続き注力分野です。

クラウドサイン6周年;Keep moving forward

こうしてクラウドサインは6周年を迎えました。

COVID-19の世界的蔓延により、私たちの社会は人と会うことができなくなりました。対面することなく、在宅にて、それでも経済を止めてはならない。少なからず押印による商慣習がそれを阻害していた事も疑いようもなく、私たちによる寄与が少しでも貢献に結びつけなければならないと責任感を持っていたのは先述のとおりです。

この世界的疫病は人類の悲劇そのもので、言うまでもありませんが、起きなければよかった。しかしながら起きてしまった以上、それを人類一丸となって蔓延を止め、医療機関への支援を行い(クラウドサインからも微力ながら寄付させていただきました)、社会をより良くできる箇所は不可逆的な前進をしなければなりません。

そんな想いを込めてクラウドサイン6周年は明るい雰囲気のビジュアルを作る事はできず、「Keep moving forward:前へ進もう。この1年があったから、次の向かうべき未来がある。」とキービジュアルを作成しました。

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理想の社会の実現に向けて不断の努力を続けているものの、簡単には実現できない。真っ直ぐに理想に辿り着ければいいんだけど、実際には遠回りしたり、苦労の連続。理想(North Star)に向けて皆で一丸となって向かうけど、何度も苦労して、何周もしながら目標に辿り着きたい。真っ直ぐに目標に向かうよりも、その方が私たちらしい。

そんな在り方が「6」という文字自体にも現れていて、この苦しかった1年を、この1年があったからと誇れるように前に進んでいきたいと思います。Keep moving forward。この台詞は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアから引用しています。

If you can’t fly then run, if you can’t run then walk, if you can’t walk then crawl, but whatever you do you have to keep moving forward.

もし飛べないなら走ればいい。もし走れないなら歩けばいい。もし歩けないなら這っていけばいい。何があっても前に進み続けなければならないのです。 - Martin Luther King Jr

もう一度、電子契約業界を再発明する。Re:CloudSignに挑む1年に。

そして今、電子契約業界に必要なのはもう一度、挑戦する姿勢です。この5年間、なんだって挑戦してきました。

中でも代表的なのが2000年に施行された電子署名法が前提とした規格である当事者署名型ではなく、クラウドサインが採用した事業者署名型(立会人型、当事者指示型)という規格への挑戦です。

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当事者署名型は厳格な本人確認性ゆえに、事前にそれぞれの認証局から電子証明書を取得しなければならない。それが当時法が予定した規格でしたが、それでは普及する事は不可能である。クラウドサインが採用する事業者署名型ではないと普及はできないとクラウドサインの挑戦がスタートしました。

現在電子署名法の法解釈変更が行われ、事業者署名型電子契約サービスは当事者指示型であれば電子署名法に準拠するとの法務省等の見解が発表されました。

だからこそ、今私が発言しなければいけないと考えていることがあります。

電子契約業界で絶対に避けなければいけない事は、これらの制度改革に安堵し、更なる改善、更なる挑戦を止めてしまう事です。内閣らの力強いリーダーシップにより、大きな制度改革が実現できた事は非常に大きい出来事です。非常に有難く、現在においても多大なる感謝をしています。

ただ、これを受けて私たち電子契約ベンダー企業はこの規格が認められたと、現在の規格からの改善を止めてしまう事は別です。良い法制度ができたからこそ、その制度に決して甘える事なく、更なる改善活動する責任をいただいたのだと考え始めました。

そのように考え始めてから、当初厳格な本人確認性ゆえに普及が不可能だと判断した当事者署名型の弱点を克服して、事業者署名型のような利便な「新しい当事者署名型」が実現できないかの研究をするようになりました。

クラウドサインは「新しい当事者署名型」への挑戦をすると声明を出しました。

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それが新しい規格であるマイナンバーカードを活用した「新しい当事者署名型」です。実印の再発明。

身元確認のためにそれぞれの電子認証局から有償で取得する事は不可能であるが、他の用途にも利用でき、無償(無償どころかポイントがもらえる)で取得できるマイナンバーカードであれば、当事者署名型の弱点を克服する事ができる。さあ、挑戦だ。

電子契約にはまだまだ課題が多い。紙の契約との一元管理、他の電子契約サービスとの一元管理、法人決裁権限/無権代理問題のエレガントな解決策、取引先が電子契約不受容だった場合の対策、取引先の決裁権限者のメールアドレス確認の社会的コンセンサスなどなど。挙げればキリがない。

既にクラウドサインでは契約管理の再発明として、キャビネット機能を今年リリースするに至りました。

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他にも、法人決裁権限/無権代理問題のエレガントな解決策にも取り組む予定です。

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電子契約が社会的にも必要性を一定ご理解いただけたのは確かで、嬉しい事なのですが、私たちの挑戦のスピードを緩めてはならない。本当の意味で400万社・1億人が利用するインフラになる上での解決すべき課題は山積しており、現状に甘えず、挑戦の連続をしていかなければなりません。

クラウドサインの現在の規格である事業者署名型を超える「新しい当事者署名型」への挑戦はわかりやすく「Re:CloudSign」ですが、それ以外にも社内には具体案を提示しました。この記事では様々な方に見ていただいていますので具体的には言及できないのですが、様々な挑戦をしていきます。是非1年後の7周年のときに評価いただきたいです。挑戦が甘いのではないか、評価いただきたいです。

6年前と異なる事は、様々なご支援いただける仲間がいる事。

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様々なお客様にご支援/ご指導頂けている事。お客様と対話する、お客様同士が支援しあえるユーザーコミュニティ「Re:Change」がある事。100社以上ものパートナー企業がいる事。様々ご支援/ご指導いただける方々に恵まれています。

これから1年間、クラウドサインは前例に囚われない様々な挑戦をしていきます。クラウドサインらしい解決策を社会に提案していきます。これからもご期待、応援いただけますと幸いです。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

お読みいただきありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ