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「男子ってなんであんなにバカなの」問題

ここ数年来、若い男の子たち(中高生・大学生)が何人も連れ立ってわちゃわちゃケラケラしている様子に対して、なんかすごくイラ立ちを感じるようになった。いやもちろん理不尽だし、良くない感情ではあるんだけど、これはいったいどういうわけなんだろう。

それも特定のどういう子たちが、ということではない。複数人でつるんでいる子たち全般だ。陽キャの子たちは尊大で、陰キャの子たちはどこか痛々しく、体育会系の子たちは無神経。皆それぞれ属性に応じて違いはある。

共通しているのは、みんなバカで世間知らずの身の程知らずで、自分とその仲間が彼らにとっての世界の中心だ。そう、本当に彼らの世界は狭い。
その精神的な未熟さがかもし出す、軽薄で上滑り感のあるテンション、ホモソーシャルな関係性に基づく、男同士のじっとりとした結びつき。
今や街中で、電車の中で、学校内で、彼らがはしゃぎ、身をくねらせ駄弁り合う姿を目にするのはストレスでしかない。

けどそれなら、自分だってかつてはそのみっともなかった連中の一人だ。
あいつらうるせーなー、と思いつつも、なんか俺らもああだったよなー、と生温かい目で見つめていたに過ぎなかった。
それを今になって疎ましく感じるようになったのはなぜなのか。
歳を取って感覚が変わったからなのか?
若さとそのエネルギーに対する嫉妬なのか?

ひとつ思い当たるふしがあるとすれば、昔から自分は集団行動や複数でつるんで行動することが苦手だった。仲の良い友達はいないわけではなかったが、常に一緒に動いたり、同じところで笑ったり話を合わせたりするのがしんどくてしょうがなかった。
自分のペースで感じたり動いたりできない、複数人での「ノリ」と「うるささ」を鬱陶しいと感じていた。

その感覚が変わったのは、行動を共にする友人に女性たちが加わったことが大きい。異性ということもあって常に行動を共にすることはないのだが、初めから違うことが前提で、同じノリや空気を強制されることのない存在は自分にとってとても有難かった。

図書館という女性が多数を占める職場で働くようになってからは、日本の男性の精神的な幼さや、ホモソーシャルな絆への違和感をより強く感じるようになった。もちろん女性だらけの集団にも問題がないわけではないが、少なくとも日本の社会にはびこるマチズモ的価値観に従わされなくてすむ環境は、自分にはとても快適である。

つまり、今の「野郎ばっかりでつるむ男子学生(ヘタすると新社会人)」たちに自分が感じるイライラの原因は、

  • うるさいのがイヤ、つるむのがイヤという生来の性格

  • 女の子たちが「男子ってなんであんなにバカなの?」と怒るあの感覚

  • +やはり歳を取って偏屈になっている

というところから来ているのかもしれない。
まあ、自分の腹の中なんて、ホントのところはどうだかよくわからん。
ともかく、現在の職場ではその若い人たちと日常的に接しなくてはならない以上、あまりネガティブな心持ちになるのはよろしくないので、どうにかやっていくしかない。


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