雑感:CDTVライブでのKing Gnu 「Teenage Forever」

ネタに溢れていて面白かったですね。
(仕事があったのでリアルタイムではなく、録画でみました)
見ていて色々と思ったので、つらつら書いてみます。

◆プレイヤーの技量とバンドとしての強度

色んなメディアで彼らの演奏技術の高さは語られています。
楽器演奏しない人がテレビやライブの映像を見ていても、多分そう感じるでしょう。(テレビでの演奏は録画だと思いますが、十分に感じれるかと)
リズム隊の新井さんと勢喜さんはリズム的に難しい曲でも大きく崩れないし、常田さんはその上で弾ける様に演奏している。しかも毎回ギターソロが違ったり。井口さんは相変わらず井口さん。

そして、それぞれがお互いの音や顔を確認し合って反応している。
昨日で顕著だったのが、アウトロで井口さんと常田さんが遊びはじめ、それにリズム隊の新井さんと勢喜さんが反応していくところ。

「こういうところがバンドとして良いよね」なんて言うと、「バンドはそれが普通じゃないの?」と言われることがあります。
違います。アマチュアだと自分の演奏にいっぱいいっぱいになったり、もしくは酔いしれすぎたりして、周りの演奏から外れることが多々あります。
私はバンドでもギターソロを弾く先輩方にそういったことをダメ出しをします。結構いらっしゃるんです、自分の演奏しか耳に入らない方が。

(偉そうに語っていますが、私も大したことないレベルです。
 でも、他のパートの音を認識して、曲全体を掴もうと気を付けてます)

今回だけでなく、色々と厳しそうな紅白でもKing Gnuはオケを流さず演奏していました。それは自分たちの技量に自信があるからではないでしょうか。

◆テレビを遊べる余裕

その中で、色々とネタを仕込む彼ら。(というか、井口さんと常田さん)
白目むいたり、奇行種の階段降りだったり。
King Gnuは「売れること」に意識的なので、そういうバズり具合も込みだったんでしょう。

今回のパフォーマンスを見ていて思い出したのが、ブレイクしたてのDragon AshがCDTVの演奏でのKjがマイクを逆さまにして歌っていたことでした。
(ベースの馬場さんの棒立ちも面白かったんですが)
ブレイクした中で溜まっていたメディアへの批判だったんだと思っています。

同じようにブレイクしたKing Gnuもきっと同じような葛藤はあるでしょうが、それをバンドの強度で乗り越えてさらにそこで遊んでいるように思えてきました。

音楽以外のところで色々とネガティブな話題を挙げられていますが、それもいつか収まっていくのかなと思います。

◆SNSの奥にいる人に相対するように

今回のようなお遊びの一方で、Mステの「the hole」はシリアスでした。
選曲もそれを選んだ常田さんの言葉も含め、SNSの向こう側にいる人に届ける姿勢が感じ取れました。

私の前の記事での川谷絵音と山口一郎の対談でも音楽とSNSについての話がありましたが、今のミュージシャンは音楽だけでなく、SNSを含めた活動も余儀なくされています。難しい時代ですね。

◆余談

King Gnuのメンバーの関係性がとても面白いと思う一方で、そこへ過剰に夢を見るようなことは避けなきゃなぁとも思っています。
これについてはまた、別の話で。

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