「真新しい一日の繰り返しで」日記
だいたいの朝、
ぼくは、スターバックスで執筆をしている。気づけば店員さんに注文を覚えてもらえていて、
「アメリカーノでよろしかったですか?」と聞いてもらえるようになった。
有難いことだ。
だけど、
その日が同じになるとは限らない。
いつからか、
毎日が同じになるように思っていて。
スケールの大きな話になるけど、いつも同じ日になってしまう。
スターバックスで執筆をして、
そこから職場に行って、
目新しいこともほとんど無く
気づけば一週間、一ヶ月が終わって
そして、
「アメリカーノでよろしかったですか?」と聞かれ、
「はい、アメリカーノで」
と答えている。
また同じ一日か、と思いながら小さな財布を手にしたとき、ふと世界の可能性を拒否している気がした。
ずっと、ずっと昔、子供の頃。
ぼくは父親と流れ星を見にいったことがある。急に「出かけるぞ」と父親に言われ、車で一時間くらい乗っていた。
山に入っていて、父親は「流れ星が見れるぞ」と言った。
夜に星が瞬いていて、30分くらい見ていると、一瞬だけ光った。
一筋の流れ星。
場所が悪かったのか、その夜、一つしか見られなかったけど、ぼくは大興奮した。
「しし座流星群と言うんだ」
その言葉に、日常が同じだなんて思っている余地なんて一寸もなかった。
今だって世界は同じ。
楠木町のアパートだって、水道メーターは少しずつ上がっていくし、日々革靴は汚れていく。子供の頃の僕がみたら、きっと楽しかっただろう。
今年もそろそろしし座流星群が見える。
宇宙を漂っているチリが年に一度地球にぶつかってくる日、やっぱり一秒として同じ瞬間なんて無いのだと肝に銘じながら見に行こう。
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