「命」

「命」。
それは目に見えない無色透明な液体である。
私たちの人間の目には映らない”何か”がある。
私たちは毎日朝起きて生活をする。心臓がうごく。私たちは歩く。息をする。
ゆっくりと、聞こえない音で動いている命。心臓の鼓動が波動となって、それは液体となって、今日も私たちは生きていく。

命は、心臓の中にある。血液の中にある。
何色をしているんだろう、色があったら、おもしろい。
色がないから、私たちは人間でいられる。

命は、魂である。「魂」はたとえこの世の中から「私」が消えてしまっても、空の上でぷかぷかと浮かび、雲のように存在する。空の上から、見守っている魂。それは太陽の光となって、私たちに勇気と希望を照らすだろう。
色がない、無色透明な世界で、魂が、いのちが、静かに燃えていく。

聞こえない音でいのちが燃え尽きた暁には、星が輝いて見えた。